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 【イタリアの世界遺産

世界遺産「ヴィツェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオ様式の邸宅群」
2009.05.10
 
2009年5月10日    544日目


一つの街の都市計画

それをたった一人の人に委ねた

ルネサンスの天才建築家、パラッディオに。


おはようございます。

本日は早起きです。

しっかり寝て早起きするのは久しぶりかも

何しろいままで夜行列車、野宿、休日と決めたのに移動

というちょっとわけのわからない移動方法をしているので。

ともかく起きてパッキング。

前回あわてて出発して荷物の整理ができていなかったから少し時間がかかってしまったよ。

さて、荷物の整理が終わって宿の朝食を食べようとしたに行ったら。

まだ準備ができておらず。

何時から始まるのかと聞いたらなんと出発時間後とのことで。

あれ、朝食食べれないじゃんよ。

こうなったら自分が持っている食料を食べてやる。

昼食の予定でしたが、またどこかで買うしかありませんね。

さてこうして出発時間になったのでリュックをしょってユースホステルをチェックアウト。

すぐさまバス停に向かいました。

昨日の段階でバスの時間は調べておいたので。

というか午前中に二便しかないからこれを逃したら大変なことになるんだけど。

でもしっかりと最寄駅に向かうバスに乗ることができましたよ。

もちろんチケットも昨日の段階で買っておいたし。

こうして10分後には駅に到着。

すぐさまチケットの購入です。

まあわかっていたことですが1時間待ちで。

それまで写真の整理をしていましたよ。

時間が過ぎてようやく列車に乗り込む前に。

なんとイタリアのチケットは駅にある検印機に印字しないと罰金させられるので。

というか知らないと大変なことになる。

列車乗り間違えても罰金だからほんとにイタリアの列車は厳しすぎます。

ほんとに改札もないわけですから印字忘れそうになるのですが。

毎日チェックの日々が続きそうです。

さてようやく列車に乗り込んで、またスロヴァニアとは違った風景で。

ほとんどが開墾されていて、ところどころに民家が存在します。

今まで街に行かないと民家なんてほとんどなかったんだけど。

街に到着しなくてもところどころ民家があるのはびっくり。

日本では当たり前の風景なんですけどね。

それと列車が速すぎる。

こんなに列車って早いものだっけっか。

ほんとの先進国に入ったと実感しました。

こうして列車は乗り換えの駅に到着。

さっそくパドヴァ行きの列車を調べました。

すると30分後に来る予定だったので乗り換えがうまくいきそうだなと思いホームで待っていると。

なんと20分以上遅れている。

挙句の果てに違うホームで出発する列車の方が先に行きそうだったので。

あわててホームを変えてその列車に乗り込みましたよ。

こうしてようやくパドヴァに到着しました。

さてここでひとつ悩んだことがあります。

実は観光のこと。

明日の夜にはローマについてなければいけないので。

本日と明日の午前中が観光が可能なのです。

パドヴァともう一都市に行こうかと思っていたのですが、明日はパドヴァ周辺の街は月曜日でお休みなのですよね。

ただパドヴァの世界遺産は明日休みではない。

このため本日は周辺の街を観光しないといけないのですが。

パドヴァの街のユースは駅から離れていて、そこに行くと本日観光できなくなるかも知れなかったのですよ。

とりあえずバスのチケットを買ったところまでは良かったのですが。

なんと本日は日曜日だからなのかバスの便がほとんどなく。

もうこうなったら本日観光しようとしていたところまで移動してそこのユースに泊まることにします。

思い立ったらすぐに行動。

ダッシュで列車のチケットを買い、走ってホームへそして列車に乗り込み。

ぎりぎりセーフで列車は出発しました。

なんか満員で立つしかなかったですけどね。

こうしてたどり着いた場所こそ世界遺産「ヴィツェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオ様式の邸宅群」がある場所

