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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学72--ゴシックの最高傑作--
2000.12.30
 
世界遺産雑学72

--ゴシックの最高傑作--

人々はなぜ巨大な大聖堂を立てたのか
ここにはフランス最大の聖堂がそびえたつ
それも神業といわれるほど早く建てられた
ゴシック建築の最高峰


アミアンの大聖堂  フランス


フランス、ピカデリー地方
アミアンはパリから電車で1時間ちょっとの小さい街
こんな街にフランス最大にしてゴシックの最高傑作の大聖堂がある。
小さな街には異質な存在。
思わず立ちすくんでしまうほどの巨大な聖堂。

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じつはこの大聖堂は当時のブームによって建てられた。
大聖堂建設ブーム。。

12世紀、フランスにはある流行があった。
それは、他より豪華なゴシックの大聖堂を建てる事。
フランス各地に散らばった大司教は他の人よりすごい大聖堂を立てることに躍起になったのだ。
こうして、アミアンにいる大司教も大聖堂建設に乗り出した。
大司教は
「より荘厳に、より神々しく」
を目指し、建築家ロベール・ド・リュザルシュに依頼した。
彼は大司教の要求にかなえるべく、さらに彼の願いを早くかなえるために大胆な手法をとった。
それは、大聖堂の前の段階で石を切りそろえる事。
当時の大聖堂の建築には石を現地にもって行きそこで大聖堂にあった形に切り出して組み立てるといった作業。
それを石切り場の時点で石を大聖堂の形に切り出して現地では組み立てるだけという手法をとったのである。
このため、石切の段階で形を決められたので通常より早い工期を実現させたのである。
この徹底した流れ作業により大聖堂は68年という工事の末に完成した。
これは先に作り始めたランスの大聖堂より早く完成したのである。
もちろん、ランス大聖堂より大きい規模で!

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では、なぜこんな小さな街にこれほど巨大な大聖堂を建てる事が出来たのか?

それは、ここにキリスト教の12の弟子、聖ヨハネの頭蓋骨の一部があったため。
中世のヨーロッパでは聖職者の遺物があるところは信仰の対象になっていた。
例にあげれば、スペインの世界遺産:サンティアゴ・デ・コンポステーラは聖ヤコブの遺体が見つかりヨーロッパ中から巡礼者があつまった。
それは、巡礼の道が世界遺産になるほどに発展する事になった。
このアミアンも例外ではなかった。
巡礼者が数多く訪れ、アミアンは繁栄し莫大な富が得られたのである。
こうしてフランス最大の大聖堂が建てる事が出来た。
しかもゴシックの最高傑作と言われるほどに。

実は、このアミアンの大聖堂は別の名前でも呼ばれている。
「石の百科全書」と。
それは、キリスト教の出来事をすべて彫刻で彫られているためだ。
キリストが生まれたところから亡くなった後までを語る彫刻。
キリストの教え、旧約聖書までもが彫られたのである。
これは文字が読めない民衆にキリスト教の教えを伝えるために有効な手段であった。
ヨーロッパのどの教会でも行なっていることであるが、普通は描きやすいステンドガラスに描かれている。
それを時間もかかる彫刻で伝える特殊な大聖堂でもある。



アミアン大聖堂。それはゴシックの最高傑作として、そしてその後のゴシック建築に多大な影響を与えたとして1981年世界遺産に登録された。
大司教の言葉通りに建てられた大聖堂であった。





ここの世界遺産は行きました。。
というか、びっくりしました。
そんな大きい街でなかったですし、大聖堂が大きすぎて違和感にびっくり。
行ったときは修復が終わったばっかりだったらしく石が白くてとてもきれい。
古ぼけた感じはなかった。
中世の人々がみた大聖堂もこんなに白かったんだな~って感じる場所。
ぜひともオススメの場所です!!