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 【モンテネグロの世界遺産

世界遺産「コトルの自然と文化-歴史地区」
2009.01.31
 
2009年1月31日    470日目


断崖絶壁に囲まれた街

そこはフィヨルドの中に存在する

中世からの街並みを残し透き通る青に抱かれた景色


おはようございます。

あいにく空は曇り模様。

この時期のバルカン半島はほとんどが曇りみたいで。

ずっと晴れるのは夏みたいですね。

日本は夏のほうが雨が多いから何となく逆のようなイメージがあるのですが。

太平洋側の気候だったら完全に冬のほうが富士山を見るには素晴らしいですし。

ヨーロッパは夏というのが重要みたいです。

まあ、ヨーロッパの夏は観光客が多くて観光も大変というデメリットもありますけど。

さて起床してからはまず朝食。

パンにパテを塗っての朝食です。

そしてすぐさまバスターミナルへ向かいました。

途中でちょっと旅行会社へ寄りましたが。

というのもモンテネグロには2つの世界遺産が存在して。

1つは本日向かうのですが、もう一つはどのように行っていいかがさっぱりわからなかったので。

ここから日帰りのツアーが存在するかを聞いてきました。

が、やっぱり日帰りツアーは存在せず。

とりあえずこの街に行けと言われました。

ただこの街からは世界遺産まではかなりの距離があるように思えるのですよね。

自然遺産だから特に回るのが大変で。

さらに季節は冬。

山の中なので完全に雪で閉ざされている可能性もあるので。

本当に行くかどうかはちょっと考え中なのですが。

これは本日帰ってきてから考えるしかないです。

さてバスターミナルに到着してからはすぐに世界遺産の街へ移動。

ここからバスで40分程度離れた場所に存在するのです。

そこは周りを山に囲まれ、そこには透きとおる青い湖岸が。

この場所こそ世界遺産「コトルの自然と文化-歴史地区」なのです。

中世の時代ここには素晴らしい航海技術が発展していました。

アドリア海の交易場所として作られたコトルはバルカン半島初の航海の学校が建てたりと繁栄を極めたのです。

コトルは特にフィヨルドの中に作られたという立地条件もありました。

目の前にある海は細長い湾で海からは隠れた場所に存在します。

しかも海の目の前はすぐに崖になっており特定の方向からしか人がこれないようになっているのです。

軍事的に好条件の場所にコトルは建てられたのです。

こんな中世から残るコトルですが、1979年に起きた大地震で大部分が崩壊してしまいます。

そしてこのバルカン半島に起きた独立戦争の歴史に巻き込まれ十数年前まで内戦の嵐でした。

銃撃によりさらにこの地は破壊されました。

このためコトルを世界遺産に登録してユネスコ主導で様々な修復が行われたのです。

こうして現在は昔ながらの街がここに残されることとなったのです。

壊滅的な破壊からの修復や中世における街をそのまま残す場所としてコトルは早い段階で世界遺産に登録されたのです。

さてバスターミナルから歩いていくと海岸の目の前には巨大な城壁が。

それはもう堅固に作られているのがわかります。

何しろ門がほとんどない状態ですし。周りをすべて水に囲まれているのですから。

さすがは港町というかんじです。

さらにびっくりすることはその水の青さ。

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海だけならまだしも、周囲を流れている川などすべての水が青く。

どこもかしこも川の底などが見えるほど透き通っているのです。

それはまるでサファイアを見つめているかの様な輝きを放っています

海もそこはフィヨルドで複雑に入り組んでいるため海はほとんど波もなく湖と間違うほどの情景。

そしてその水も青く透き通っているのです。

まさしく青に囲まれた街。

コトルという街は地球の営みで作り出した自然の中に建てられているのですね。

しかも街の横にはかなり急な崖が存在します。

これは太古の昔に氷河で削られた跡。

それがフィヨルドとなって現在このような地形を作っているのですね。

しかもよくよく見るとその中に城壁が作られているのがわかります。

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、、、、かなりの崖の中に存在し、しかも城壁は周りの岩山と同じ色をしているために最初にそこにはただの崖しかないと思っていたのですが。

