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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学66--モラヴィアの真珠--
2000.12.30
 
世界遺産雑学66

--モラヴィアの真珠--

パステルカラーが彩る街
広場の中心に立つとあたかも絵本の世界に入ったと錯覚してしまう。
のどかな街
しかし、そんな街になるために苦難があった。

テルチ歴史地区  チェコ

チェコ南部の小さな街、テルチ
そこはプラハとウィーンのほぼ中間にある。
こんな街に人々をひきつける魅力があった。
広場に囲まれた建物の装飾である。
パステルカラーで彩られ、アーチ型をしている入り口、ロココ風の窓。
あたかも過去にタイムスリップしたと思わせる。
16世紀の町並みがそのまま残る。

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華やかで魅力的な街。
しかし、こんな華やかになるには辛い過去があった。

テルチは12世紀に生まれた街だった。
それはモラヴィア地方の湖を干拓し建設された。
のどかで平和な街があったのである。
しかし1530年突如として悲劇が襲った。
「大火災」である。
当時、テルチは木で作られた家が並んでいた。
このためすべてが焼き尽くされてしまった。
こうして、焼け野原だけが残ったのである。

そしてテルチの再建に乗り出す。
当時の市長ザッカリアス・フォン・ノイハウスが指揮をとった。
再建にあたり市長は三角形の中央広場にある注文をつけた。
「中央広場に面した建物はすべてルネサンス様式と初期バロック様式で立て直すこと。
ただし建物の正面装飾やデザインは家主の自由裁量とする」
この市長の言葉から住民はこぞってキレイな家を建てたのである。
隣の家より目立とうとしたため。
これにより中央広場に面する住宅の正面玄関のみ個性的できれいな建物となった。

また、この街の住宅にはあるもので造られている。
それは石である。
大火災の教訓から木を一切使わない石の建物が造られた。
それ以外にも周囲に壁や池などを配置。
こうして防火にもっとも強いキレイな町並みが完成したのである。

そして広場を見守るために聖母マリア像が建設された。
広場の泉のそばでほぼ全域が見渡せる場所に。
このマリア像は裕福な住民が寄付で建てられたのである。
家8軒分の費用で。

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テルチ歴史地区、大火災から復興を遂げた街は南ボヘミア地方の独特な建造の最高傑作として1992年世界遺産に登録された。
そしてあまりにもキレイな事から「モラヴィアの真珠」と称えられるようになる。





ここは行った事のある世界遺産です。
広場はそんなに大きくないんです。
1周5分もかからないぐらいでしょうか。。
でも、あまりにも絵本のような世界から目が離せません。
2時間以上同じ場所を見たでしょうか
もっと見ていたい気分でした。