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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学68--辺境の地に神を見た世界遺産Vol.1--
2000.12.30
 
世界遺産雑学68

キリスト教
彼らの中には富を得ようとしたものもいた。
民衆にキリスト教を普及したものもいた。
その中でも神に近づくために自らを苦しめるものもいた。
今回から3回にわたり神の信仰の証として過酷な場所に住んだ人たちが作り挙げた世界遺産を紹介します。


辺境の地に神を見た世界遺産Vol.1

--過酷な環境に身をおいた場所--

そこは絶海の孤島
見渡す限りの海が広がる
ここは大西洋
寒流が流れる海の孤島に神を見たのである

スケリッグ・マイケル  アイルランド

アイルランド
そこにはケルトの民族が住む神秘の場所
ここには妖精がすんでいると信じられているのである。
もともとケルトには独自の宗教があった。
自然に神を見出し預言者を通じてその言葉を聞くと言う宗教である。
そうしたなかでキリスト教がこの地にやってきた。
彼らはこの宗教がキリスト教と同じような仕組みであると感じた。
このため、ケルトの文化とキリスト教の融合を始める
ケルトの文化を主張し、イエスキリストを自然の神に見出したため融合した宗教はケルトに根付いていったのである。
このため、いまもアイルランドにはケルトの文化が残っている。
それは今でも住民が小さき人々・妖精を信じているということ。

時は変わり中世ヨーロッパ
それはキリスト教の全盛期
人々はキリスト教を信じ
あるものは権力を握り
あるものは富に目がくらみ
神の存在が徐々に薄れていった時代でもあった。
そんな世の中に反発したものがいた
神をほんとに信じたものでないと神に近づけないという思想を持ったものたち
彼らは何もかもがある世の中、富がある世の中にいることに嫌気がさした。
そして彼らは辺境の土地に住んだのである。

そんな中アイルランドに住んだキリスト教はさらに辺境の地に赴く。
大西洋に浮かぶ絶海の孤島
スケリッグ・マイケル島
アイルランド島から11kmも離れており、1000m×500mしかない大きな岩山
さらに上陸可能地点は3箇所しかない
周囲は寒流に囲まれ、冬は荒れ狂う海と変化する。
年に数度しか近づけない島

こんな島に修道士たちは修道院を築く
聖書に出てくる三大天使、聖ミカエルを守護精霊とする聖堂が建てられたのである。
もちろん絶海の孤島
すべては島の岩を重ね作られた。
現在、聖堂・礼拝堂・6つの僧坊・地下室などが残されている

彼ら修道士たちは
この何も無い土地で
世俗と隔離された土地で
誰もがたどりつけないような土地で
明日もが生きられるか分からない土地で
神に近づくために己を酷使し続けたのである。
それが神への信仰の証

現在ではここには誰も住んでいない。
訪れるものは観光客だけ
ただ海だけが見える場所となっている。


このスケリッグ・マイケルはアイルランド初期のキリスト教の遺産であり、ヨーロッパ最古の現存する修道院として1996年世界遺産に登録された。
ここは文字道理「絶海の孤島」に残る世界遺産である。





キリスト教の世界遺産ってたくさんあります。
富に生きた人の世界遺産
布教に生きた人の世界遺産
キリスト教に反抗した人の世界遺産
いろいろです。
その中でも今回は世俗を捨て神をもっとも信じた人の世界遺産
実はこの考えを持った人が作った世界遺産が世界でも神秘的な世界遺産となっています。
次回から2回にかけてはみんなが好きな世界遺産です。
それは辺境の地に建てられた世界遺産ですから