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 【ギリシアの世界遺産

世界遺産「ミケーネとティリンスの古代遺跡群」(1)
2009.01.09
 
2009年1月9日    448日目


ホメロスの叙事詩

神話と思われた物語が実際の話だと示した場所

一人の夢が実現した遺跡


朝起きてみて天候を見てみると。

厚い雲が張り巡らせてある。

日が出ているにも関わらずこの暗さは。

本日の観光が大変になるのかも。

何しろ雨も降りそうだったしね。

さて起きてからはまずネットをしていました。

ちょっとコソボ情報を。

いやね、今の今まで知らなかったのですが。

セルビアの中にあるコソボという場所は地方名だと思っていたのですが。

現在は非公認の国になっているのですよ。

しかも国連では日本、アメリカなど主要な国も承認しているというのだから。

ただしセルビアはもちろん自国の領土が減るために認めてない。

こうしてちょっと入国はできるけど観光がめんどくさいことになっているのです。

コソボの中にも世界遺産があるんですが。

ちょっと今回はパスしようかなと思っています。

危ないやめんどくさいなど感じたら真っ先にその国を諦めるという選択をしてきましたから。

たとえばこの前戦争が起きたグルジアとか。

世界には国自体が危ないという場合もありますからね。

さていろいろ調べ終わった後は早速観光へ。

まずはバスターミナルへ向かい、バスに乗り込みました。

ここから目的地は30km離れているので。

バスに揺られること50分。

次第に山のふもとにたどり着き、目の前には小高い山が。

その上にはなにやら建造物が残っています。

この場所が世界遺産「ミケーネとティリンスの古代遺跡群」なのです。

ホメロスの叙事詩「イデアス」「オデュッセイア」

紀元前9世紀に生きたホメロスの叙事詩にはこう書かれてありました。

かつてミケーネはトルコにあるトロイを攻めた

しかしその戦いは長期戦になり、ミケーネが撤退する形となった。

トロイはミケーネが撤退した後、陣営に残されていた巨大な木馬がありそれを戦利品として持ち帰った。

そしてトロイが勝利のお酒に酔いしれている時木馬から人が現れ、門を開放。

戻ってきたミケーネの軍がトロイを滅ぼした

これは現代において空想の話でした。

しかし、これが空想の話だと思っていない一人の人間がいたのです。

その名前こそ「ハインリヒ・シュリーマン」

彼は幼いときに読んだホメロスの叙事詩が真実の話だと信じ続け。

大人になった時には考古学者へとなっていました。

こうして小さい頃に夢見ていた遺跡の発見へと向かったのです。

シュリーマンは膨大な資料をもとに、ミケーネとトロイともにどこにあるのかを調べつくしました。

そして確信をもった場所を発掘し始めたのです。

こうしてミケーネでは当時の王宮が姿を現しました。

神話だと思われたホメロスの叙事詩が一転過去の歴史を語る歴史書であったことを示したのです。

この話は全世界に伝わり考古学や世界史に大きな影響を与えたのです。

それはシュリーマンが幼い時の夢をかなえた瞬間でもありました。

こうして見つかったミケーネの遺跡は当時のミュケナイ文明を代表する遺跡であり、その建造物から当時のミュケナイがいかに素晴らしい建築をたてていたかを示すものでした。

こうしてミケーネはそのほか見つかったティリンスという街とともに当時の文明の証拠を今に残す場所として世界遺産に登録されました。

ミケーネは山の麓の小高い丘の上に建設されており、その頂上部分にはたくさんの建造物が残されています。

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まずはチケットを買って早速ミケーネへと足を踏み入れました。

入口からは小高い山を城壁に向かって歩くようになっており。

城壁の目の前まで来ると今まで世界史の教科書に載っていた場所が現れてきます。

それこそ獅子の門です。

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城壁の入り口にそびえるもんで、すべてはベットほどの大きさの石に囲まれており。

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門の上部には三角形の石の中に獅子姿が刻まれているのです。

この獅子こそミケーネの象徴だったのです。

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彫刻はいままで沢山見てきたので意外にシンプルという印象もありますが。

このミケーネは紀元前9世紀ぐらいの話で。

アテネよりもさらに昔の遺跡なのですよ。

しかも今まで学生時代にあんなに習っていた世界史の教科書に載っていた写真の場所が。

今、目の前にあるなんて。

少し感動してしまいました。

城壁も巨大な石が隙間なく積み上げられており、ミケーネがいかに権力を持っていて、さらに技術の高い国だってことを示しています。

3000年もの昔にここからトルコまで行き戦争を起こしたなんてにわかには信じられないですよ。

そして獅子の門をくぐるとそこには円形に区切られた墓地が見えてきます。

こここそシュリーマンが黄金のマスクを発見した場所。

ギリシャ史に残る最大の秘宝アガメムノンの黄金のマスクはこの円形墓地の中から発掘されたのです。

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当時シュリーマンはここにホメロスの叙事詩に乗っている王の名前アガメムノンの墓であり、それを裏付けるかの様に黄金のマスクも発見されました。

