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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学91--特殊な世界遺産Vol.15 --
2000.12.30
 
世界遺産雑学91

特殊な世界遺産Vol.15
「製材所」

--森と一体化した工場--

ここは一見普通の工場
赤いレンガで造られている。
のどかな風景に溶けこんだ建物
ここには豊富な資源を活用した証が残されている


ヴェルラの製材・板紙工場  フィンランド

フィンランド、首都ヘルシンキから北東160km。
河の近くにヴェルラがある。
小さな街。
こんな場所に製材所が存在しているのである。
それはフィンランドの産業の記念碑でもあった。

ヨーロッパで産業革命が到来した際に各国は工業に従事。
各国は飛躍的に発展したのである。
しかし、フィンランドでは産業の発展が遅れる。
それは各国に比べて辺境の地にあったことが原因の一つにもあげられる。
輸送に対してものすごく移動をしなければならなかったのであった。
こうしたなかフィンランドではある産業が発展することとなる。
「製材業・製紙業」である。
国土の70%を森林が占めるフィンランドにとって、一番材料が手に入りやすかったのである。
最盛期にはフィンランドの産業のおよそ75%が製材という主要産業へと変貌したのであった。

こうして、国内最初の製材所がヴェルラの地に建設されることとなった。
それは1872年の出来事。
その後、ヴェルラは飛躍的に発展していく。
繁栄の最中、2度の火災に見舞われるがそのたびに再建。
当初は木造であったが火災に強い赤レンガ造りへと移り変わったのである。
現在、ヴェルラには7つの建物が世界遺産に登録されている。
・赤レンガ造りの木材乾燥所
・砕木パルプ工場
・砕木と板紙用の倉庫
・経営者の家
・木造倉庫
・木造の別棟
・火災防止器具のある納屋
すべては当時の繁栄の姿を今に留めている唯一のものとなっている。
当時の最新技術鉄筋コンクリートを使用した形跡も残っているのである。

また、それ以外にも輸送のための線路、水力発電などが川に沿って配置されている
その配置と周りにある森林が見事に調和されている。
産業と自然とが融合された美しい景観がここには存在するのである。
そして、1964年ヴェルラの製材所は操業を停止。
現在は博物館として今に伝えているのである。


ヴェルラの製材所はフィンランドの産業を今に伝える唯一のものとして1996年世界遺産に登録された。
ここにはフィンランドが発展した過程が残っているのである。



今回は、木の加工の世界遺産。
見ても工場だけですよ。
ホント特殊な世界遺産は多いです。
まだまだ書いていきます。
びっくりするのがまだまだありますよ!!