人々の声がこだまする聖堂
それはルネサンスとゴシックで建てられた
クロアチアの傑作を残す空間
眠い。
目覚ましの音で起床しました。
何しろ本日の目的地シベニクには午前中の早い時間に到着する必要があったから。
というのも本日は日曜日で。
キリスト教の日曜日といったらミサがあるのですよ。
まあ、本日行く聖堂は何しろ冬季はミサの時しか中が見られないという場所で。
運よく日曜日にここに行けることになったので。
起床してから、すぐに同じ宿に泊まっている人と一緒にバスターミナルに向かいました。
予想のほか寒く、今まであったかかったのがうそみたいです。
さてバスターミナルへ到着してからすぐにチケットを買い。
バスを待っていました。
が、時間になってもバスは到着せず。
あまりにも来ないので次のバスが出発する時間に近づいたのでバスのチケットを変えようとしましたら、その瞬間にバスが到着した。
急いでバスに乗ってシベニクへ出発。
いやはやこのバス、かなり時間が遅れているからかなり飛ばす。
昨日行ったトロギールは普段40分かかるところを20分ちょっとで到着してしまうという荒業ですよ。
おかげで1時間ちょっとでシベニクへ到着しました。
バスターミナルから歩いて行くと、海岸線から聖ヤコブ大聖堂のドームの部分が確認できます。
これこそが世界遺産「シベニクの聖ヤコブ大聖堂」
14世紀にこの地に支配を支配していたのはイタリアのヴェネツィアでした。
当時は地中海の覇権はほとんどが貿易地が支配しており。
それぞれの都市が自治を持っていました。
ヴェネツィアも例外ではなく、このアドリア海の覇権のためにいくつかの土地を支配していたのです。
こうしたうちの一つがシベニクでした。
この地も交易の場所として発展をしたのです。
そんな中ここに大聖堂を建てる計画が持ち上がったのです。
こうして聖ヤコブ大聖堂は建設が始まりました。
当時の建設責任者は北イタリアの出身だったため当初は当時北イタリアで主流であったバロック建築で建築が進められました。
しかし、この聖堂の完成には1世紀もの歳月がかかり、途中で建設責任者が変わる必要があったのです。
次いで建設に携わったのもイタリアの建築家でしたが、彼はこの聖堂を途中からルネサンス方式へ建設することにしたのです。
こうして完成したシベニクの聖ヤコブ大聖堂はゴシックとルネサンスが融合する特質的な聖堂となったのでした。
まさにここはアドリア海でも有数の大聖堂なのです。
またここには様々な彫刻が残されています。
特に門付近に施されている彫刻はクロアチア美術の最高峰とも言われているのです。
こうした建築様式が融合したシベニクの聖ヤコブ大聖堂は当時の最高傑作が残る場所として、また独自の建築を現す聖堂として世界遺産に登録されたのです。
海岸からは街が丘を埋め尽くしその途中に巨大な聖堂があるという形。
目の前は海なので水平線から見る大聖堂の風景というのもいいものです。
そしてすぐさま大聖堂に向かいました。
何しろ本日は日曜日でミサがやっている可能性があったので。
ようやく大聖堂の目の前まで到着するとその巨大さにびっくりします。
クロアチア国内で見てきた中で最大の大聖堂ですよ。
天辺は丸いドームとなっており、これはイタリアの影響なのでしょうね。
イタリアは主に丸いドームを作ってきましたから。
フランスとかドイツの聖堂にはドームというものが存在しませんし。
ヴェネツェアが支配していた時に作られた大聖堂だからこのような形なのですね。
そして何より驚くのが聖堂の中に入るための入り口の周りを埋め尽くす彫刻の数々。
北にある門は入口の左右にアダムとイブが設置されており。
その周りにはたくさんの植物が彫りこまれています。
あまりにも細かい彫刻なのでびっくりしましたよ。
アダムとイブの下には犬だと思いますが2匹の犬が聖堂を守っているように安置されています。
門の周りには植物を掘りこんだ柱で囲まれており。
上部には文字が書かれていたりします。
また大聖堂の正門にも同様な装飾がされています。
こちらの方が規模が大きいですが、アダムとイブの像はありませんけど。
門の上部には巨大な花と思わせるステンドグラス。
植物の柱や人の顔など様々な彫刻があるのです。
何より一番驚くのは教会の周りをぐるっと囲む人の顔の像。
ちょっと恐ろしい感じもしますけど。
さて外観を一通り見たところで早速中へ。
予想通り、本日はミサが行われており。
大聖堂の中に入ることができました。
入った瞬間その空間の広さにびっくりします。
外から見ても大きいのですが、内部にこれほどの空間が存在することに驚きです。
上にドームが存在するからでしょうか。
余計に広く感じる技術があるのかもしれません。
