森の中にひっそりとたたずむ建物
そこでは修道士たちが祈りを捧げる
白亜の中に壮大なイコンが残る場所
、、、微妙に体調が悪い。
風邪なのか、下痢なのか。
よくわからないけど、体調が芳しくない。
でも観光できないぐらいではないので。
まあ、ゆっくりと観光しましょうか。
強制10kmハイキングが待っていますが。
ともかくまずは朝食。
豚のパテとパンで。
朝も昼もこんな感じの食事しかしてないですけどね。
朝食が食べ終わってすぐに出発しょうと思いましたが。
なんかだらだらしてしまいました。
体調が完璧ならすぐに出発したのでしょうが。
でも本日観光したいので、ようやく重い腰を上げて出発。
街から修道院までは約5kmあるので体調に響かないようにゆっくりと歩きました。
が、いろいろ道を間違えた。
というか聞く人聞く人指差す方向が違うのですから。
さらに曲がり角をどちらに進むか分からず人に聞こうとしても人がいなくて困り。
結局勘で進みだいぶ歩いたところでようやく人に出会い聞いたら、違ったという感じで。
到着するまでにだいぶ時間がかかってしまった。
しかも少々高台に登らなくてはいけなくて。
微妙に体調が悪い私にとってはつらいメニューでしたね。
ただし高台で修道院の姿を確認できた時はほっとしましたが。
ようやく、看板があるところまで来て。
あとは道に沿っていくだけ。
すると、目の前に白くて大きな建物が。
これこそが、世界遺産「ホレズ修道院」です。
時は1690年、この地はワラキア公国の領土でした。
その時の領主ブルンコヴェアヌ公はある時神の啓示を受けます。
この地に修道院を建てろと。
こうしてホレズの修道院の建設が始まるのです。
それは真っ青な空に映える白亜の修道院でした。
これはワラキアとギリシアの建築様式が混ぜ合わさったもの。
教会もギリシア十字架をそのまま形造るものでした。
そして一番のすごいところは内部のフレスコ画。
入口から教会の内部まですべてにおいてフレスコ画が描かれたのです。
こうした独特の建築を建設者の名をとってブルンコヴァヌア様式と呼ばれるようになりました。
このように建てられてホレズ修道院はその後の建築様式やフレスコ画に多大な影響を与えた場所として世界遺産に登録されたのです。
ホレズ修道院が最初に迎えてくれるのは黄色い門。
そこから長い石畳の道を歩いて行くと続いて白い門に出会います。
そしてさらにその門をくぐると巨大な白亜の修道院が見えてくるのです。
一見見ると巨大なお城というイメージも持てますが。
入り口の上部には時を告げる鐘が鎮座されており、そしてキリストのフレスコ画も見えます。
そんな中を進み建物の内部に入ると中庭のような場所に出てその中心には一つの教会が。
これがホレズ修道院の中心にそびえる教会。
周りはすべて白で統一されており、上部には十字架が掲げられています。
外見にはほとんどフレスコ画はなく、周りの建物とともに空に溶け込んでいるかの様に。
教会を中止として長方形に建物が配置され。
そこは修道士たちが祈りをささげるために寝泊まりする場所。
黒い服に髪の毛もすべて隠し、神にその身をささげた女性たちが毎日のお勤めをしている姿が見てとれます。
ここは数百年も同じような時を過ごしてきたのでしょう。
毎日はお祈りから始まり、神に仕える。
毎日が変わらない風景。
ホレズ修道院は修道士たちに支えられているのです。
そして一度ホレズ修道院を高台から見ようと、少し移動。
森の中にそびえるホレズ修道院を観光しました。
外から見るとその修道院の大きさがわかって面白いものです。
そして再び教会内に戻り、今度は教会の前に。
教会の内部に入る門の前には様々なフレスコ画が描かれています。
一番目を引くのが最後の審判。
そして天井部分にはキリストを抱いたマリア様の姿が。
人物を強調するために金色を効果的に配置していますが、目に映るのはその青。
今まで見た中で一番鮮やかな青がそこには映っています。
なんだか引き込まれそうな青で。
まるで見ているものを現実と切り離して、そのフレスコ画の世界に旅立たせるようです。
そしてその周りには天使や様々なキリスト教の場面が描かれており。
天井はすべてフレスコ画に覆われているのです。
当時の人々は文字が読めず、キリスト教がどのようなものかわからなかったので。
絵を見せてキリスト教がどのようなものかを教えるにはちょうど良い方法だったのです。
ちなみにバルカン半島ではフレスコ画によって教えてきましたが、これがフランスの方になるとステンドグラスに場面を描き、人々に押してきたのです。
