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 【ルーマニアの世界遺産

世界遺産「オラシュチエ山脈のダキア人要塞」
2008.12.02
 
2008年12月2日    410日目


すべてを隠す山々に覆われた頂上

そこにひっそりとたたずむ城壁が存在する

ローマ帝国の侵略を防ぐために作られた


おはようございます。

目覚ましの音で起こされて、すぐに朝食

本日はここからかなり離れた世界遺産をバイクで見に行く予定なので。

運よく、日本人のライダーの方と知り合い全くガイドブックに載っていない世界遺産へ一緒に行ってくれることになりました。

もし出会わなければ完璧にあきらめていたところでしょう。

朝食をのんびり食べてから、宿を後にして。

バイクの後ろにまたがり出発です。

街中はいたって順調に進んだのですが、幹線道路に入ったとたんスピードが上がり。

寒くて、寒くて、仕方がない。

特に手が。

毛糸の手袋では風は防ぎきれない。。。

さらにバイクに乗っているために両手を離してポケットに入れるということができないし。

1時間半寒さと闘っていました。

こうしてようやくオラシュチエの街に到着。

本日の目的の世界遺産はここより南に40kmぐらい離れた場所にあるのです。

すぐに南に向かう道を探しましたが、、なんと見つからず。

世界遺産の名前は知っているのですが、最寄りの街の名前が標識に書いてあり、そっちは知らなかったので迷ってしまいました。

人に道を聞きながらようやく南に向かう道を発見。

すぐさま南へ走り、なんと道路が舗装されてないところまで到着。

しかしこの先に世界遺産があるのでどうしようかと模索していました。

何しろぬかるんだ砂利道でのバイクは滑ってしまうのでなるべく走りたくないみたいなのです。

では歩こうかと話していると目の前には一台の車が来るではないですか。

目的地までどのくらいの距離があるかと聞くとなんと20kmと答えるではないですか。

それは歩けない。

ということでこけることを覚悟しながらバイクに乗っていくことに。

案の上滑って滑ってこけそうで。

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ぬかるんでいるところなんて私が降りてそこだけは歩くことにしましたよ。

それにあたりには家が数軒あるだけでほんとの山道。

これじゃあガイドブックにこの世界遺産が紹介されないわけです。

全くと言っていいほど交通機関がなく車一台も通らない道。

さらに砂利道になってから20km以上離れているとなればもういけないという意味になりますからね。

最寄りの街からも30kmも離れているとあっては。

しかも迷う迷う。

人がなかなかいないので道を聞くこともままならず、ようやく見つけてはすぐに道を聞いて先を進んでいくという感じです。

さらに一回道を間違えてかなりの山道を登る羽目にもなってしまいました。

ようやく目的の場所まで5kmのところまでやってきたときには昼の12時。

すぐにバイクで向かおうとしましたが、なんと道が壊れていて工事中で歩きしか不可能と言われてしまいました。

要するにこれから山登り込みの往復10kmハイキングが待っている。

いったい帰れるのは何時なのでしょうか。

愚痴っていても始まらない。

早速バイクを止めて山道を歩きはじめました。

道はかなりぬかるんでおり、しかも雪まで残っているというかなりの悪路。

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それに急な上り坂。

挙句の果てには巨大な木が倒れており、道をふさいでいました。

ほんとにこりゃ大変だ。

そして歩くこと1時間10分ようやく世界遺産「オラシュチエのダキア人要塞」に到着することができました。

ここはローマ帝国の目の上のたんこぶであったダキア王国の首都であった場所。

過去ローマに何度も侵攻していたダキア王国は連戦連勝でローマ帝国に屈辱的な協定を受け入れさせました。

その後ローマ帝国が最大領土を築いたトラヤヌス帝も時代にダキア王国に進攻。

このオラシュチエ山脈の中にある首都サルミゼゲトゥサへ侵攻。

長期にわたった包囲網の末、ついにダキア王国を陥落させたのです。

こうしてダキアの地はその後ローマの属州となったのでした。

現在このオラシュチエ山脈に残る当時の要塞の跡は当時の文化や建築を顕著に表わしている。

特に素晴らしいのがムルス・ダキクス様式と呼ばれる要塞。

今までの石で組み上げた要塞とは違い二重の壁を作りその中に土などを入れ強度を増すといった手法。

これにより、砲撃などの力を分散・吸収してしまう能力があり今までの城壁よりも堅固なものへと変えたのです。

このようにダキア人の建築・生活などすべてを現すオラシュチエのダキア人要塞は現存する6箇所が世界遺産に登録されました。

本日向かったのはその中心地であり首都であったサルミゼゲトゥサです。

というかこれしかある場所がわかりませんでした。

山の峠に差し掛かると見えてくるのは堅牢な城壁。

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現在は崩れて低くなっていますが、それでも城壁の厚さを見るとそれがいかに巨大だったかを表しています。

