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 【ギリシアの世界遺産

世界遺産「メテオラ」(1)
2008.12.20
 
2008年12月20日    428日目


天空に浮かぶ教会

そこは天にそびえる岩山の上に作られた

隠修士が作りあげた奇跡の風景


目覚ましの音で目が覚めました。

本日は見たかった世界遺産の一つの観光ということで。

心はウキウキ。

しかも、朝カーテンを開けて空を見るとなんと晴れ。

もううれしい限りです。

早速朝食を食べて、宿を出発。

カランバカの街の中心地まで行きバスの確認を。

出発時間確認してきたのはいいのだけど、冬季はバスが運行しているか知らないから。

インフォメーションの前に時刻表が載っていたので確認すると、なんとやっぱりバスはないみたい。

ということで早速徒歩で観光することに。

カランバカの街を北上して、隣町まで歩き、さらにそこからは上り坂。

そして風景がこの世のものとは思えない様相を示します。

ここは世界遺産「メテオラ」の中。

メテオラ、ギリシャ語に直すと中空に浮かぶという意味をなす。

ここには特質的な自然と奇跡な教会が残る場所。

特質的な自然とはその直角に伸びる岩山にあります。

メテオラ周辺にはどこにも足場がない円柱のような岩山が乱立する非現実的な自然が残る。

普通の平原や山が残る場所からその場所だけ岩の高層建築が立ち並んでいるのである。

そしてこんな過酷な岩山の上に教会が建っているのです。

時は9世紀、ここにギリシャ正教の修道士たちが住みはじめました。

しかし、このメテオラには他国の民族が移り住んだのです。

この脅威を避けるために彼らは誰もが登れない岩山に教会を建て始めました。

それは後々この地を支配するものに庇護されるように次第にメテオラは教会を増やし続けたのである。

しかし20世紀初頭まで一切の階段が存在しなかったという。

この垂直にそびえる岩山の上にどのようにして教会をたてたのかというのは今でもわかっていない。

しかし、ギリシャ正教の隠修士が世俗を離れ、修行にそして祈りに明け暮れるようにこの地に命をかけて教会を建てたことが想像できる。

それは少しでも神に近づきたいと祈る彼らの意志の強さだけが残るのである。

直角の岩山が残るこの場所は世界的にも類を見ない自然として世界自然遺産に、その中に過酷な教会を作りあげイコンやビザンツ様式を今に残す場所として世界文化遺産に登録され、世界でも稀な複合遺産に登録されたのである。

メテオラに向かって歩いていると、次第に直角の岩山がどんどん増えていきます。

ほんとに現実なのでしょうか。

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そう思える自然景観。

何しろ反対側には普通の山がそびえているわけで、特質的な景観をもつ岩山はここだけに集中しているのですから。

周りの植物とか岩の種類も違いますが、なんとなく中国の武陵源に似ています。

岩の森という表現がしっくりくるような場所なのです。

不思議な場所ですね。

しかも歩いていると、その岩壁の上に建物が建っていることが次第に分かってきて。

うそでしょ。

垂直の岩壁の上に、石積みの教会が建っているのです。

だってあれ、360°崖のはずなのにどうして建っているのさ。

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とうかどうやって建てたのよ。

足場もしっかりしてない場所に本当に教会が建っている。

写真では見ていた場所ですが、実際見ると全く信じられない風景がそこにあるのです。

誰もがこの岩の森を見ただけでその頂上に行こうと思えないですけど。

現に中国の武陵源ですら岩の上にはほとんど建物なかったよ。

ギリシャ正教の神への信仰心は素晴らしいとしか言いようがないです。

現在メテオラには6つの修道院が残っており、本日はその4つを見ることにしました。

まず最初に向かったのは山の中腹にそびえる小さな岩の柱に残るアギオス・ニコラオス修道院です。

メテオラの中でも比較的低い場所にある修道院ですが、そこまでに行くには急なのぼり坂を登らなければいけないのです。

比較的低いと言いながらやっぱりそびえている場所は岩壁の上なのでほんとに急な階段を上って、最後には岩山を登らなければいけません。

しかしそれを登った時に素晴らしい風景が待っています。

周りは一面絶海の岩。

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その中にも岩の上に教会が建っている場所も存在します。

この風景は現実なのでしょうか。

ずっと見続けても幻想的な雰囲気で現実のものとは思えないのです。

教会の内部は比較的小さくて、頂上には展望台と時を告げる鐘。

内部にはフレスコ画でおおわれた教会が存在します。

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これこそが、ギリシャ正教の教会のなのですね。

ギリシャ正教やブルガリア・ルーマニア正教はもともとビザンツ帝国が作り上げた東方正教会が元になっています。

それが歴史によって派生したもの。

いままでそれぞれの教会とみてきましたが基本的には似てます。

教会の内部をすべてイコンで覆うところなんかは。

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でもやっぱり少しずつ違うのがわかります。

ブルガリアやルーマニアではイコンが紺の下地に金を主体として様々な色を使用してます。

それはイコン自体がまるで主張しているかのように見る者に訴えてくるかのよう。

しかし、ここの教会は基本的にイコンが暗い。

それはまるで教会と一体化しているかのような印象を与えます。

聖人を囲む色も金色ではなく黄色ですから。

確かにここは人々がよりつけない場所。

ひっそりと祈るためにはこれだけの教会でいいのでしょうね。

さて、再び岩壁を降りてまた山を登りました。

すると今まで岩山に隠れていた修道院が見えてくるではないですか。

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すべては岩壁の上に。

信じられない光景ばかりで私の眼は挙動不審。

どこを見てもすべて絵になってしまうのですからね。

続いて向かったのは、ルサヌー修道院。

この修道院は違う角度から見るとほんとの岩壁から立っているように見えます。

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しかし裏には近くまで山があり、なんとか登れるようになっているのです。

