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 【[雑学]アジア

世界遺産雑学84--将来の日本の世界遺産--
2000.12.30
 
世界遺産雑学84

--将来の日本の世界遺産--

2007年1月23日   (注:雑学執筆時07年1月25日)
文化庁は次の世界遺産候補を選定した
実に6年ぶりのこと
今回は未来の日本の世界遺産を紹介していきます。

日本の暫定リスト

文化庁はいままでの暫定リストが世界遺産に登録、もしくは登録予定のため新たに暫定リスト候補を増やそうとした。
このため、いままで文化庁が選定したものを初めて地方団体から公募したのである。
こうした呼びかけに対して日本各地から世界遺産になりたいとする24件の暫定リスト候補が集まった。
(詳しくは雑学78参照)
文化庁はこの24件に対して世界遺産になる価値を持った候補を選定した。
それが、先日の1月23日に決定したのである。
24件に対して4つの遺跡が暫定リストに入った。
たった4件である。

では、4つをこれから紹介しよう。

「富士山」  静岡県、山梨県
「富岡製糸所と絹産業遺跡群」  群馬県
「飛鳥・藤原-古代日本の宮都と遺跡群」  奈良県
「長崎県の教会群とキリスト教の関連遺跡」  長崎県

以上の4件が今回暫定リストに登録された。
富士山は信仰と芸術・文学の諸活動に関連する文化的景観として、顕著な普遍的な価値を持つ場所。
日本古来の芸術や活動に多大な影響を与えた場所として、また日本の心のよりどころとして評価された。
富岡製糸所は伝統的な生糸生産から近代の殖産興業を通じて日本の文明開化の先駆けとなった場所。
明治に入り日本の産業史の中で多大な影響を持ち、文明開化として産業をリードしてきた事が評価された。
飛鳥・藤原の遺跡は、古代国家成立期の政治・社会・文化などのあり方を生々しく伝えている場所
平城京が出来るさらに前の時代に存在した国家の中心でその時代の風習や文化を克明に伝えていることが評価された。
長崎のキリストの遺跡は西洋と日本の伝統的な建築技術が融合し、貴重な文化的景観を形成した場所
西洋から入ってきたキリスト教の文化が日本に入り融合し、独自の文化が発展したことが評価された。
この4件はこの後正式にユネスコへ暫定リストへの記載を依頼するのである。

こうして、現在日本の暫定リストは
浄土思想を基調とする文化的景観(平泉)  岩手県
石見銀山遺跡とその文化的景観  島根県
古都鎌倉の寺院・神社ほか  神奈川県
彦根城  滋賀県
富士山  静岡県、山梨県
富岡製糸所と絹産業遺跡群  群馬県
飛鳥・藤原-古代日本の宮都と遺跡群  奈良県
長崎県の教会群とキリスト教の関連遺跡  長崎県
の8件となった。
このうち、石見銀山は来年、平泉は再来年、世界遺産に登録予定である。
残った6件は10年以内に世界遺産に登録されることを目標とする。
また、これとは別で自然遺産も暫定リスト記載内定候補がある。
「小笠原諸島」  東京都
「琉球諸島」  沖縄県
この2つについては知床と同様、世界遺産に登録予定の前年に暫定リスト入りをし、世界遺産に登録される予定となっているのである。


しかし、今回の暫定リストの発表でとても残念なことがあった。
長崎県のキリスト教会群を世界遺産にする団体の委員長の脇田安大理事長は暫定リストなった際このように語った。
「1つ1つを見れば小さい教会だが、それぞれが歴史を凝縮して建っている。心の癒やしを求める人たちが注目する旅行地になるだろう」(西日本新聞抜粋)
このように話し観光素材として発展する可能性に期待を込めた発言をしたのである。
確かに世界遺産に登録されることで観光客は増えるだろう。
しかし、そこは世界に誇れる歴史や自然を持った場所。
観光客が増えることを喜ぶまえにいかにしてその遺跡や自然を保存するかの定義をして欲しい。
観光客が増えると言うことがその場所の価値を徐々に失うおそれがあることを少しでも考えていただきたい。
やはり、日本人は世界遺産を観光の道具でしか見ていないのである。


将来10年後には日本の世界遺産は合計20件以上となっているだろう。
もちろん、今回紹介した遺跡から優先的に登録される。
しかし、いかに価値を失わないように登録されるかを考えて行って欲しいものである。



以上、日本のこれからの世界遺産でした!
これが今回、文化庁が発表した内容です。
個人的には富士山が暫定リストに登録されたことがあまりピンときてません。
なぜならば、静岡県に住むものにとって富士山は当たり前のようにあったものです。
他の県の人が見れば感動するのでしょうか?
とりあえず、これからの世界遺産に注目していきましょう。