TOP > ひさほゆうのリアルタイム世界遺産旅行ブログ

カテゴリー
ひさほゆうが独自の視点で世界遺産を解説!
最新コメント

 【ハンガリーの世界遺産

世界遺産「トカイワイン産地の歴史的文化的景観」
2009.04.29
 
2009年4月29日    533日目


斜面に並ぶワイン畑

それは王のワインにしてワインの王

黄金色に輝くワインが出来上がる


おはようございます。

本日も比較的早く起きました

昨日は久しぶりにかなりの距離を歩いたのですごく疲れてしまい。

寝ている時間が少なかったような感じもしますが。

すぐさま起床してパッキングを開始。

荷物の整理が終わってからはすぐにデブレツェンの駅に向かいました。

ブダペストで特急の時間を調べてあったので。

しかしいざデブレツェンの駅に行ってみると30分前に発車する各駅停車の列車が存在したので。

特急券を買うのも高くつくので各駅停車で行くことにしました。

すぐに列車に乗り込み、ひたすら到着するのを待っていましたね。

というか何時に乗り換えの駅に到着するかわからなかったのでそわそわしていましたが。

ようやく乗り換えの駅に到着して、続いての乗り換える列車を探すと。

なんと特急の列車より遅かった。

まあ、しょうがないといえばしょうがないんですが。

こうしてのんびりと列車に乗ってようやくトカイの街に到着しました。

トカイの駅は町から少し離れているので、多少歩きましたよ。

そして調べておいたユースホステルに向かってみると。

宿自体はあいているけど人がいない。

受付がいないのでチェックインできないよ。

よくよく見てみると電話してくれって書いてあるけど。

携帯持ってないのでどうしようもないじゃん。

このため、インフォメーションへ行って他の安い宿があればそこに泊まろうかと思い。

トカイの街へ向かいました。

すると、歩いている途中に値段の書いてあるペンションがあって。

結構安い値段だったのでそこにチェックインすることにしました。

まあ、一人なので書いてある値段より少々高いですけど、値切ったりしてまあ妥協できる値段になったので。

ようやく荷物を置いて、宿で昼食を食べました。

、、、、、が、なんと買ってあるパンを食べていたところ。

なんとある部分からカビが生えていて。

、、、、、おれ若干食べてしまったんじゃ。。。

もしこれで体調が悪くなったらこれが原因です。

このため少し宿でじっとしていました。

これで何かあったら観光どころではないのでね。

でも何ともなかったのでようやく観光を開始ですよ。

この町とこの周辺は世界遺産「トカイワイン産地の歴史的文化的景観」

黄金色の濃厚なワイン

このトカイでは昔からワインの産地として有名でした。

ただ当時このトカイという名前はほとんど知られていませんでした

しかしここである事件が起きます。

17世紀半ば、このトカイ周辺が戦乱に巻き込まれる事態になりました。

人々は戦争のない場所へ避難し、そして難を逃れたのです。

しかしこのトカイに帰ってきたときに人々はワイン畑で涙を見ることになったのでした。

それは収穫期を超えたカビの生えたブドウ。

戦争からのがれていた時はちょうど収穫期だったためにワインに使用できない葡萄になってしまったのです。

そんな中一人の人がどうしても諦めきれずカビがついたブドウをそのままワインへと醸造したのでした。

するとびっくりすることに濃厚な甘いワインが出来上がったのです。

これこそ黄金色をした濃厚なワイン、貴腐ワインが出来上がった瞬間でした。

それからトカイではこの貴腐ワインの製造を続け、世界三大貴腐ワインの産地へと変貌したのです。

その後トカイワインを飲んだルイ14世があまりにもおいしいワインだったので

「ワインの王にして、王のワイン」

と世界一の賞賛をこのワインに送ったのです。

こうして世界に名の知れたトカイ地方ですが1000年以上も前から変わらぬ風景を維持しているのです。

川の周囲にある丘に並ぶブドウ畑は中世からの全く同じの風景や製法を今に残している特出した場所

風土や天候、気候などすべての条件がワインに適したトカイ地方に残るワイン畑は1000年以上続くワイン畑の典型的な景観を残す場所として世界遺産に登録されました。

 alt=""title=""

まず向かったのは博物館。

こじんまりとしたトカイの街を進み、博物館へと進みました。

それにしてもトカイの街は結構田舎なのですね。

 alt=""title=""

観光地だからもう少し建物が多いと思っていましたが。

確かに宿が多いですけど、ほんとにのんびりとした小さな町で心が和みます。

さて早速博物館で昔から使われているワインに必要な農具を見てきました。

 alt=""title=""

そこには中世の時代から作られた樽や樽を運ぶ道具。

 alt=""title=""

ブドウを剪定するハサミやカマなどが置かれていました。

あとは樽に刻印するための焼印とかも。

 alt=""title=""