まずは観光する前にすでにミサが始まる寸前で。
席に座りミサが始まるのを待っていました。
少し待ち始まったのは皆の合唱から。
オルガンの音は教会の中を反射してきれいな音色で私に届きます。
そしてミサに来ている人達の声も澄んでいて素晴らしいです。
その後は司祭の話などや歌などが交互に行い。
途中で小さな女の子のソロの歌がありました。
その子供があまりにも可愛くてそしてきれいな声で。
この荘厳な教会の中で響く歌はより一層聞く者の心をつかむようです。
それにしても教会の中で聞くオルガンの音の響きといったら素晴らしいものですね。
パイプオルガンではないのが残念ですが。
それでも暗い巨大な空間の中に一筋の光が舞い降り。
さらにオルガンの音で幻想的な雰囲気へと引き上げているのです。
そこに小さな子供の声なんて聞いたら。
もう感動ものでした。
その後司祭の話が続いて、司祭が一杯のワインを飲み。
そして何かを配っていました。
私はもらいに行かなかったので何だったかはわかりませんが。
最後はやっぱり合唱して終了です。
ミサは所要1時間だったでしょうか。
初めて最初から最後までミサを見たのでいい経験をさせてもらいましたね。
ミサを見終わった後は聖堂内の見学です。
最初に入った時はすでにミサが始まりそうだったので内部をじっくり見ることができなかったので。
教会はバシリカ様式で長方形の建物の一番奥に半円の丸が突き出した形です。
そして教会を3分割するように柱が建てられているので三廊式と呼ばれる様式です。
でもこの様式って、基本的に昔古代ローマの集会場を教会に変化させて作った場合の様式で。
ローマ帝国の時代の建物が多いのですが。
これは15世紀ぐらいに建築がはじまった教会なのにこの形は少し面白いですね。
昔の文化を受け継いだ形と言えばいいのでしょうか。
しかし内部はそれと全く違い当時の文化を踏襲しております。
まず、後ろ側にはバラ窓が設置されておりそのステンドグラスによって教会を色鮮やかに見せています。
これはフランスやドイツで発展したゴシック様式の特徴です。
さらに教会すべては左右対称に作られているのがルネサンス様式の特徴
いろいろな様式を組み合わせているために今まで見た教会の中でも少し雰囲気が違うと思ったのかもしれません。
教会の一番奥には祭壇があり、さまざまな彫刻が配置されています。
天使や聖女の像が、ひとつの絵画の周りを守っているかのように。
絵画は遠くてうす暗かったために何が描かれているか正直わかりませんでしたが。
その横にはパイプオルガンなどが設置されていました。
もしこのパイプオルガンで音楽を聴けたらと思うと正直残念ですね。
教会の側面には多数の祭壇が設置されていました。
中にはキリストが十字架に磔になっている像などもあり。
それらの彫刻はリアルでいかにも動き出そうとしているのではないかと思うぐらいです。
ほんとに外の彫刻といい中の彫刻といい、これほど鮮明に作られているのはびっくり。
トロギールも同じような彫刻が存在したのでこのクロアチアは彫刻の教会と言ってもいいのかもしれませんね。
こうして聖堂の観光は終了し、今度はこの聖堂を遠くから見ようと思って街の上にある要塞に向かいましたが。
なんと本日閉まっており、結局見ることができませんでした。
残念です。
ちょっとした隙間からなんとか聖堂は見れたのですが。
まあこればっかりはしょうがないですね。
このため本日の観光はこれにて終了。
すぐにスプリットに戻るべくバスターミナルへ向かいました。
バスターミナルへ到着してからバスのチケットを買ってみるとなんと行きよりも2ユーロ安い。
なぜこれほどお金に差があるのかよくわかりませんがね。
バスに乗ってからはすぐに睡眠。
実は昨日あまり寝てないんですよね。
だからすぐに寝てしまいましたよ。
気がついた時にはスプリットに到着していました。
すぐさま宿に戻り、日記を書きはじめ。
なんと言うか、本日の日記が一番最速で書き終わりましたよ。
夜の7時半の段階でまるまる一日分終わったのは初めてかもしれません。
まあ、他の日の日記も残っているのでそちらは片づけるのに苦労したのですが。
何しろ他の日本人も泊まっていますから。
話始めてしまうとなかなか終わらないですよね。
さて明日は島にある世界遺産に行ってこようと思います。
という訳で明日はアドリア海クルーズです。
シベニクへのアクセス
スプリットの長距離バスターミナルから1時間1~2本の割合でバスが出ている。
またサダルやザクレブからもバスが出ており、簡単に行くことができる。
もしよろしければクリックしてください。

世界遺産のことを皆に知ってもらう為によろしくお願いします。