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 【ハンガリーの世界遺産

世界遺産「ペーチ(ソピアネ)にある初期キリスト教墓地遺跡」
2009.02.20
 
2009年2月20日    490日目


地下に眠る教会

それは初期キリスト教の墓地

空が見える場所にない世界遺産



あ~、ぐっすり寝た。

しかも寝袋まで出してさらに毛布をかけていたからかなり暖かく寝れたよ。

これほど気持ちよく寝たのは久しぶりかもしれませんね。

というのも毎日気候が変わるというか私が東へ西へ北へ南へと移動するために。

気候の変化が激しいのです。

寝るのにも服もどれを組み合わせて寝るなどの調整が必要で。

着込み過ぎても暑いし、かといって薄いと寒いしで。

毎日寝るのが難しい選択になるのです。

同じ場所にずっといるなら最初の数日で完璧になるでしょうが。

特に旅人とかは1泊2泊とかで移動しなくてはいけないからこの気候の変化の調整が難しいのですよ。

おかげで体調崩すことが多いのです。

ちなみに毎回宿に泊まっているのに寝袋を持参している理由は、氷点下になるような気候でも、薄い毛布一枚とかしかない場合があるためです。

こうして起床してからは少しばかり宿でのんびりしていました。

本日の観光の開館時間が10時からだったためです。

のんびりと言っても日記とか書いてたりして微妙に忙しかったような。

ようやく9時半になって宿を出発するためにパッキング。

それが完了してからは荷物を宿において早速観光することにしました。

早速街の中を散策していると城壁が見えてきてその先には巨大な大聖堂が。 

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ここが世界遺産と言いたいところですがこのペーチの世界遺産は一味違います。

この目の前にある巨大な大聖堂は世界遺産ではないのです。

そして後ろを向くとちょっと下にある小さな教会の礎石がありました。 

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こちらの方こそ世界遺産「ペーチの初期キリスト教墓地遺跡」なのです。

ちょっと目の前にある大聖堂と近くにある礎石の規模の違いから逆が世界遺産ではないのかと思うのですが。

実際登録されているのはペーチの地下墓地。

そうなんです、この世界遺産はすべて地下にあるのです。

唯一この礎石だけが外にあり、すべてはこの大聖堂周辺の地下に存在します。

もともとペーチは紀元4世紀頃ローマの属領でした。

この地は東西南北へ行く交通の要所として繁栄。

そしてこの時期のローマはキリスト教を国教にしたばかりでこの地にもさまざまなキリスト教の教会が建てられたのです。

しかし、その後この地は衰退と繁栄を繰り返すうちにこれらの教会はすべて崩壊し地下に埋まってしまいました。

その後周辺に大聖堂が作られたりしてその存在を知る者は一切いなくなったのです。

こうして時代が流れる中1782年ようやくこの地下聖堂が日の目を見ることになりました。

偶然の発見によりこの地で発掘が始まり当時のキリスト教の様子が浮かびあがったのです。

ただしここを調べることによって衝撃的な事実が浮かび上がってきました。

それこそカタコンベの発見です。

カタコンベとは地下に掘られた墓所のことで、人々はここで集会を行う場所として作られました。

普通カタコンベが作られるというのはその時代その宗教が迫害され、秘密裏に祈るためにこのようなものが作られるのですが。

この遺跡が作られたのはキリスト教が国教となったあと。

これによりローマではキリスト教が国教となった後も迫害されていた事実が浮かび上がったのです。

さらにカタコンベには初期のキリスト教の情景を描いた壁画を残していました。

ローマがキリスト教を国教にしてからすぐの壁画は現在ここだけにしか残っていないものなのです。

こうしてペーチの地下に残る初期キリスト教墓地は古代ローマにおけるキリスト教の信仰状態を伝えるものとして世界遺産に登録されました。

これペーチに世界遺産があるという情報だけで訪れたら全く違ったものを見て終了ですよね。

地下にあるものが世界遺産で見えてるものが世界遺産ではない。

ここの世界遺産を見るには注意が必要です。

さて早速小さな教会の礎石の横にある階段をくぐってみると。

そこには小さな博物館のようなものがあります。

そしてさらに進むと小さな空間にたどり着きました。

これこそ世界最古のカタコンベなのです。 

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この空間は教会の真下にあたり、内壁は様々な壁画が描かれています。

そして空間の半分を石棺が占拠いてあります。

石棺にもさまざまな絵というか彫刻が彫られており当時の技術力の高さがうかがえます。 

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これが本当に迫害されていた時の遺跡とは到底信じられないのですが。

隠れてこれを作るってことですよね。

ちょっと信じられないものがあります。

さて実は最初、このペーチにある世界遺産はここだけかと思っていました。

しかし、この周辺にたくさんのカタコンベが残っているみたいで。

半分以上は見れないようになっていますが。

その中でも一番大きいのはここではなく違う場所にあるみたいでそこに向かいました。

ペーチの大聖堂の横から入るようになっていて 

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ほとんどが保護のために天井がつけられています。

もう博物館に入るような感じです。

しかし中に入ってみるとそこにある大空間にびっくりします。

先ほどの教会はかなり小さかったことを思い知らされて。 

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巨大な教会の礎石がそこには存在しました。

土壁のような感じの教会ですね。 

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そして驚きはさらに続き。

その先に進むとたくさんの教会とその地下へ行けるようになっていて。 

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さまざまなカタコンベが見れるようになっているのです。

これほどカタコンベを作った理由が知りたいものですが。 

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十数個は存在しているみたいなのです。

それにしてもこれだけ近距離に教会とその地下のカタコンベが作られたためにそれをつなぐ通路は迷路のようになっていて。

ちょっと見るのが大変かもしれません。

ただ、こちらのカタコンベは先ほど見た小さな教会のカタコンベよりも遠くてあまりきれいに残っていないために。

見応えはないかもしれませんけど。

カタコンベを真上からや真横から見れるようになっていて。 

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そしてそれぞれ描かれている絵も違うために見ていて結構楽しいものです。