これだけ見てもどのようにワインを造っているかわかる感じがします。

さらには歴代のワインに張られていたラベルなども一緒においてありました。

ほんとにここはトカイワインの博物館といった感じでしたね。

地下には小さなセラーみたいなところがあり、現在作っているトカイワインのセラー主のワインが一堂に置かれていました。

もちろん入り口にも。

歴史を知るにはここに来てみてはどうでしょうか。

さて続いてはセラーとワインのテイスティングを。

ということでワインセラーへと向かいました。

最初に向かったのはヒーメシュウドヴァルhimesubvarです。

ここは住宅の中にあって、勝手に中に入っていくタイプ。

しかし、ここにはセラーはなくワインのテイスティングだけができる場所でしたので。

2種類のワインを試してきました。

セミドライとセミスイートの2つを。

びっくりしたのがトカイは貴腐ワインに甘い白ワインだけが作られているのかと思っていましたが。

なんと辛口のワインもあることにびっくり。

でもその最初に香りは貴腐ワインの風味そっくり。

やはり同じワインだということがわかります。

そしてここではセラーが見ることができなかったので続いてはラーコーツィピンツェrakoczi pinceへ行ってきました。

ここはトカイの街の中でもワインセラーごと世界遺産に登録されている場所。

15世紀からここでワインセラーを保存し続けている場所なのです。

中に入るには6種類のワインテイストとセットになっているので。

お値段が少々お高めですが。

料金を払ってさっそく中に入りました。

いきなりの入口が地下に向かい、そのままワインセラーへとつながっていました。

気温はいきなり冷たくなり、ワインの保存に適した温度になっています。

小さな道をワイン樽が囲み薄暗い空間

 alt=""title=""

これが数百年守り続けたワインセラーなのですね。

さらに先に進むと巨大な空間へと導かれ。

そこではたくさんの人がワインのテイスティングができるように椅子や机が配置されていました。

 alt=""title=""

もちろんここにもたくさんのワイン樽が置かれており。

昔はここで大量の樽が保存されていたのではないかと予想がつきます。

現在では食卓のような場所になっていますが。

それにしても寒い。

ワインってこれほど寒い環境に置いておくものでしたっけ。

そういえば赤と白でも適温が違ったんでしたけ。

これが貴腐ワインに適した温度なんでしょうね。

それにしてもここにあるワインセラーの長さがすごい。

300mにもわたって連なるワイン樽のオンパレード

これを見るだけでも歴史を感じずにはいられませんね。

さてその後は6種類のワインのテイスティングです。

 alt=""title=""

ドライから始まり徐々に甘いワインが注がれていきます。

というのも甘さの麻痺がないように、辛いものから飲むのは味覚の鉄則ですよね。

もちろん、一種類づつ飲んだ後は塩のビスケットを食べて味を元に戻しますが。

中にはほんとに柑橘系の匂いに柑橘系の味のするワインがあって。

オレンジやレモンの香りと味をもった甘くのあっさりとしたワインでした。

最後にはもちろんトカイのワイン。

匂いは甘い樽のような感じで。

一口飲むだけでその甘さとその自然の風景が一気に押し寄せてくる感じ。

甘さがほんとにくどくなく人に合う甘さなのです。

この味は一度試すと衝撃の味かもしれません。

 alt=""title=""

私は昔から飲んでいるのでセラーで飲むワインに感動していましたが。

さてこうしてセラーの観光は終了しましたが。

私自身が酔っ払ってしまいましたよ。

昼間からお酒を飲むものではないですが、ワインの世界遺産なのでしょうがないというものです。

こうしてトカイの街では見る物はほとんど見たので。

今度はトカイの街を離れてみることに。

実際にトカイの街で見れないものがあるんです。

それこそブドウ畑。

なんと来て観て初めてわかるのはトカイの街は北東を向いており、ブドウ畑には合わない方角なのです。

このため世界遺産に登録されているのはトカイ周辺にある9つの地区なのですが。

そのうちのひとつを見に行くことにしたのです。

といってもどこにあるかわからなかったので南側に向いている丘のほうへ向かってみました

15分ぐらい歩いたでしょうか。

突然トカイにある丘の斜面にびっしりとブドウ畑が広がっているではないですか。

 alt=""title=""

それも広大な量で。

現在は収穫期の季節ではないのでブドウは実っていませんが。

緑の葉がついた新緑の季節なので、ブドウ畑一面緑色の世界が広がっています。

それにしてもこんな丘の上までブドウ畑にする必要がというぐらい、見渡す限りのブドウ畑なのです。

ブドウ畑はブドウを一列に同じ方向に剪定して作ってあり。

 alt=""title=""

規則正しい感じで、これで収穫しやすくしているのではないでしょうかね。

ただ一列といっても方向はまちまちですが、どちらかというと丘の下に向けて作ってあるというかんじです。

これによって日が当りやすいとかそういった類の理由なのでしょうかね。

さてブドウ畑をずっと見ていても意味がないので。

とりあえず丘の上に登ってみることに。

するとブドウ畑が丘の斜面だけに作られているのがわかります。

確かに斜面につくると日が効率よく差し込みますからね。

トカイはこういった丘が多い場所だからワインに適した場所になったのかもしれないです。

丘の下にはトカイの街が広がっていて。

これが1000年以上続く風景なのですね。

 alt=""title=""

町の周りには自然が残っているためにブドウ畑と町と自然が一体化した風景を見ることができます。

この場所から貴腐ワインができたなんてここに入れるだけでも感動ですよ。

かなりの時間をブドウ畑の中で過ごしていましたね。

こうして観光が終了した後は駅に向かい明日の移動の時間を確認して。

その後はスーパーに行って食料の確保。

もちろんカビが生えてないパンを選びましたよ。

前回はほんとに失敗しましたから。

そして宿に戻ってひたすら日記です。

まあ、ブダペストにいるときは一切日記かけてませんから。

追い込みですよ。

終わらないですけどね。

さて明日は朝が早いのでこれにて。




トカイへのアクセス
ブダペストの東駅からミシュコルツ経由で一日十便以上ある。
デブレツェンからは直通便も数便あるがnyiregyhazaで乗り換えればもっと存在する。
バスはほとんどない。