天才建築家、パラッディオ

彼は世界でも初めての試みをした建築家でした。

それは今まで神殿や宗教施設でしか使われなかった建築を個人や大衆の建物へ転用したことです。

それは古代ローマの柱廊や破風などを一般庶民が目にする場所に取り入れた建築。

そしてパラッディオはこの建築を様々な形で取り入れていったのです。

また彼には世界でも例を見ない建築を残しているのです。

それは一つの街丸ごと彼の建築の計画で立てられたこと。

ヴィツェンツァの街はパラッディオによって都市の構想、道路の配置など、都市計画をひとりで作り上げた町なのです。

もちろんこうした出来事が彼を世界でも名のある建築家へと押し上げたのです。

こうしてパラッディオが残したヴィツェンツァの街とその周辺に建てた邸宅が世界でも古代ローマ、ルネサンス様式を世俗の建物に取り入れた最初の例としてそして世界でも影響を与えた場所として世界遺産に登録されたのです。

ヴィツェンツァに到着してかはまず宿探しです。

とりあえずユースホステルがあるのでそこに行ってみると。

、、、、なんと宿が開くのが3時15分。

この荷物どうしようというか観光どうしよう。

と思った瞬間、中から人が出てきて。

なんと荷物を預かってくれると言っていただけるではないですか。

もうお願いしますって感じで。

こうしてすぐに観光を開始です。

まず向かったのはオリンピコ劇場。

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パッラーディオが晩年に建てた半円形の劇場。

それはローマ劇場を模して造られたという劇場です。

外見を見るとレンガ造りの普通の邸宅といった趣があります。

門をくぐると庭園には様々な彫刻が配置されていて。

建物に付随して塔まで存在します。

ただ見た目からここに劇場があるとは思いにくいのですが。

見た目からは完全に宮殿といった感じなんですけどね。

ほんとにここ劇場なのと疑問に思ってしまいます。

こうしてさっそく中に入って順路を進むと。

見た瞬間驚く絵がありました。

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なんとこの空間に描かれているすべての絵はだまし絵の技法で描かれています。

実際には壁はまっ平らなのに凹凸やしっかりとした柱が連なっているように見えるその技法。

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彫刻や奥行き、段差などすべて計算されつくして描かれていてほんとにそこには柱や彫刻があるように見えます。

えっと、マジでこれ全部平らなのですか。

一部分は平らだなとわかる部分もあるのですが、どうみたって凹凸があるだろうと思う場所もすべて平らなのです。

なんかここに立つだけで不思議な感じがしますよ。

それにしても彫刻の部分なんてあまりにも立体的過ぎてびっくりします。

遠くから見たら完全に勘違いしますね。

隣の部屋は先ほどのようにだまし絵などはほとんどないですが。

上部の壁には絵が描かれていて。

それも立体的であたかも動きだしそうな気がします。

パラッディオは遠近法を多用した建築家。

遠近法がわかるということはだまし絵の手法も簡単にわかるということなのでしょうね。

こうして建物内を進み、見えてくるのが半円形の劇場です。

、、、、なにこれ!

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素晴らしいとしか言いようがない劇場です。

というかあまりにもすごすぎてどこから話していいかわからないくらい。

まず一番びっくりするのが舞台の壁です。

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すべてはローマの柱や彫刻が配置されておりもう劇場というか神殿の門といった感じがあります。

それも3階建ての。

あと、もうひとつ驚くことはその柱の間にある後ろの風景。

街並みが後ろのセットとして作られているのですが、それがあまりにも精巧で、そして立体的で。

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もうこれは完全に遠近法の手法で作られています。

天井は斜め下に向かって、床は斜め上に向かって狭まっており、町の道路も中心に向かって狭まっています。

ほんとに一点に向かって小さくなる感じ。

これによって街は立体的に見え、奥行きがあるように見えるのです。

見ていると目の錯覚でわかりませんが実際以上に奥行きがないんだろうなと。

中心は一点に向かっていますが、横の柱の間からは今度は横に向かって奥行を出すような感じで。

ほんとにその技術に脱帽しますよ。

劇場の後ろも彫刻で配置されていて、まるでそこが神殿で神を拝みに来ているみたいです。

さてこうしてオリンピコ劇場を見終わったので、続いてはヴィツェンツァの街を歩いてみました。

ヴィツェンツァの街の至る所にパラッディオの作品があって。

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歩けばわかるその存在感。

周りの建物に比べて、壁に円形の柱を装飾したり、顔の彫刻を配置したり。

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古代の建築様式を堪能するかのように様々な手法が使われているのです。