こうして黄金のマスクはアガメムノンのマスクとして命名されることになりましたが、現在の研究ではアガメムノンよりさらに前の王の墓だとわかりました。

しかしここはミケーネには変わりなくシュリーマンは世界のだれもが知る人になったのです。

ここもよく写真で見ますよね。

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それだけ世界史の中でもアガメムノンの黄金のマスクは重要なものだったということなのですが。

でも3000年以上も前に黄金を装飾する技術があったことも驚きなんですが。

だってまだ鉄も存在しないときですよね。

あれ、、、ヒッタイトとミケーネってどっちが先でしたっけ。

ちょっと頭の中が整理できてないので。

ともかく黄金を手に入れるだけでもすごいのにそれを薄く伸ばし顔の形に装飾するなんて。

もし当時の技術で今やるとなるとたぶんできないんではないでしょうか。

遺跡もミケーネの建築物の素晴らしさを伝えており。

ここから見る風景はきれいに並べられた石の墓地と遠くに見える山が混ざり合って何とも言えない風景をかもしだしているのです。

先人達はこの風景を見ながら自分たちの国のことを考えていたのでしょうか。

また発掘していたシュリーマンも歓喜に酔いしれていたのでしょうか。

円形墓地も今まで見たことのない形状をしており、周りに柱の通路のような場所が存在します。

本当はこれには上に蓋がしてあり、もともと闘技場であったといわれています。

だから円形だったのかもしれません。

ここからさらに上に登ると様々な建物の礎石が混在しており。

一番頂上部には王宮の跡が存在します。

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ほとんど何も残っていないのでどのような王宮が建てられていたかはさっぱりわからず。

でもびっくりすることはその小ささ。

仮にもミケーネの王宮なんですよね。

だったら何でこんなに小さいのか。

家2軒分ぐらいの広さしかないんですよ。

ミケーネ文明はギリシャではじめて街の中に城壁を作った文明。

だからこそ城壁を作りその中にいろんな施設を入れると王宮の広さが少なくなってしまったのかもです。

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もちろんこの小さな丘一面に城壁が隙間なく張りめぐらされているのですが。

そして一番びっくりしたのが、城壁の外にある古墳。

何しろ天井部分まで15m以上は越えているんじゃないの?ってぐらい高い古墳が残されています。

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入口はまるでエジプトのピラミッドの回廊を思わせるように巨大な道が作られています。

その横には城壁のように高く石が積まれていて。

一番びっくりするのがその建造物の構造技術の高さ。

それだけ大きな古墳にも関わらず2つほどいまだに崩れてはおらず。

しかもピラミッドなどで応用されている重力軽減の手法がここでも使われているのです。

古墳内部は円形のドームになっており、石をくみ上げるのがこれほどうまかったのかとびっくりしてしまいます。

いやはやミケーネの遺跡には驚かされることばかりですよ。

博物館にも当時見つかった装飾品などが展示されており。

アガメムノンの黄金のマスクも展示されています。

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こちらはたぶんレプリカですが。

本物はこの前見に行ったアテネの国立博物館に展示されているのですから。

中にはミケーネの遺跡の全体像の模型もあり。

ミケーネがどのような場所でどういった形であるかが手に取るようにわかります。

模型だけ見ても素晴らしいものを感じますが。

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さてこれにてミケーネの遺跡の観光を終了です。

ミケーネの遺跡の周りにも古墳が存在しそちらも見に行きましたが。

こちらも完璧に残っている上にドームの中にさらに別の部屋が存在するというすごい建物でした。

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ただし暗くてその部屋に何があるかはさっぱりわかりませんでしたけど。

そしてあとはバスが到着するのをひたすら待ち。

って時間になってもバス来ないじゃん。

マジで歩くの勘弁してと思っていたら10分遅れでようやくバスは到着。

ようやくナフプリオンの街に戻ることができました。

実はその戻る途中になんとティリンスを見つけてしまい。

でももう遅かったので観光は明日に回すことにします。

あぶね、注意してみてなかったら気がつかなかったよ。

そして宿に戻る途中に夕食を買い込んで、宿ではゆったりまったりと。

でもなぜか日記を書く気力がわかず。

ほとんど書いていないのに寝てしまいました。

やばいって。

ともかく明日は観光プラスアテネ移動です。







ミケーネへのアクセス
アテネやコリントス、トリポリなどからナフプリオンへ。
ナフプリオンバスターミナルからミケーネの遺跡には10時発のバスがある。
アテネから直接ミケーネに行く場合途中の幹線道路に降ろされるので数km歩かないといけない。




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