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 【[雑学]アジア

世界遺産雑学88--史上初の世界帝国が炎に包まれる時--
2000.12.30
 
世界遺産雑学88

--史上初の世界帝国が炎に包まれる時--

砂漠のオアシス都市
ここには壮大な廃墟が残る
数々の彫刻に数々の礎石
世界帝国が繁栄した痕跡


ペルセポリス  イラン

イラン中部、ファールス州
周りには荒廃した大地が続く。
このような場所にペルセポリスがある。
世界初の帝国が存在した場所。
オリエント文明が最も輝いた悠久の時がここに眠る。

世界史史上初となる世界帝国
「アケメネス朝ペルシア」
この聖都がペルセポリスである。
紀元前6世紀に古代オリエントと統一。
そして第3代のダレイオス1世の時に最大版図を得た
こうして世界帝国へと導いたのであった。
その後ダレイオス1世はペルセポリスの建設に着工
謁見の間、宮殿、玉座、ハーレム、大階段など
ここに豪華絢爛な宮殿を造ったのである。

実はこのペルセポリスは王の住居として建てられたものでは無かった。
ペルセポリスには2つの重要な要因があったのである。
一つ目は権力の誇示
ダレイオス1世とは実は帝国創始者第1代キュロス2世の直系では無かった。
直系では無いと正統とは認められず帝国全体で混乱が起きる可能性が秘めていた。
このため自分が正統と見せつけるために権力を見せつける必要があったのだ。
国内の地盤作りのためにペルセポリスの建設は重要であった。
これに伴い国内に「王の道」「王の目」を整備した。
ようするに幹線と情報伝達網の網羅である。
駅伝の始まりでもあった。
二つ目は祝賀行事のための神殿
ペルセポリスとはさっきも述べたように「聖都」である。
けして首都ではない。
首都とは実は4カ所もある。
冬はバビロン、春をスーサ、夏はエクバタナ、そして最初の都パサルガダである。
ペルセポリスは5番目の都
では、何故ここに豪華絢爛な宮殿を建てる必要があったのか。
それは、新年を迎えるためだけの宮殿。
アケメネス朝ペルシアにとって新年は重要な行事であった。
帝国にいるすべての領主が一同に介し、王に謁見するのである。
その際に領主は数々の貢ぎ物を贈呈するのであった。
王に謁見する場所がただの都というのも王の信用度が落ちる。
常に王は権力を見せつけなければならなかった。
このためペルセポリスを豪華絢爛にして新年の祝賀の際に用いられたのである。

こうして繁栄を迎えたアケメネス朝ペルシアにも滅亡の時がやってくる。
マケドニアの英雄
「アレクサンドロス大王」
の侵攻である。
彼はギリシャを征服した後、アケメネス朝ペルシアへ攻撃を開始。
あっという間にペルシアを滅亡へと追いやったのであった。
もちろんペルセポリスも侵攻。
その際にペルセポリスに大火災が発生。
栄光とこの世のすべてを得た都は一瞬にして炎の中に包まれたのである。
そしてこの地には礎石と若干のレリーフしか残されなかった。
かつての栄光はもちろん礎石の大きさでしか分からない。
世界帝国までなった都の果ての姿。


イランにあるペルセポリスはオリエント文明の頂点にたつ遺跡として、またレリーフからは当時の風土がわかる貴重な資料として1979年世界遺産に登録された。
ペルシア王国の権威と栄光の証がここにはある。



ここは絶対行きたいところの一つになっています。
もしかしたら、早く行かないと見れなくなるかも。。
アメリカがイランに対して大量破壊兵器があると疑っているからです。
これ以上、戦争は起きて欲しくないのに。
とにかく、ここには世界史の始まりが残っています!!