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 【イタリアの世界遺産

世界遺産「ピサのドゥオモ広場」
2009.05.18
 
2009年5月18日    552日目


大理石でできた塔と聖堂

それは海洋国家ピサが繁栄した証

しかし海沿い故の地盤沈下に苦しめられた


おはようございます。

本日は早起きをしましたよ。

何しろ本日はピサに行く予定なので。

斜塔に登るには朝が一番入りやすいし、日差しの関係で朝の方が都合がいい。

ということで、さっそく起きてフィレンツェの駅に向かいました。

すぐさまチケットを購入して。

というか往復チケットを買った方が安くなるのかもと思ったので、切符購入口で切符を購入。

結果、往復を買っても少しも安くならない。

これからは自動チケット購入機で買うようにします。

チケットを購入してからはすぐに列車に乗り込み。

ピサまでの一時間の列車の旅です。

が、朝も早かったので寝ないように必死でしたけどね。

しかもなぜか列車の中が寒かった。

人満員だったのに。

これは不思議です。

さて、ようやくピサに到着してからは広場まで歩くことに。

ちょうど1,2kmの距離だから20分ぐらいほどピサの街並みを見て回ることができました。

少し都会だけどどこかのどかさが残る場所でしたね。

そしてようやく白い巨大な建物が見えてきました。

世界遺産「ピサのドウォモ広場」です。

海運都市国家ピサ

11世紀から13世紀にかけて地中海で覇権を手にしたピサなのです

このためここには数々の富が集められました。

こうしてピサの街に大聖堂と塔の建設が始まります。

これによりピサには大理石の教会と塔と洗礼堂が建てられたのです。

しかしピサには大きな問題がありました。

この地は砂地で堆積した台地だったのです。

これにより大理石の自重に耐えられなくなり、塔は建設中から傾きはじめ。

建設の最後には傾きに合わせて塔を建てるというほどになってしまったのです。

今にも倒れそうな塔はピサの斜塔として有名になりました。

こうして覇権を手に入れたピサですが、衰退の道を歩み始めました。

ピサの近くに強国であるジェノヴァとフィレンツェが現れたこと。

そして最も重要なのは川が運んできた砂がどんどん堆積することによって海が徐々に遠くなってしまったということにありました。

これによりピサは覇権を無くし、当時の遺跡だけが残されたのです。

こうしてピサのミラーコリ広場に残る大聖堂や塔などはロマネスク様式の典型として、地中海の覇権を手にしたピサの栄光を今に残すものとして世界遺産に登録されました。

最初に見えてきたのはその白亜の巨大な聖堂の姿。

そして徐々に近づき全体像が見えてくると、一緒に見えてくるのはあの有名な斜塔。

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見た瞬間にもう驚きましたよ。

ほんとに倒れそうなんですけど。

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当たり前の感想なのかもしれないですけど、予想以上に傾いており。

少しでもバランスを崩したら壊れそうな勢いで。

なぜこんなものが存在しているのかと驚きます。

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もともとここは海に近い場所でその大地は砂地であったために。

巨大な建造物を建てようとして徐々に下に砂が抜けてきて傾いたのですね。

そしてその歪みに合わせて建てたために実際にまっすぐ立つと塔自体歪んでいるという斜塔。

確かに一番下の基礎の部分を見ていると、かなりの傾きが感じられますが。

上部を見てみると、少しの傾きしかないような気がする。

なるほど、まっすぐ立つと逆に塔が崩れてしまう可能性もあるのですね。

それにしてもあまりにも曲がって見えるのでほんとに存在してるといった事実が信じられません。

写真でとってもわかるその歪み。

明らかに根っこのほうから向かっている方向が違いますよね。

またピサの斜塔は大理石でできているので、太陽で映された姿はほんとにきれいです。

完全に層に分かれていますし、てっぺんも高い。

ほんとに信じられない風景と美しい風景を一度に見ている感じがしますよ。

また隣にある大聖堂も同様に大理石でできていて。

斜塔と重ねてみるとほんとに美しいとしか言いようがない風景。

これがピサが海洋国家として作り上げた歴史なんだと実感しました。

結果的に最後には落ちぶれてしまいましたがほんとにすごい権力をもって素晴らしい建築を残している文明だと思いました。

さて外観を見た後には続いて、内部に入るためのチケットを購入。

斜塔だけすごく高い入場料を払わないといけないので。

なんかすごく悲しいですが、もちろん登りたいので払ってしまいましたよ。

斜塔は入場時間が決まっていて、空いている時間に入るしかないのですが。

朝一番に行ったのでもちろん次のツアーに参加することができ。

すぐさま荷物を預けて斜塔に登ることができました。

斜塔の前に立つと、入口までに斜めになっていることに驚きます。

そして中に入って表れるのは円形のらせん階段。

斜塔の内部をぐるぐる回るように設計されています。

ただ登ってみてわかるこの違和感。

なんか階段を上っているのにまっすぐの感覚が取れないのです。

らせん階段はほとんど外が見えないようになっているので自分がどの位置にいるかさっぱりわからないのですが。

進んだら右の壁に衝突しそうになり、さらに進むと左の壁に衝突しそうになりと。

なんかこんな階段を上るのが初めてなので少し怖い気もしますが。

やはりこの瞬間も内部もゆがんでいるんだというのが実感します。

もちろんたくさんの人が登っていて大理石なので足場はへこんでいるところがほとんどですが。

みんなそちらに傾くので、足場の位置を見てどっち方向に傾いているのかは一目瞭然ですよ。

ようやく頂上に到着して見えるのはその巨大な大聖堂の姿。

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上まで来ると、足場が少し斜めになっているというぐらいで。

