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 【ウクライナの世界遺産

世界遺産「キエフ:聖ソフィア大聖堂と関連する修道院建造物群、キエフ-ペチェールスカヤ大修道院」
2009.03.09
 
2009年3月9日    507日目


キエフの始まりとともに2つの教会が存在する

キエフを代表する聖堂

そして洞窟で拝み続けた修道士の傑作



朝一番に起きてみると。

なんと大雪。

あれ、、、昨日キエフは気温5℃もあったのですが。

なして観光するときに限って大雪なのでしょうか。

まあ観光は明るくなってからする予定なので。

それまでには気温が上がってくれることを祈って。

まずはすぐに駅に向かいました。

本日の夜にリヴィウという街に移動するためのチケットを取りに。

とりあえず、駅に到着してすぐにチケットを予約しましたが。

最初に行ったカウンターはなぜか受け付けてくれず。

適当に違うカウンターに行ったら予約できましたよ。

ただ英語が一切通じなかったので、ほんとに寝台列車を予約できたが不安ですがね。

とりあえず寝るジェスチャーだけして向こうはわかったと言ってくれましたが。

本日の夜どうなっているかある意味楽しみです。

さてチケットを予約できたので、すぐさま宿に戻り。

ネットをしていました。

たぶん数日ネットできない状態になるかも知れなかったので。

そしてチェックアウトの時間が来たので、荷物を置いて、、、って。

なんと11時なのにスタッフが一人もいない。

このため荷物を置いていいかがさっぱりわからない。

こうなったら勝手に荷物を置いて出発してしまいましたよ。

宿からは歩いてキエフの中心地まで歩いて行きました。

途中道が複雑なためにちょっと困りましたがようやく広い広場が見えてきました。

そしてその先には巨大な塔が。

これこそ世界遺産「キエフ:聖ソフィア大聖堂と関連する修道院建造物群、キエフ-ペチェールスカヤ大修道院」なのです。

キエフには2つの重要な教会があります。

聖ソフィア大聖堂とペチェールスカヤ大修道院。

歴史はどちらも11世紀ですが、聖ソフィアのほうが早く、こちらはキエフ公国に初めてキリスト教をもたらした時に作られた教会なのです。

ビザンティン建築の中では重要な聖堂ですが、その形はロシアの教会建築に似ており。

たくさんの玉ねぎ頭の塔が乱立するのが特徴です。

ロシア、ウクライナ、ビザンティン様式を継承し、その後のロシアの教会建築に多大な影響を与えた場所となりました。

ペチェールスカヤ修道院はもともとここにあった洞窟で修業を開始したのが始まりです。

名前も日本語に直すと洞窟修道院となります。

ここで様々な人が修行をするようになり、その亡骸を洞窟に安置し始めたことからここは聖地となり、巨大な修道院が作られるようになったのです。

その後ここではたくさんの資料が残され、中世の学問の中心となりました。

さらにロシア史やウクライナ史をまとめた書物もここで作られ現在も残されているのです。

こうして2つの建造物はウクライナにおける重要な場所として世界遺産に登録されたのです。

聖ソフィア大聖堂は正面には水色と白で装飾された巨大な塔が建っています。 

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一番上は金色をしており、塔も何層も連なっていて。

独特の雰囲気があります。

さらにその装飾もこれだけの高さにかかわらず細かくされており。

存在感を示しているようです。

そしてその後ろに緑色の屋根を持つドームが。

それがいくつも重なりあっている。 

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そのドームがたくさんあるので一見するとどのような構造がさっぱりわかりませんけど。

今まで見たことのない形の聖堂であり。

これがロシア特有のたくさんドームのある聖堂なのです。 

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聖堂の形はシンプルな長方形なのですが、その上部がどのようになっているかがさっぱりわからない感じ。

それだけ複雑に見えるのです。 

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さてまず塔をくぐり内部に入り、そして聖堂へ入るためのチケットを買いました。