近づいてよく見てみると城壁があるという感じで、最初に気がついた時にはかなりびっくりしましたよ。

というか、こんな城壁が必要だったんだという方が驚きです。

これほど急な崖に作られた城壁は今まで見たことがないですよ。

まるで天然の要塞をさらに頑丈にした印象を受けます。

コトルの街はほんとに地形的に軍事状有利な点だらけだったのですね。

フィヨルドは外海からはただの深い渓谷しか見えないですし、その渓谷の中にはたくさんの湾が存在しますから、敵から見つかりにくい。

街は少しの平地とほとんど斜面の崖の中にありますから、陸地方面から侵攻する敵にも少人数で守ることができます。

ここに街を作ったのは必然ということなのでしょう。

こうしてすぐに城壁をくぐり街中へ歩いて行きました。

街はかなりの通路の狭さで。

数人で歩くのがやっとという感じ。

そして建物がすごく高い。

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まるで圧迫感のある迷路という趣があります。

街自体は小さいので迷子になるということはないのですが。

入口だけには小さな広場が存在し、そこには人々に時を告げる時計台が存在します。

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今も一分一分時を刻んでいるのです。

街に迷い込んでみると教会がいたるところにあるのがわかります。

ただ路地はせまいために突然教会が現れるといった印象。

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数えただけでも7つ以上存在するのです。

内部に入ると石造りの教会がむき出しになっています。

内部にはあまり装飾がなされておらず、シンプルといった印象で。

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しかもびっくりするのはその新しさ。

そうなんです、コトルは30年前の地震や15年前の内戦で多大な被害を受けているのです。

修復が終わったのもつい最近で、それによりかつての姿がこの地に戻ったのです。

このため比較的新しい街といった印象も受けるのですが。

世界遺産に登録されたのが1979年で、地震もその年に起こっていますから地震が起きたことにより保護のために世界遺産になったのでしょうか。

昔に登録された世界遺産はほとんどがすぐに保護の必要がある場所が世界遺産になっていましたから。

今では商売目的のための世界遺産という印象を持たれてしまっていますが。

本当は内面を見てほしい限りです。

ほとんどの教会が内部撮影禁止だったので写真でお見せできることができなくて残念。

教会めぐりの後は再び街の散策をしていました。

街の中はほとんどが教会と元宮殿でできているために。

ほとんど人たちは住んでいなかった印象があります。

しかも街自体が非常に小さいので端から端まで10分ぐらいしか歩かないのですよね

たぶん数百人しか住めなかったのでは。

他の人たちは郊外にでも住んでいたのでしょうか。

それもと中世は人口も少なかったのでこのぐらいでも多い人数だったのかもしれません。

街の観光が終わったとは続いて城壁へと向かいました。

街の細い路地の先から登り口があり、そこからはひたすら崖の上を登って行きます。

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あまりの急な崖なので登る方も一苦労。

少しのぼっては休憩の繰り返しなのです。

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しかしこの苦労も風景の素晴らしさによって吹き飛んでしまいます。

急な崖を登るために景色は刻一刻と変わって行き。

街やフィヨルドを一望できる風景へと変貌するのです。

そこはまるで別世界。

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断崖絶壁の岩山に囲まれた青く光り輝く海

普通は海が囲んでいる風景ですがここはまさしく逆。

湖ではなく海というのも驚きの風景なのですよね。

正確には湾ですけど。

まさしくこの風景はフィヨルドの頂上から眺める風景。

今までフィヨルドには行ったことがなかったのでちょっと感動です。

海がほんとに青いというのもすごいのですが。

これが晴れていればもっと光輝いているのではと思うと残念でなりません。

城壁の途中には教会も設置されており、その教会と一緒に眺める街の風景は最高です。

コトルの街を上から眺めるとちょうど三角形の形をした街だということがわかります。

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また屋根の色が統一されており、レンガ色の素晴らしい風景を保っています。

ヨーロッパのほとんどの街は屋根が統一の色をしていますからほんとに街並みを見ていても素晴らしいと思います。

日本はほんとにそういう場所が歩とんどありませんから街並みを見てもきれいだとは思わないんですよね。

外国人が日本に来て素晴らしいと思うところって何でしょうか。

寺院仏閣ぐらいなのでしょうかね。

それにしても城壁の頂上に登るにはだいぶ時間がかかります。

1時間かけて登ってようやく辿りつくという感じで。

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登っても登ってもまだ上があるという状態なのですよ。

これほど堅牢に城壁を作る必要があったのでしょうか。

城壁の一番下の方には鉄砲を放つ穴がありましたが上に行くにしたがいその穴はなくなりました。

この穴の形状は日本でも存在するのですよね。

姫路城で見られるのですが、城壁の外側が小さく、城壁の内側はかなり大きいという穴なのですが。

これは外からは小さな穴ですが、中からは様々な角度から打てるという理にかなった形状をしているのです。

やはりどの文明もしっかり計算しつくされたものを生み出していくのですね。

ようやく頂上に到着するとそこには砦が築かれていました。

ほとんどが崩れていて、廃墟になっていますが。

当時ここには何が存在したのかさっぱりわからないぐらい何もないので。

内部は複雑でまるで迷路のようになっています。

ただ傾斜が激しいのでぐるぐる回ろうとは思えないのですが。

ここだったら確かに攻める気力もなくしますよね。

私だったら兵糧攻めを仕掛けるしか方法がないように思えるのですが。

いやはやすごい場所に城壁を築いたものですよ。

ここから見る風景が一番自然の姿が壮大に感じますね。

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やはり曇りなのが残念です。

こうして本日の観光は終了です。

近くにスーパーがあったのでそこで本日の食事を買出しして。

ブドヴァの街へ帰りました。

それにしても体調が治らないのはなぜでしょうか。

毎日この感じが続いているので。

どこから休憩しないといけないですが。

明日移動するか休養するか悩みどころですね。

いい加減に治ってくれよ。。



コトルへのアクセス
モンテネグロの首都ポドゴリツァやブドヴァから一時間に2~3便バスが存在する。
クロアチアのドヴロヴニクからも一日一便以上存在する。






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