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 【クロアチアの世界遺産

世界遺産「スタリー・グラード平原」
2009.02.16
 
2009年2月16日    486日目


島に残る畑の数々

一見広大な平地ですが

古代ギリシャの開拓の技術が残ります


朝は日があける前に起床です。

何しろ、本日の船の時間は7時出発で。

6時ちょっとすぎぐらいに出発しなければならかなったので。

とりあえず起きて、同じ部屋に寝ている人を起こさないように準備をして。

こっそりと出発しました。

まだ真っ暗い中を歩くのは少々怖いですね。

こうしてスプリットの港へ到着して。

早速チケットを購入して、船に乗り込みました。

この船は車も運べるし、人も運べるような設計で

日本ではお目にかかれないタイプの船ですね。

どちら側も船首になれて、どちらからも車が降りられるように設計されています。

不思議な形で少々面白いです。

船に乗り込んでからはすぐに出発し、というか出発したのに気がつかなかったというほど穏やかな航海で。

揺れがほとんどないのですよ。

こうしてアドリア海クルーズに出かけたわけですが、外に出れる場所がなく、ガラスは微妙に汚いので。

パソコンを持ち込んでいたために写真の整理をしていました。

何しろ今日か明日中には今までの日記をすべてアップしたいと思っているので。

日記も書いていましたが、写真の整理が思いのほか時間がかかってしまい。

気がついたら目的地に到着していました。

到着した場所はアドリア海に浮かぶ島の中にあるスタリー・グラードという場所です。

ここは去年世界遺産に登録された「スタリー・グラード平原」がある場所。

紀元前3世紀のこと。

この島に古代ギリシャ人がやってきました。

そして彼らはこの島のある部分に注目したのです。

それはアドリア海の島にしては珍しい比較的平らな土地が広がっていることを。

しかもそこはアドリア海でも有数の肥沃な土地だったのです。

このためこの地を開拓し始めたのです。

そしてこの地に古代ギリシャの技術の高さを示すものを残して行きました。

それは区画された土地です。

平原は碁盤の目のように道路が築かれ、その区画された場所には石積みで範囲を示していったのです。

当時としては測量という技術が発達し、寸分の狂いもなく整地をしていったのです。

またこの肥沃な土地のおかげで近くの湾には街ができ、スタリー・グラードとして様々な教会が作られたのです。

スタリー・グラードとは古い街という意味を持ち古代紀元前から存在し続けた街。

街には古い街並みが残されています。

このようにスタリー・グラードの街並みと近くの平原は当時の失われた技術の力を今に見せつけ、この土地を有効に活用している場所として世界遺産に登録されたのです。

正直、最初はこの世界遺産がどこにあるのかを調べている時にスタリー・グラードという街を見つけたのですが。

島なのに平原って思ってものすごく調べてしまった。

ネットでやっぱりここがそのスタリー・グラードとわかって、スプリットから日帰りができたのだけど。

スタリー・グラードという古い街は存在しますがなぜ平原がつくのかと思い。

いろいろ調べていたわけですよ。

そしたらスタリー・グラードの周辺は島なのに平地が存在し、そこを区画整理された遺跡だということがわかったので。

もやもやした気持ちがなくなりました。

ちなみに畑ですから見る広さも巨大ですし、見ていても畑ですから景色はそんなに変わらないでしょうね。

こうして船が到着してからすぐにバスに乗りスタリー・グラードというの街に到着しました。

まずは古い街並みの観光です。

街の目の前には細長い湾が存在し、その周囲に小さな町があるのです。

街の形式はほとんどスプリットとかトロギールとかと同じで3階建ぐらいの家が細い路地に所狭しと並んでいます。

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なぜこんなに密着する必要があるのかと思うぐらい。

教会もそんな住宅に密接するようにあり。

正直近づくまでそこに教会が存在あるというのがわからないです。

残念なことにすべての教会は閉まっていました。

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はやり冬季というのはほとんどの観光場所が閉まってしまうみたいです。

まあ、ここのメインは平原ですからよしとしますか。

それにしても驚くべきはその教会の数。

確認できるだけで6つ以上あるのですよ。

、、、、ここ完全な田舎ですよ。

人口2000人いない場所なのになぜこれほどの教会が必要なのか。

しかもひとつひとつは結構大きく、特に街の南側にある教会は千人ぐらい収容してしまうのではと思うぐらいの大きさなのです。

なんか不思議な感じがしますね。

街自体もほんとに小さく30分もあれば街を一周してしまうぐらい。

その分石づくりの街並みが今でも残っているのが素晴らしいですね。

さて街の観光が終わってからスタリー・グラード平原へ向かいました。

昨日の段階でどこが世界遺産の場所かは確認してあったので。

その方角へ向かって行きました。

最初は曲がりくねった道が多いのですが、途中からまっすぐの道になってきます。

それはどこまで行ってもまっすぐ。

ちょっと地形に合わせて微妙に曲がっていたりもしますが、それでも進むべき方向は常に一定です。

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他の道も直角に交差してあり、まさしく碁盤の目の開拓地となっているのですよ。