聖堂は正面から入れるようになっており、入口の周りはほとんどの装飾がなくシンプルといった印象。

この聖堂の周りはほんとに漆喰に覆われていてその白さが光って見えます。

一部はレンガまで見えていますが。

ただ、よくよく見てみるとある一部分にフレスコ画が描かれており。

もしかしたら当時はこの前面にフレスコ画が描かれていたのかもしれません。

こういう部分を見てしまうと当時のソフィア大聖堂をほんとに見てみたいと思ってしまいます。

さてこうしてソフィア大聖堂の内部に入るとまずその空間の大きさに驚き。

そしてその煌びやかな姿に驚きます。

正面には金銀で装飾された門が存在し、祭壇の前でそれを守っているようです。

その装飾はまるで天国かの様に。

雲の上に浮かぶ聖人といった装飾が金銀で施されています。

その左右には4つのフレスコ画が描かれており。

それらも金の柱で囲まれています。

こちらは植物といった感じの趣があり、天と地を表しているかの様です。

その上部、中心地の円形の部分にはマリア様が両手をあげたモザイク画が描かれています。

もちろんそのモザイク画もほとんどが金で描かれており。

ほんとに煌びやかな世界がそこに浮かんでくるのです。

それにしてもウクライナにもモザイクの文化があったなんて知りませんでした。

モザイク画のほとんどはビザンツ帝国の装飾であり、その支配下でしか見ることができないと思っていましたが。

このウクライナにも影響があったなんて。

というかウクライナってもともとビザンツ帝国の支配下にあったっけ?

正直記憶にありませんが、これほど広大なウクライナですからここまで支配したとは到底思えないのですけどね。

聖堂内部でもかなりの量がモザイク画で占められていますが。

それ以外もフレスコ画が描かれており、教会内部はところ狭しと装飾が施されています。

ほとんどがやはり聖人を描いているのですけど。

ウクライナもキリスト教の影響が色濃く残ることを見るとやはりキリスト教はこれほど広大に進出していたのがわかりますね。

まあ、ロシアもキリスト教ですから当たり前といえば当たり前なのですが。

それにしてもフレスコ画が描かれている部分をよく見てみると、2重に描かれているのがわかります。

というか一度フレスコ画で描いたあとに漆喰を塗り、再び同じフレスコ画を書きなおしたみたいで。

一部崩落しているのですが、その部分からもっと古いフレスコ画が見えるのですから。

それほど長い年月、ここにそびえていたのですね。

さてソフィア大聖堂の内部を見学した後は、正面にあった塔に登ってみました。

ここからはソフィア大聖堂を上から見ることができるのです。 

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上から見てみるとその構造が一目瞭然。

約長方形の建物の中心に一番大きなドームが建っており、その周りに正方形を合わすような小さな4つのドームが。

さらにその周りには6角形に配置されたドームが存在します。

これは下から見ただけではさっぱり構造が分からないわけです。

上から見ないとちょっと理解できないですよ。 

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というかこれほどの建築を建てた技術力もすごいと感じますが。

ロシアの建造物はほんとに下から見ただけでは構造が分からない建築だらけなのですよね。

それが特徴といえるのですが。

ロシアにはなかなか入れないのでウクライナに来てほんとよかったと思いましたよ。

ソフィア大聖堂を見終わってからはもう一つの世界遺産に登録されている修道院へ。

まずは近くの地下鉄の駅へ向かい。

チケットを買ってエスカレーターで地下へ向かいました。

えっとですね。

このエスカレーターどれほど長いんですかって言うほど地下にもぐって行きます。

たとえば日本の都営大江戸線とかも深いと思いましたがそれ以上というか数倍地下にもぐって行きます。

高層ビル10階以上の深さを潜っていくのですよ。

これある意味怖いですね。

きっと防空壕の代わりにするために作ったのかもしれません。

ハンガリーの地下鉄も深いと思いましたがそれの2倍の深さでほんとにエスカレーターに乗るだけでも怖い状態です。

こうして目的の駅に着いて再び歩きはじめ。

ようやく到着したのはペチェールスカ大修道院。

説明は冒頭でした通り。

ここはキエフの教会が大量に集まっている場所なのです。

まず入口に行ってみると小さな教会と巨大なフレスコ画が出迎えてくれます。 

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正面にあるのは聖三位一体教会。

水色の教会で、小さなフレスコ画が描かれていて、ここが入口なのですが、ここだけでもこの大修道院がすごいものかを表しているかの様です。

そしてこの教会をくぐるとさらにすごい風景が待っています。 

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それは周りを修道院で区切られた中心にそびえる大鐘楼と大聖堂。

大鐘楼はオレンジ色をしており今まで見たことない色と形をしています。

その横では金色に輝く大聖堂が横たわっているのです。

大聖堂はウスペンスキー大聖堂といい、内部には入れないですが外見からでもその素晴らしさがわかります。

大聖堂の上部はもちろん壁面の部分部分にも金色で装飾されていて。 

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曇りの日でも光輝いているように見えるのです。

その中にもフレスコ画が描かれており、外見からでもそのキリスト教の情景がわかるようになっています。

しかもどの方向から見ても光り輝いていて、大修道院の中でも中心に位置するのもうなずけます。

これほど外見できれいな聖堂を見るのは初めてかもしれません。

これで晴れていればどれだけ光り輝いているのか。

ぜひ一度は見て損はしない場所の一つです。

その後は全聖者教会へ。 

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修道院に囲まれた細い通路を進むと門みたいな教会にたどり着くのが全聖者教会。

