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 【ギリシアの世界遺産

世界遺産「ダフニ修道院群、オシオス・ルカス修道院群及びヒオス島のネア・モニ修道院群」(1)
2008.12.24
 
2008年12月24日    432日目


粉雪が舞う中にたたずむ教会

それは石とレンガで建てられた

しかし驚くべきはその内部


あれ、まだ暗い?

と思ったら、私の部屋は窓にサッシがついているために明るくなっても暗いままでした。

まあ、結構寝たということですけど。

でもまだ風邪が治ってないよ。

なんなんだこの風邪。

かれこれ1週間以上治ってないよ。

いい加減にしてくださいな。

さてのんびりと起床してから。

宿でゆっくりしました。

本日の出発は9時。

それしかバスの便がないからね。

ようやく時間が来たので宿を出発して、向かうはバスターミナル。

そしてバスターミナルでアテネ行きのバスを待っていました。

すると小さい子供たちがトライアングルを持って街を周っているではないですか。

何でトライアングルなんだろう?

すると子供たちは商店の前でトライアングルをならしながら歌を歌っているではないですか。

そして商店にいる人はその子供たちにお金をあげているのです。

そっか、本日はクリスマスイブ。

ギリシャのクリスマスとは子供たちのイベントなのでしょうか。

日本のお年玉みたいな感じ?

本年もクリスマスイブに一人旅している私は。。。。

泣きたくなってきますね。

ようやくって言うか20分遅れでアテネ行きのバスが到着。

すぐさまバスに乗り込み途中にあるディストモという街を目指しました。

途中ギリシャでも有名なスキーの街を通り過ぎ、、、ってすごい栄えていてびっくり。

周りはスキー用品店だらけでびっくりだよ。

ブルガリアのバンスコという街と全く同じ風景だったね。

その街を過ぎてから少しするとようやくディストモの街に到着。。。

って何もないところですが。

どうやらディストモの中心地までは歩いていかなければいけないようです。

20分ぐらい歩いたところでようやく街並みが見えてきました。

が全く人が見当たらないのはなぜでしょうか。

ずっとまっすぐ行ったところでようやく中心地に出て目の前に止まっているタクシーに乗り込みました。

何しろ方角すらわからず距離も分からなかったから。

こうしてタクシーに揺られて周りには見渡す限りの高原にたどり着き、ひとつの教会が見えてきました。

こんな何もない場所にある教会こそ、世界遺産「ダフニ修道院群、オシオス・ルカス修道院群及びヒオス島のネア・モニ修道院群」の一つオシオス・ルカス修道院です。

この世界遺産に登録されている3つの修道院には共通点があります。

それはすべて11世紀に作られていること。

この地がビザンツ帝国に支配されている時期と重なります。

世界遺産に登録されている修道院3つにはこのビザンツ帝国の芸術が残っているのです。

その理由はイコノクラスムにありました。

イコノクラスムとは偶像崇拝の論争のこと。

偶像崇拝とは人物の顔を残しそれを拝むことを許すということなのです。

過去のキリスト教は偶像崇拝を禁止していました。

それはキリスト自身の顔すら描いてはいけないというものです。

しかし、11世紀にビザンツ帝国ではイコノクラスムにおいて偶像崇拝が許可されたのです。

この出来事において一気にビザンツ帝国に芸術が開花しました。

今まで描かれなかった人物のモザイク画が大量に残されたのです。

この中でも現在に残され最高傑作と言われたギリシャに残る3つの修道院が世界遺産となったのです。

本日向かったのはそのうちの一つオシオス・ルカス修道院。

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この場所で修行をしていたルカス修道士から名前をとった修道院で11世紀初頭の建造物なのです。

この地に降り立って思ったことは周りに一切の建造物がないこと。

修道院以外の建造物が見渡す限り一切ないのです。

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ここは昔から世俗を離れた祈りの場所だったのでしょうね。

そして修道院の中に入るとそこにはレンガで造られた教会が姿を現します。

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二つの教会がくっついているように並びひとつは修復中でネットが張っていますが、もう一つの様子から今までにない教会であったことがわかります。

何しろそのレンガの並びが独特ですから。

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そして教会は当時としては画期的な十字架の形をしています。

これはギリシャ正十字形が採用された初期の例。

現在でも続く教会の十字形の形はここから始まったと言っても過言ではないのです。

教会の周りには時を刻む塔も存在します。

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下の時計と上の鐘が連動してここに住む修道士たちに時を刻んだ塔。

塔は教会と連動しておらず修道院の方と連動しているのは珍しいですね。

修道院の方は教会を囲むように石づくりでできています。

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数百年にわたりここで住み祈りをささげた修道士。

周りの景色に抱かれ、ここでひっそりと暮らしていた姿が想像できそうです。

そしてようやく教会の中に入りました。

すると外から想像できないぐらい内部は巨大な空間が存在します。

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正面には祭壇というか2つの絵画が配置され、その奥には十字架が安置されています。

一番驚くべきはその天井に存在するモザイク画です。

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人物以外をすべて金色で配色して、よりいっそうの存在感を示しています。

人物も一見すると絵画のように見えますがすべてモザイク画。

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モザイク画とはタイルを組み合わせることによって描き出す絵のこと。

でも遠くから見ても全く絵画のようにしか見えない。

ほんとにこれ全部タイルで描いたの?