それにしてもここの保存方法が結構素晴らしい。

地下墓地のために見学する方法もほとんどないはずなのに、たくさんのカタコンベを見れるようになっていて。

さらに礎石もしっかり保存できるようにそれすらすべて覆う天井が存在します。

これなら完璧に後世に残せますよね。

まあ、ひとつのカタコンベは完全に大聖堂の真下にあるのもあって。

それを見れるようになっているだけでも素晴らしいですよね。

ペーチにこれだけのカタコンベが残っているというのはほんとにびっくりです。

さて観光が終了して。

というか地下墓地はすべては見ることができずなので。

公開しているのはごく一部ですから。

もちろんそれ以外は地下に埋まっているわけで絶対見れないので。

観光は意外に早く終了しました。

このため宿に戻り荷物を引き取って。

駅に行きました。

実は本日午前中観光してから午後には移動しようと思ってたので。

ハンガリーまでこれば移動とかの便数がかなり多くなり。

午前移動、午後観光ということが可能なのです。

本日はその逆なのですけど。

ということで本日は首都のブダペストまで行きたいと思ってまして。

早速チケットを購入。

1時間半待ちでしたけど、昼食も食べれたり、列車は30分前に到着したりと。

意外に待ったという気がしませんでしたが。

こうして列車は北に向かい北上を開始。

もちろんのった列車はICでかなりの速さで。

200km離れていますが3時間で到着するという早さ。

いやはや、ヨーロッパの先進国に近づけば近づくほど乗り物のスピードも速くなるので移動がすごく楽になりますよ。

もちろんその間ずっと日記を書いていましたよ。

ヨーロッパの列車ではノートパソコンを出していても何にも言われないですし、盗まれる気配もないのでほんとに助かります。

アジアでは絶対できませんよ。

何しろ他の人もノートパソコンいじっているわけですからね。

ヨーロッパは移動の際にも日記が書けるという便利なご時世になったものです。

おかげで前よりは日記が苦労、、、実はしているのかも。

ヨーロッパに来たことによって移動のときに日記が書けるようになりましたが。

宿で日記を書くことが少なくなりました。

それはほとんどドミトリーだから。

今まではドミトリーもありましたが、ドミトリーもない都市も多くて。

個室に泊まった時に日記を書いていたのですけど。

ヨーロッパはドミトリーが多く、その場合周りの人に話しかけられたりするので日記が進まないことが多いのですよね。

なかなか困ったものです。

こうして順調に日記をかいて、ようやくブダペストに到着。

早速本日目的としていた宿へ歩いて向かいました。

まずは歩いている途中で銀行のATMからお金をおろして。

20分かけて宿まで歩きましたよ。

しかもこの宿というのが意外にわかりにくい場所にあるため。

一度通りすぎてしまいましたけど。

小さな看板を見つけて呼び鈴を押し中に入ってようやくチェックインをすることができました。

この宿はアンダンテと言って2年前ぐらいにできた日本人宿。

宿泊客のほとんどが日本人というびっくりするような宿なのです。

しかもチェックインして感動するのが最新刊の漫画が置いてあること。

特に私、旅長いですから結構感動が大きかったですよね。

さてチェックインをしてからは少しマンガを読んでいました。

ほとんどここは日本という雰囲気がたまらなくうれしいです。

何より日本語がしゃべれるということが何よりうれしい。

日本語を話さないと意外にストレスがたまりますからね。

本日の宿泊客のすべて日本人でほとんど学生の卒業旅行で来ているみたいです。

そういえば今卒業シーズンでした。

私の時は卒業時に会社からの呼び出しや引っ越しなので海外には行けなかったな。

あと卒論とか書かなければいけなかったから時間がなかったんだよね。

案の定いろんな人に話してみるとほとんどの人が文系でした。

理系の人がいないという事実も驚きですけどね。

こうして本日は夜まで彼らと話していましたね。

しかも夕食はカレーでした。

というのはこの宿たまにオーナーが料理を作ってくれてシェアして食べることがあり。

ちょうどその日だったらしく、なんとカレーを作っていました。

カレーのルーも日本のもので。

もう一口食べた時はかなりの感動ものでしたよ。

日本食ってこんなにおいしいんだって思わずにはいられませんでした。

あと日本はよくこんな複雑な味にできるなとちょっとびっくりです。

海外では味が一定でしかも種類が少ないといった難点がありますが。

その点、日本食は味も豊富で種類も多いといった感じですから。

中華料理と同じぐらいバリエーションも多いですしね。

ほんと海外で食べれる日本食は涙が出そうですよ。

それだけ日本食に飢えているといった証拠ですけどね。

さていろいろ話していたら夜も遅くなったので。

寝ることにします。

明日は休日にでもしましょうかね。



ペーチへのアクセス
大都市からはブダペストから直接行くのが便利
列車だと一日数便ある。
クロアチアのザグレブからだと少々めんどくさいが一日で到着できる