この教会に入ると内部は小さいながらもそこに様々な装飾が施されているのがわかります。

教会の内部は2重に分かれており祭壇部分と一般が立ち入れるようになっており。 

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そこには壁があり、紅の壁で門だけは金色に彩色されています。

門の上部にはたくさんの絵が描かれており、キリスト教の情景を伝えているようです。

教会の上は様々なフレスコ画が。

これだけの小さい教会の中にこれほど描かれているのもびっくりです。

その後はトラベズナ教会へ。

こちらの教会はほとんど円形に作られており、今まで見たことない形。

一番奥に祭壇があり、半分は入れないようになっています。 

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人々はその区切られた場所で拝み、ろうそくに炎をともし、神に祈っているのです。

天井には聖人を描いたフレスコ画が描いてあり、ちょっと暗めですが眺めていてとても幻想的な雰囲気を感じますね。 

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そして大修道院の中にある教会の中で内部に入れる最後の聖三位一体教会へ。

こちらはほんとに小さく、ほとんど歩ける場所もありません。

もちろん写真も近すぎてとれない状態ですが。

そんな小さい中でも一面フレスコ画が描かれていて。

小さいですがこれほど濃縮されて書かれているフレスコ画も珍しいですね。

そのほかにもペチェールスカ大修道院には下の修道院と呼ばれている場所が存在します。

先ほど見ていたのが上の修道院ですが、そこから下の修道院が一望できる場所があります。
下の修道院にはおもに2つの教会が存在します。

こちらの教会の特徴はどちらも聖人をおさめた地下墓地があること。 

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とりあえず現在では地下墓地はほとんど見れないとのことで私は見るのをあきらめましたが。

たくさんの人がここに並んで観光しているのです。

ここは正教会にとっての聖地。

私はその周りの教会を観光するだけで終了しましたけどね。

正直どこが入口だかさっぱりわからなかったのであきらめたというのが正解かも。

だったら目の前に見える教会を観光していましたね。

この大修道院からはキエフを流れるドニエプル川を一望出来て、さらに教会も一緒に写真に収まるのでかなりの絶景になっています。

ほんとにこの大修道院は今までにない風景がありました。

ぜひ一度キエフを訪れたらここに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

こうして一通りの観光が終わってからは再び地下鉄に乗り宿に戻りました。

途中、スーパーがあったので夜行のための買い出しをして。

スーパーをうろうろしていました。

まあ、ウクライナの物価を見ていたのですが。

それにしてもウクライナはほんとにものが安い。

食料品もアルコールもほんとに安くてある意味住みたくなってきます。

それだけ給料も安いって意味なんでしょうけど。

たとえばウォッカとかならほとんどのものが300円しないんですよ。

ほんとに買いたくなってしまいましたが、お酒は重いのでちょっと却下しました。

あと一番驚いたのが日本の梅酒が売っていたこと。

しかも値段は1200円ぐらい。

日本とほとんど変わらないよ。

日本の味に飢えている私なのでかなり悩みましたが、2週間後に日本に帰るので泣く泣くあきらめましたよ。

というかほとんどお酒でしか悩まない私ですけどね。

こうして宿に戻ってからは出発の時間まで写真の整理をしていました。

周りに人がいたので日記までは書くことができなかったのですが。

とりあえず写真整理とネットができてほんとによかったです。

こんな感じで時間になり宿を後にして。

途中で夕食を買い込みすぐに列車に乗り込みました。 

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どうやらしっかりと寝台の列車を予約できたみたいでホッとしました。

今回のは4人一部屋の寝台でとりあえず2人だけだったので何か気楽に行けましたね。

ただし一緒の部屋の人が風邪気味らしく出発する前から寝始めてしまって。

私もうるさくすることはできないので。

ついでに寝ることにしました。

まだ9時になっていないのですがしょうがない。

もし早く起きたら日記でも書いていればいいかという感じで。

では明日はリヴィウの観光ですかね。



キエフへのアクセス
ポーランドのワルシャワやクラクフ、ハンガリーのブダペストから夜行列車が存在する。
それ以外はウクライナは広大でキエフはその中央なので飛行機ぐらいでしか行けない。