描き方は違えどみな同じ方法によってキリスト教を広めるのに一役かったのですね。
こうして教会の内部へと足を踏み入れました。
ただしやっぱり写真撮影は禁止でしたので。
写真はなしでごめんなさい。
内部は入口に描かれていたフレスコ画同様、その隙間すら存在しないぐらい内部を覆っています。
入口の部分にはたくさんの聖人が描かれ、またキリスト教が歩んできた場面が描かれています。
薄暗い中、その金色で装飾した部分だけは光輝いており。
まるで異質な空間にいるかのよう。
特に天井部分は太陽の光でフレスコ画が鮮明に見え。
そこにはキリストや聖人がまるでこちらを見ているかのように見つめています。
教会の一番奥には祭壇が築かれ、上部には十字架に磔られたキリストが。
その下には13人の弟子たちが並び、それはまさにキリスト教の主要メンバーが一堂に描かれているのです。
祭壇の奥にはまだ扉があり、中には何か神聖なものを守っているかのように見えます。
しかしそこに入ることは許されていないのでいったい何がそこにあるのかわかりませんが。
雰囲気だけを見るならスチャヴァの修道院の写真を見てください。
まあ、モルドヴァにある修道院と内部は似ていますね。
ちょっとこっちの方が規模が大きくと唖然とさせられますが。
その分モルドヴァのほうが外壁にフレスコ画が描かれていてまた独特な雰囲気もありますし。
中には熱心にお祈りをしている人の姿が見受けられます。
みんな、胸の前で十字を切り、そしてひざまずきキリストに挨拶するのです。
日本人は宗教という概念に疎いのですけど、これを見ると彼らがそこまで宗教を信じている姿に圧倒されますし、素晴らしいと思います。
特に現代において宗教というのはある意味必要と無くなっています。
もともと明日生きられるかどうかもわからない世界で宗教とは生きた証を神に祈り、そして共同してさらに生きるというのを目的としていますし。
現代では明日生きられるかどうかという概念がなくなっていますから、神という存在が必要なくなっているのです。
そう思うといまだにキリスト教がこれほど素晴らしいものだと思わせるには十分すぎるくらいですね。
こうしてお昼を過ぎて、ずっとフレスコ画を眺めていました。
が、もう少し見ていたかったのですが。
やっぱり体調がしっかりしない。
もう見るところは見つくしたので宿に戻って休養することにしました。
もちろん、帰りも歩きなのでゆっくりと歩きながら。
体調が悪くならないように。
1時間後にようやく宿に辿り着き。
そのまま、睡眠をしてしまいました。
本当はゆっくりと写真の整理とかしたかったのですが。
起きた時には既にあたりは暗く。
あれ、3時間以上寝てしまいました。
でも体調は少し良くなったかも。
そんなわけでそのまま夕食です。
昨日の買っておいた缶詰を再び。
メニューとしてはパンと玉ねぎと魚って感じ。
毎日こんな食事でいいのかというほど質素のような。
自炊でも質素、宿でも質素。
まあ、ヨーロッパの食事ってこんなもんですよね。
何しろお酒のほうが安いんですから。
ただし本日は飲みませんよ。
体調の回復のほうが重要なので。
夕食後は一度外に出て飲み物の買出し。
もう水が残ってないので。
やっぱり冬ですね。
寒くてすぐに宿に戻る気になりましたよ。
夜はそのまま日記の整理と写真の整理に追われました。
そしてすぐに寝る準備。
何しろ明日の出発は5時半ですから、4時半起きなんですよ。
チャリダーとかライダーがうらやましい。
自分たちで出発の時間を決められますから。
さて明日は首都ブカレストで宿さがしをがんばりましょうか。
ホレズ修道院へのアクセス
ホレズ修道院はホレズの街から約5km離れている。
ホレズの街へはトゥルグ・ジウTargu JiuとRam.Valceaの街からは比較的多くのバスが走っている。
またシビウ、クルージ・ナポカ、ブカレストからも直通の便が数便ある。
ホレズの街から修道院までは徒歩しかない。
ホレズのバスターミナルから目の前に見える道路をみて左斜め前に進む道を進み(先に進むと右手に警察署がある)、行き止まりを左へ。
500mぐらい進むと再び突き当りになるので左に曲がりすぐにあるわかれ道を右に曲がり、高台へと進む。
(目の前に小高い丘があり、その頂上に立っている黄色いペンションを目印に進む)
小さい丘を越えると再び突き当りを左へ。(丘の上から修道院が見える)
その後は標識が見えるのでそれ通りに。
もしよろしければクリックしてください。

世界遺産のことを皆に知ってもらう為によろしくお願いします。