斜塔という実感はあまりありません。

しかし景色は最高で、太陽の光に反射された大理石の白が何とも荘厳な雰囲気を演出しています。

ピサは斜塔が有名ですが、ほんとにすばらしいのはこの大聖堂なんです。

すべて大理石で作られた教会なんてたぶん数えるぐらいしかないですから。

しかも上部から見るとこの大聖堂が十字架の形をしたラテン十字という様式でたてられているのがわかります。

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そして中央にはルネサンス特有の天蓋をつける構造。

さらに十字架が二重に見えているのも特徴的です。

屋根も白く装飾されているために白亜の大聖堂という名にふさわしい気がします。

まるでインドのタージマハルを見ているかの様です。

一番奥に見えるのが洗礼堂。

この斜塔と大聖堂と洗礼堂が並んでいる姿がピサの特徴ですね。

こうして上からの観光を終了して斜塔を降りました。

下に戻ってからは大聖堂の観光をしたいところですが。

10時にならないと大聖堂が開かないので。

先に洗礼堂の内部を観光してきました。

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洗礼堂はもともとお風呂という意味ではなくキリスト教になる際に行う体を洗うという行為を行った場所。

形は円形をしており、その周りにはたくさんの装飾が所狭しと並んでいるのが特徴です。

さっそく内部に入ってみると、そこには小さな椅子と真ん中には教壇のような場所が存在します。

それ以外はほとんどなにも存在しないといったシンプルなものですが。

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ただ驚くべきはその音響の効果。

最初はわからなかったのですが、チケット売り場の人が突然歌ってくれて、その響く声が何とも印象的。

昔の人もこの音響に乗せてキリスト教の説教をしたのではないでしょうか。

内部は2階部分も登れるようになっていて。

上からもその内部を見れるようになっていました。

びっくりするほどシンプルなので正直拍子ぬけするかもしれないですけどね。

こうして洗礼堂の観光が終わった後は最後に大聖堂へ。

大聖堂の正面は巨大な門と上部はたくさんの柱が設置されている何とも扉というかゲートというかそういった趣がある場所。

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一部分ではモザイク画が設置されていて。

やはり、ピサが相当な権力を持っていたことを伺い知ることができるのです。

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そしてすぐさま内部に入ると、そこは巨大な柱に白と黒のアーチ。

天井は黄金で埋めつくされている何とも豪華な空間になっていました。

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正面の祭壇部分には巨大なキリストの絵が描かれており、周りは黄金で装飾されているためそこには神がいるというのを信じそうになる空間なのです。

外観がすべて大理石に対して、内部は比較的色とりどりの聖堂といった印象を持ちますね。

さてここで中央に見えるブロンズのランプ。

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このブロンズのランプを見たガリレオ・ガリレイが振り子の法則を発見したという話は有名です。

でも実際には法則が見つかった後に作られているためにこの話は違うのですけどね。

同様に斜塔から物を落として落下の法則を発見したという言い伝えもありますが。

これも違うんですよね。

でもなぜこのような話が出るかというと、ここピサは昔から勉学が盛んな所で。

ピサの大学は様々な有名人や学者が教壇をとったり学んだりした場所だったからです。

ガリレオ・ガリレイもこのピサの大学にいたことがあるのですから。

だからこんな話が広まったのかも知れません。

それにしても大聖堂の中に射す日の光。

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この光がスジ状に見えて何とも幻想的な雰囲気を醸し出すのです。

そこにキリストの絵があれば完全に洗脳ではないですけどキリスト教を信じてしまうのですよね。

ほんとにこれを建てた権力が素晴らしいです。

それとピサの大聖堂の中には小さな教壇が存在していて。

この周りには複雑な彫刻が散らばって配置されています。

これは信仰・希望・慈愛を表現されたという説教壇。

その細部まで緻密に彫られた彫刻がほんとにすばらしい。

このピサの大聖堂はどこを見てもほんとに権力の象徴といった感じでした。

こうして午前中には観光が終了してしまいました。

意外にここ小さい場所なんですよね。

塔に登るのも時間制限がありますし。

午前の早い段階で終えることができましたよ。

このためフィレンツェに戻ることにしました。

途中おいしいジェラート屋を発見。

バニラとティラミスを注文してしまいました。

もうおいしかった。

ここは安くてほんとに当たりでしたね。

ただ食べ終わって写真撮り忘れていたことに気がつきましたよ。

まあそんなもんだ。

こうしてピサの駅から列車にのり一路フィレンツェへ。

道中はほとんど寝ていました。

今回は終着駅だったからね。

まあ、近づくとなぜか目覚めてしまう性格は変わってませんけど。

こうしてフィレンツェに到着して。

まずは明日の観光のための時間を調べました。

明日は列車とバスのどちらでも移動できるので。

両方の都合のいい時間を調べて。

調べ終わったところで宿に戻りました。

本来ならその後観光でもいいのですが、外は暑くて。

日記も進んでいなかったので宿では日記を書いていましたよ。

大部分たまっているのでそろそろ本腰を入れて書かなければいけないなっと。

でも結局書かないんだろうな。。



ピサへのアクセス
フィレンツェSMN駅から30分に一本ピサセントラル行きの列車がある。
ピサの街からドオゥモ広場へはRossaというバスで行く。
歩いていく場合、駅からひたすら北上して目の前にアルノ川が見えてくるのでそこを左手に曲がりまっすぐ行くと橋が見えてくるのでそれを渡りさらにひたすらまっすぐ行くと広場に到着する。