現在では美術館になっているキエリカーティ絵画館は見た目の手法はほんとに神殿か宮殿という雰囲気満載。

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またヴェネツィア共和国総督官邸などは前方に円柱の柱がそびえていて天井を支え、柱をくぐって入るなど、ほんとに公共の施設なのに荘厳な雰囲気を醸し出しているのです。

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ヴェネツィア共和国総督官邸の正面にはバジリカといって商人や貴族の集会場などに使われた建物が存在します。

これも完全にローマの神殿といった感じ。

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今では古代ローマの神殿などはほとんど崩れているので、まるでここに復元されたかのように。

なんだか小さな町にこれだけの荘厳な建築が存在するというのも不思議な感じがあります。

しかもそれがうまい形で街に溶け込んでいるのがすごい技術です。

本当にヴィツェンツァの街はパラッディオが残した建築が多すぎて。

まるでこの町のためだけに生まれてきた人物なのでしょうか。

ヴィツェンツァの街の観光が終了して、いったん宿に戻りチェックインを済ませて。

続いてはヴィツェンツァの街の郊外に建てられて数々の邸宅があるのでそのひとつを見に行ってきました。

何しろヴィツェンツァの街周辺には数十個もの邸宅が残っているので。

車でもないとほとんど見れない場所にあります。

このため今回は歩いていける一つの邸宅に行ってきました。

その名はラ・ロトンダ。

ヴィツェンツァから南東にある一軒家です。

まあ本当は場所が分からなくてあきらめかけましたが、駅の近くにある地図から歩いていける場所だとわかってそれに向かって歩きました。

15分ぐらい歩いたところにあるラ・ロトンダ。

見た瞬間、びっくりする光景が広がっています。

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なんとルネサンス様式のドームが丘の上に突然立っているから。

、、、これ一軒家?

言われても全く信じられない姿をしていて。

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きっとパラッディオはこういう意見を期待してこの建築を進めたのではないでしょうか。

中に入ってみるとそのドームを中心に四方すべてが対称になっていて。

正方形の建物だとわかります。

要所要所に彫刻が飾られていて、まるで何かの宗教儀式の場所ではないかと疑ってしまうぐらい。

家の中もドームがあるために空間が相当広いのではないかと予想できます。

この家の中の見学は週に一日しかないのでほとんど見ることは不可能ですが。

もうイタリア・ルネサンスと古代ローマの様式を掛け合わせた建物でした。

とりあえず本日は遅くまで観光しましたよ。

それにしても日曜日なのでお店もほとんどやっていなくて。

お昼食べたケバブですらすごく高く。

もう食費がすごく高くなって困ります。

こんな時はスーパーで買いたいのですが、すべてしまっていて。

しょうがないのでマックに行ってきました。

とりあえず注文してみて初めてイタリアの特徴が見えてきます。

なんとサイズを聞かれて、普通だったらラージとか答えるのですが。

それが一切通じず。

向こうが聞きなおしてグランデと言ってくるではないですか。

某コーヒーを飲むところのサイズの名前ってイタリア語だったのですね。

というかサイズの言い方も世界共通だと思っていましたが。

ここで違うことが判明しましたよ。

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それ以外はほかの国と変わらず。

しいて言うならパンが少しぱさぱさしていたぐらいでしたね。

そして夕食が食べ終わった後は宿に戻って。

すぐさまシャワーを浴び、日記を書いていました。

でもなぜかすぐ眠くなったので、日記をほったらかして睡眠です。

さて明日も世界遺産、これから毎日世界遺産を見る日々になります。




ヴィツェンツァへのアクセス
ヴェネツィアとナポリのちょうど中間にある。
どちらからも一時間に一本は列車が出ているのでそれを利用すること。
パドヴァやヴェローナで乗り換える便もある。
ラ・ロトンドの場所は駅近くの地図に場所が載っているのでそれに向かって歩く。
8番のバスでも行ける。