って言いたくなるぐらいの細かいモザイク画なのです。

緻密過ぎてほんとにタイルかどうか全く判別不能ですよ。

写真の望遠でようやくタイルだってことが判別できるぐらい。

ビザンツ帝国中期の時代にこれほどの技術が発展したという証明です。

何しろ人物の表情も読みとれそうですから。

基本的にはキリストや聖母マリア、聖人の姿しかモザイク画で描かれていませんが、ある一部分はキリスト教が歩んだ情景もモザイク画で残されているのです。

一番びっくりしたのはある一部分の文様までモザイク画で残されていたこと。

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基本的にモザイク画って人物とその周りしか残さないですし。

背景はすべて金色で残すのが特徴なのですが。

それを金色以外の色で文様として描くのははじめてみました。

これはモザイク画が反映した直後の作品だからでしょうか。

天井部分のドームにはフレスコ画が描かれていて。

モザイク画とフレスコ画が混在するある意味面白い教会なのですね。

モザイク画残っている部分もある一部分に限ってですが、教会にか行って祭壇につながる部屋の手前にある部屋に残るモザイク画が一番しっかり残っており。

その分金色のタイルが光り輝いているように見えました。

先ほど二つの教会が繋がっているように建設されていると書きましたが、内部に入るとやっぱり中はつながっており。

その間には聖人のミイラが安置されていました。

説明文がなかったので誰のミイラかわかりませんがきっとルカス修道士のものだったのではないでしょうかね。

さらに奥に進むともう一つの教会にたどり着き。

こちらはモザイク画とか一切なくレンガのむき出しの教会となっています。

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これが当時から残るビザンツ様式の教会。

こちらの教会は質素な姿でここに残っていたのでしょうか。

内壁に一切の装飾が存在しないために確認のしようがありませんが。

装飾がない代わりに額に描かれたフレスコ画が飾られています。

そちらもほとんどが金色に。

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質素な教会だからこそフレスコ画が異彩を放っているように見えます。

教会の地下には地下聖堂も存在していて。

こちらはほとんど外光が入ってこないためにあたりは暗く。

その天井にはフレスコ画が描かれています。

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ほとんどが人物がですが、暗い中に浮かびあがっていて少々怖いものがあります。

一番奥にはやはり十字架が飾られており、みなその十字架に向かい拝んでいたのでしょうか。

一通りの観光が終了したときに教会の周りにきらめく光が。

なんだこの光輝くものは。

最初はなんだかわかりませんでしたが、徐々にその量を増して。

ようやく判明したのが雪でした。

えっと、空は青空なんですが。

これは風花ですね。

教会を見ていると教会も雪に反射する光にひかり、まるで輝いているように。

主役は私なんだと私に訴えかけているようです。

風花見たのも3年ぶりぐらいですね

でも雪が降っているのでほとんど写真は撮れません。

しかもこれが雨に変わると厄介だったので。

すぐさあディストモの街に戻ることに。

本当は歩いて帰る予定でしたが、最初の一台目でヒッチハイクが成功して。

すぐにディストモの街に戻ることができました。

ディストモのスーパーでお酒を買い出してから、、、本日はクリスマスイブだからいいでしょ。。

再び幹線道路に戻りバス待ちアンドヒッチハイクをしました。

この間雪はひどくなる一方で。

寒さをより一段と増し、限界寸前になってしまいましたよ。

そんな中ようやく一台の車が止まってくれて。

途中の町まで送ってくれることになりました。

途中の街からは何とヒッチハイクで車が全く止まってくれなくて。

こうなったら歩いて帰ってやる。

10kmの道のりなら2時間以内に到着するので。

しかも完全下り道。

ただしジグザグ道だったのでショートカットできると思い道路を外れて降りてしまったら。。

あまりにも急な崖だったので2回もこけてしまったよ。

なんとか無事降りられたからよかったものを。

危なかった。。

こうしてようやくデルフィの街に到着して。

宿に戻り、荷物を置いて写真の整理などをしていました。

そして夕食の買出し。

本日はクリスマスイブなので少しは豪華にしようかと。

そしてお酒もね。

久々のお酒だったのでほんとに酔っ払ってしまって。

いつの間にか寝てしまいましたよ。

あ、飲んでる途中に道路がうるさいと思ったら楽団の人たちが音楽を奏でながら行進していました。

クリスマスイブですからね。

明日はギリシャの首都アテネへ移動します。




オシオス・ルカスへのアクセス
ギリシャのアテネ-デルフィ間を走っているバスにのりディストモdistomoで下車
デルフィから24kmのところ。
ディストモの街は幹線道路から離れているため降りた場所から2km歩かなければならない。
幹線道路からまっすぐ歩いて行くとディストモの中心地(Diaというスーパーがある)に到着するので中心地から左にまっすぐ10km進むとオシオス・ルカスへ到着する。
交通機関がないので歩くかタクシーを使うこと。(タクシーを使うと10€ぐらい)





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