作られた階段を上り橋を渡ってようやく到着。

橋からはすぐに内部に入れるようになっていて。

僧房や教会が内部に設置されています。

テラスに出ると真下は崖。

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、、、落ちたら完全に死にますけど。

手すりこれほど低いのは怖い限りですよ。

修道院内部はほとんど入れないようになっていますが、教会だけは見れるようになっています。

こちらも同様に小さい教会ですが内部いっぱいにイコンが描かれており。

外部から射す光が唯一の明かりで。

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暗い中でも祭壇は私たちに訴えかけているようです。

一部色のついたガラスを使用しており外光が色をつけて教会内部を照らしています。

これが岩壁の上に立つ教会と思うと信じられない光景ですね。

こうしてルサヌー教会を見終わり裏側の道から上に登りました。

するとそこには絶景が待っていました。

道路から岩山に入れるようになっていて、その先には断崖絶壁の岩山群と4つの修道院を同時に見れるようになっています。

そこは今まで見たことない、いや想像したこともない風景。

乱立する石の森の中、天辺には教会が。

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現実の世界か幻想の世界かちょっと迷ってしまう風景なのですよ。

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今までゲームのRPGの世界だけだと思っていましたが現実でも存在するものなのですね。

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そして再び歩きはじめヴァルラーム修道院へやってきました。

ここも近くまで行って橋を渡らないといけない場所で。

その後はひたすら階段を上ってようやく辿り着く修道院に。

この修道院は今まで見た修道院と違って内部は大きく、教会もかなりの大きさがあります。

庭も存在し、そこには時を奏でる鐘有する塔が。

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そこから見る景色もメテオラを一望する景色が待っているのです。

教会は今まで修道院の中にあったという感じでしたが、ここの教会は修道院と独立しており。

そこから見るとレンガ造りで十字架の形をしているのがわかるのです。

内部に入ると今までにないぐらいの広さがあり。

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天井を見るとドームがありその一番上にはキリストの像が。

もちろん周りにはすべてイコンが。

正面には祭壇があり、一番上には十字架が掲げられてキリストの像と弟子13人の姿もあります。

いやね、これほどの辺境の場所でこれだけの教会が作れるなんておかしいよ。

だってここ崖の上なんですよ。

そこに来ると一見気が付きませんが。

メテオラはほんとうに私達の常識を覆してくれる場所ですね。

こうして本日最後の修道院を観光することに。

それはメテオラでも一番高い所に存在し、一番大きい修道院。

メガロ・メテオロン修道院へ。

14世紀にこの岩壁教会が作られて以来、増改築を繰り返し現在の姿になった。

以来ここはメテオラを統括する修道院のトップに君臨し続けたのです。

まずこの修道院に入るには崖を下り、そして岩山をくりぬいた場所を通り岩沿いを登ることになります。

この段階でもどうやって教会を建てたか不思議になるくらい。

ようやく登るとそのまま修道院の建物に入ることになります。

入口には現在でも使われているものを運搬するためのリフトがあります

その場所からはまるで迷路のよう縦横無尽に回廊が続いています。

一番上に出ると、展望台が見えてきます。

そこからの展望はヴァルラーム修道院が中に浮いているように見えます。

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そして直角の岩壁から遠くの山まで見える風景が。

教会も今まで見た中で一番大きく、そして高く。

外から見てもレンガ造りのきれいな姿を残しているのです。

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残念なことに、教会の内部の写真撮影は禁止でお見せできないのですが。

そのほかにも食料の貯蔵庫や博物館も存在し。

食堂や昔のキッチンまであります。

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ほんとに迷路のような感じでそれほど大きい修道院なのです。

中には当時の聖書があり。

まったく字が読めないですけど。

ギリシャ語でもないし、何でしょうね。

ヘブライ語ともう一カ国語が描かれています。

ギリシャ正教の教えを守り、ここで祈り神に近づいたのでしょう。

こうして本日の観光は終了です。

あとは元来た道を戻りました。

その間も行きとは違う日の光で全く違う風景をのぞかせたので全く飽きません。

帰りも風景を眺めるのに時間がかかってしまいました。

ようやくカランバカに戻ってからは明日の昼食を買い込み。

そのまま宿へ。

そしたら疲れていたのか寝てしまいました。

起きた時にはあたりは暗闇で。

再び外にでて夕食を買って、宿に戻り。

写真と日記を。

明日は、メテオラの修道院の残りの2つを見てきます。




メテオラへのアクセス
ギリシャのアテネやテッサロニキからトリカラの街までバスで。
トリカラのバスターミナルから今度はカランバカという街まで乗り換える
列車だとアテネやテッサロニキからカランバカまで直通の列車も存在する。
カランバカの街からメテオラまではトレッキングコースもあり、カストラキという街経由の車の道もある。
夏はバスが出ているが、歩いても3kmぐらいなので歩くのがお勧め





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