TOP > ひさほゆうのリアルタイム世界遺産旅行ブログ

カテゴリー
ひさほゆうが独自の視点で世界遺産を解説!
最新コメント

 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学76--地球の鼓動が作った驚異の景観--
2000.12.30
 
世界遺産雑学76

--地球の鼓動が作った驚異の景観--

いったい誰がこんなところに石柱群を建てたのだろう
こんな論争が近代の世の中で起こった。
しかし、その論争は歴史家から自然学者へと移行していく。
それはまさしく、自然が作り上げたものであった。


ジャイアント・コーズウェーとその海岸  イギリス

イギリス、北アイルランド。
イギリスの中でもアイルランド島にある唯一の世界遺産。
それは人類が作ったとしか思えない奇妙な景観が残っている。

アイルランド島の北の海岸にその景観は見られる。
自然が作り出したものが人工物に見えるの奇跡の場所。
それは海岸線すべてに六角形の石柱が規則正しく並べられてるからである。
石柱の大きさは直径40~50cm。
ほとんどが正六角形をしている。
この石柱が隙間無くまるで積み木のように平然と並んでいる。
そして驚くべきことはこの光景が約9kmにもわたっていること。
本数にすると約4万本もの石柱が並んでいるのである。

石柱同士のつなぎ目はほぼ直線。
ほとんどが正六角形。
この景観のために、人々は昔の人が作ったのではないかと信じたのである。
そして17世紀~18世紀にかけてアイルランドに住んだ学者や聖職者達が論争を始める。
ここで一つの伝説が残った。
「アイルランド島の向かいの島、スコットランドに対抗し、自分達の力を見せ付けるために海岸線にアイルランドにいた巨人が造った通り道」
ではないかということ。
この伝説により巨人の石道
「ジャイアント・コーズウェー」
と名づけられたのである。
また中には12mを越す石柱も並ぶジャイアント・オーガン(巨人のオルガン)も横たわっているのである。

しかし、この論争に終止符が打たれた。
それは地質学者の手によって。
これは5000万年~6000万年前に起こった火山によってこの奇怪な景観が生み出された事が分かったのである。
火山の爆発によってこの付近にマグマがたまった。
そのマグマが冷却されて石となった。
この際にマグマは高温から低温になる際に熱収縮を起こし、固まる際にそれぞれの岩が割れていった。
しかし、何かの拍子でその熱収縮は六角形の形になったと考えられている。
現在の技術をもってしても、なぜ六角形になったかは分かっていない。


現在、数千万年経った石柱は風化や波の影響をうけずに今でも六角形の形を保っているのである。
このため、地球生成がもたらした驚異の奇形は今もなお人々を驚かしている。
まさに、奇跡の場所。


このジャイアント・コーズウェーは地球の歴史を伝えるとともに、ひときわ優れた自然美を持った場所として1986年世界遺産に登録された。
まさに巨人がいたと信じてしまう場所であった。






この世界遺産、ホントびっくりです。
ぜひ、一度は写真で見てください。
最初見たときは、自然遺産と知らなかったので、何でこんなもの建てたのかな?って思ってましたが・・・。
自然遺産と知ったときはかなり驚きました。
自然が作り出したとは思えないほど角ばっています。
きっとみなさんも驚かれるでしょう!!