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城壁は山の周りを小さいですが一周しており、4方向に門があったのを確認できます。

それにしてもこんなところに城壁作ってほんとに人住んでいたのでしょうか。

自分たちが来るにもすごく時間のかかる場所で当時は徒歩しか方法がないでしょうから、ここに来るまでに何日も時間を有する形になってしまうのに。

ここが首都だなんて驚きなんですけど。

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城壁もかなり小さくこれでどれだけの人が守られていたのか想像できない。

というか兵士だけしか入れないんではないでしょうか。

すると入口から反対のところに下る道があり、そこには当時の石畳が。

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その下には巨大な広場が存在し。

なんとたくさんの住居?跡が。

いやなんか住居と違う気がする。

どちらかというと宗教施設と呼べるべきが。

礎石が残るだけですが、柱が乱立して建っていたところや水路などがいまだに確認できるのです。

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山の中に隠された古代都市と言っても過言ではない。

何しろ見渡す限り山に囲まれており、人が住んでいる気配は全くないのですから。

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やっぱりここを見るだけでもどうしてここに都市を築いたのか気になるところです。

それにしてもここに一つだけ不思議な建造物があり。

円形で囲った石の中に今度は木で作られた高さがばらばらの円形の建物が存在します。

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、、、何に使うの?

見た目はストーンヘンジによく似ていると思いますが、ストーンヘンジも用途不明ですし。

これも全く存在理由が分からない。

宗教的に重要なものだったのでしょうね。

こうして全体を見たわけですが、首都としては規模が小さいです。

ここは限られた人しか入れなかったのではないのでしょうか。

人が住めても百人ぐらいしか住めない規模ですから。

きっとオラシュチエ山脈のいろんな場所に住んでおり、その中でも権力者がすんだのかこのサルミゼゲトゥサだったのではないでしょうか。」

他にも5つの要塞が存在するわけですから。

その周りに人々が住みダキア王国を形成したのではないでしょうか。

こうして本日の観光が終了。

本当はもう少し観光したかったのですが、暗くなってしまっては本日シビウに帰ることができなくなってしまうので

明るいうちに舗装されている道路まで出たかったのです。

ということで早速山を下り、バイクにまたがりぬかるみの道を。

いつこけるかわからないのでビクビクものです。

ようやく舗装された道に戻ってからはやっと安心できました。

そして街に戻る途中に世界遺産の看板が見えたのでそちらに行くことにしたのですが。

なんと看板だけあって遺跡は全くどこにあるか分からず。

きっと要塞ですから山の上にあるに違いありません。

でもそこまで観光する時間は残っておらず。

シビウの街に戻ることにしました。

現在ルーマニアは5時には暗くなってしまうので暗闇の中バイクを走らせ。

私は後ろで捕まっているだけなので眠くなり、数回落ちてしまいました。

振り落とされたら大変だよ。

いやはやそれにしても冬ですから寒いのなんのって。

ようやくシビウの街に到着して、すぐさま夕飯を買いに。

キッチンがあるので自炊系ですけど。

まあすぐに作れるものとしてパスタとミートソースとソーセージというメニューでしたけどね。

その後はずっとネットをしていました。

ここネットフリーなので。

自分のパソコンにつなげられるのがすごくうれしいのです。

さてここで明日のことを考えていたのですが、このまま順調に行くと次の次の観光が土日にかぶってしまい強制的に2日待ちという可能性が出てきて。

しかもその街にはユースがなく安く泊まることができない。

だったら明日このシビウで日記整理に励んだほうがいいと思い。

明日は休養とします。

ここですべてのけりをつけてやる。




オラシュチエ・sarmizegetusa regia へのアクセス
シビウからデヴァDeva行きのバスに乗りオラシュチエOrastie下車
オラシュチエからCostestiまではバスが出ている
Costestiからは道なりに南下して30kmほど進まなければならない。
しかし道も砂利道で車も歩とんど走っておらずヒッチハイクも期待できない。(さらに山の奥地のためにそこまで行く車は一日一台もない)
このため現実的なのはレンタカーを借りていくこと
さらに山の頂上近くにあるため最後の5kmは徒歩になるので注意が必要
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