そして何より一番驚くのがほとんどの場所に石垣が築かれており、それが畑を区切っていて区画整理がされていること。

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どこまで歩いても石垣が存在し畑が区切られているのです。

周りの地形から見ても当時はここ森だった場所ですよね。

それを木を切り倒して、整地をして道路を造り。

碁盤の目のように作ってさらにその土地を石垣を作って区画する。

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どれだけの労力がかかったというのでしょうか。

それに歩けど歩けど先が見えないというのもびっくりです。

実際は10km×4kmぐらいの範囲でしょうか。

歩いた感じから大体の範囲を推定で言っているのですが。

何よりびっくりするのが交差点の少なさなんですよ。

碁盤の目に区切られているといってもそれはあまりにも遠い距離で。

一つの交差点から次の交差点へ行くにも20分ぐらい歩かないと到着しないのです。

約2kmぐらい離れている計算ですよ。

大きい道はそれほど離れていますが、実際に人が歩ける道は結構ありますが。

何より細かく区分けされている石垣の量にびっくりしますよ。

畑は現在冬なのでほとんどの畑は休みでしたが。

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ブドウ、オリーブなどを栽培している木が閉めていますね。

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ただ一番多いのは作物を育てるのを諦めた土地がほとんどだということですが。

半分ぐらいは昔に放棄した土地だらけで荒れ果てているといった感じです。

その中でも区画整理された石垣だけは残っています。

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この区画整理された石垣が古代ギリシャ時代から続くものだというのがちょっと信じられませんね。

古代ギリシャは神殿だけではなく農業計画までしっかりしていてそれを実行に移せるだけの力があったということに。

こうして畑の観光は終了してというか。

歩いても歩いても風景はほとんど同じなので。

とりあえず、世界遺産に登録されている部分の7割方をみてスタリー・グラード方面へ戻ることにしました。

もちろん違う道でですよ。

こうしてスタリー・グラードの近くまで戻ってきたら今度は近くの山に登り始めました。

やはりスタリー・グラード平原は上から眺めないとどのような構造がわからないので。

あと地形も見たかったしね。

ただ、スタリー・グラード平原は結構広いためにどこの山に登れるのかさっぱりわからなかったのですが。

街の近くの山の中腹には電波塔みたいのが建っており。

そこまで行く道が遠くからでも確認できたので。

そこに登ることにしたのです。

案の定そこまで登ることができて、息を切らしながらもきれいな風景が見ることができました。

スタリー・グラードの町から平原が続き、その平原も山に囲まれているといった感じ。

もしこれ船だけでこの島を一周したとしたらこの空間は一切見つからない場所に存在します。

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スタリー・グラードの目の前にある湾も相当小さく細長いので奥まで見にくるような人がいないかも。

もしかしたら周りから全く気付かず農地が確保できる場所だったからこそ、ここにこのような台地が生み出されたのかも知れませんね。

上から眺めていると道は遠くてわかりませんが、畑の違いで色で区分けされている場所がわかり。

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長方形に区分けされているのがわかります。

それはこの島の平原すべてが長方形に色分けされているように見えるのです。

ほんとに全部開拓してあることがようやく上に登って確認できますよ。

それにしてもほんとに碁盤の目に完璧に作られているよな。

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測量技術にもそれを実行できた技術力にもびっくりしますね。

さらにこの場所からスタリー・グラードの街も見ることができ。

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湾に作られた小さな町だということも一目瞭然です。

その湾自体も細長く、大きい船では入ってこれないですし。

レンガ色の街並みが海の青と混ざってきれいな色ですね。

こうして本日の観光は終了です。

すぐさまフェリーの時間だったので今度は歩いてフェリー乗り場まで戻ってきました。

到着してすぐにフェリーに乗り込み。

出発してからは日記を書いていましたね。

途中で電池が切れたものの昨日の大部分まで終わったので。

明日の午前中には日記の更新ができそうですよ。

こうしてフェリーに乗ること2時間。

ようやくスプリットに戻ってくることができました。

すぐに夕食や明日の朝食などを買い込み。

さっさと宿に戻りました。

宿ではひたすら日記を書いていましたさ。

何しろ明日の午前中までしか日記の更新ができないから。

それまでにすべてを完成させたくて。

おかげで夜の遅い時間までかかってしまいました。

明日や午後からの移動なので比較的楽な日になるでしょう。




スタリー・グラードへのアクセス
スプリットから一日4便ほど船が出ている。
このため日帰りするのが便利
出港場所は長距離バスターミナルと旧市街の間。
行きが7時・9時発が存在し(土日は9時のみ)、帰りは14時半と17時半がある。(土日は17時半のみ)
船の到着場所はスタリー・グラードから2kmほど離れており、船の到着を待ってバスが出ている。
徒歩でも簡単に歩いて行ける。
平原へはスタリー・グラードからJelsaという街までの間がすべて平原。



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