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 【イタリアの世界遺産

世界遺産「ヴェネツィアとその潟」(2)
2009.05.23
 
2009年5月23日    557日目


海洋国家として海の中に作られた

幻想的な雰囲気を持つヴェネツィア

そして沈みゆく街


本日はゆっくり起きました。

昨日が知り合いとあって遅くまで起きていたからね。

それにしても夜は暑いですね。

湿気で寝苦しい。

こう何日も続くとたまったものではないです。

窓全開にしていても、蚊が入ってくるし。

問題が多い場所ですよ。

さてゆっくりと起きてからは、本日のメインの観光場所であるサンマルコ寺院への開始に合わせて移動です。

陸路で入り組んだ道を進み、アカデミア橋を渡って。

ようやくサンマルコ広場へとやってきました。

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さっそくサンマルコ寺院へ行ってみると、すでに長蛇の列が。

、、、、まだ開館30分前なんですが。

ともかく本日見ないともう見る機会がないので。

並ぶことにしましたよ。

取り合えず並ぶ場所は日影が多くて、開巻時間からは順調に列が流れたので。

ようやくサンマルコ寺院へはいることができました。

サンマルコ寺院はエジプトの聖人マルコをこの地に運んでその遺体を安置させるために作られた聖堂。

これからもわかるように様々な文化があり、そしてそれを作り上げるだけの権力があった場所がヴェネチアなのです。

もちろん正面からもわかる、その異質な雰囲気。

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聖堂としてはそんなに高さはなく、しかしいたるところにモザイク画が描かれていて。

ドームも何個も乱立しているのです。

今まで見た中でもどの形状にも当てはまらないその形。

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きっとたくさんの文化が交わる場所だったからでしょうね。

サンマルコ寺院の中は入った瞬間に別の国に入ったという感じで。

なんとすべての天井がフレスコ画でおおわれているのです。

これほど巨大な天井がすべて金色主体のフレスコ画に覆われている事実。

今まで見た中でも一番巨大で一番美しいかも。

何しろモザイクの世界遺産も数多く見ましたが、これほど巨大なのは初めてで。

どうやって保存しているのが不思議なくらいですから。

ただこの空間はかなり暗くて荘厳という印象ではなく、不思議という印象の方が強いのですが。

なんか今まで見た聖堂と全く違う。

暗さと明るさを持っていて、聖堂内の装飾も他とはちょっと違った感じで。

ほんとに他の文化が混ざったというのが見た目でわかりますよ。

残念なことに写真がNGだったので大丈夫な扉からとった写真をUPしますよ。

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ちなみにサンマルコ寺院の二階からテラスに出れるようになっていて。

そこから眺めるサンマルコ広場も結構いい眺めですね。

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目の前には4体の馬が飾っており、その他にも細かいモザイク画が見ることができます。

サンマルコ広場はすごく並んでいますが入る価値大ですね。

サンマルコ寺院の観光が終わった後はいったん駅に戻り。

明日の移動時間を調べたあとはヴァポレットのチケットを買いました。

そして今度は運河からヴェネツィアの観光を開始です。

ちなみにこのヴァポレットがものすごく高くて。

昨日、留学している人たちからはキセルが簡単にできると聞いていたのですが。

やはりなんかお金を払わなければいけない気がして。

結局お金を払って乗りましたよ。

というかこれが当たり前なんですけどね。

さてこうして駅からサンマルコ広場までのカナル・グランデを進む船の旅へ出発です。

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さすがに水の都といった感じで。

船の方が進みが早いというか。

しかも巨大な橋ではないですが、小さな橋を何個も越えていきます。

これは前にわたったことがある、リアルト橋やアカデミア橋ですね。

自分で渡ったときは大きい橋だと思ったのですが、運河から見る橋は意外に小さいという感じです。

というか運河自体がすごくせまい印象があります。

船は何艘もすれ違っていくのですが、船に乗っているとなぜか狭いイメージが。

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というのはきっと目の前に歩くスペースが一切ないことなのではないかと。

今まで運河に面している通路を歩いていましたが、基本運河に面している部分には通路はなくて。

それはごく一部だったんだとわかりました。

船に乗ると、運河の目の前に建物の入り口があって、船でしか行けないような入口となっているのですよ。

もうヴェネチアがいかに小さい町かが船に乗るとかかります。

ちなみにヴェネチアに走る運河も大きなのはS字の形をしていて。

船でも進みが遅いのですが。

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道でも船でも全く進まない場所。

それはほんとに迷路というにふさわしい町なのかも知れません。

そしてこのカナル・グランデという運河を見た後は、ヴェネチアの周りにある島を周遊するヴァポレットへ乗りました。

最初に向かったのはサン・ジョルジョ・マジョーレ島へ。

ここは教会しかない島。

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巨大な教会がここに存在するのです。

その姿は巨大で、奥には鐘楼も存在し。

教会の内部に入ると、巨大な空間とシンプルな祭壇が現れます。

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そしてその奥に進むと鐘楼に登るエレベーターがあり。

それに乗って鐘楼の上に出るとそこはヴェネチアを一望できる場所になっているのです。

ヴェネチアの中心地から少し離れているためにその姿はほんとに海に浮かぶ街といった趣があり。

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サンマルコ広場の鐘楼などがきれいに見えるのです。

ただ運河とかは街に隠れていて、巨大な島のように見えるのですが。

しかしヴェネチアが特殊な場所に建設されている風景が堪能できるのです。

この教会の観光が終了した後はヴァポレットに乗ってヴェネチアの周りの運河の観光をすることに。

ここは本島というか列車の駅から歩いていける場所と歩いて行けない島があり、ヴェネチアの周りにも数々の島が存在します。

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そちらからヴェネチアを見てみたかったので。

ほんとにヴェネチアはどこから見ても埋立地の街。

すべて家の目の前は運河で、船がないと全く街を歩けないようになっています。

他の島なんて完全に船がないと行き来できない場所で、もちろん車なんて走るスペースがないぐらいなのです。

運河だらけだからそれを超えるに橋を造り、すべて階段の橋だから、自転車も全く役に立たないしね。

もともとここは湿地帯だったというのもほんとに信じられません。

それからどうやってこのような街ができたのか。

ヴェネチアの権力はほんとにすごいものがあったのですね。

ちなみにこのヴェネチアは世界遺産の登録基準である文化遺産のすべての条件を満たしている場所。

最高傑作があり、他の文化に影響を与えたり、土地利用が素晴らしかったりすることが登録条件なのですが。

なるほど、確かにこの風景だったらすべての条件を満たしていますね。

ちなみにこのすべての条件を満たしているのはほかに中国の泰山と莫高窟の3箇所だけ。

私はこのすべてに行ったことになります。

そしてようやく船の旅が終了して。

その後はサンマルコ広場にある鐘楼をみてきました。

まあ相変わらず、人がたくさん並んでいましたけど。

午前中よりも並んでいなかったのですぐさま鐘楼に登ることができました。

上るといってもここはエレベータで上まで上がれる仕組みで。

簡単に頂上に行くことができましたね。

ヴェネチアの鐘楼は約100mもある巨大な塔で、そのうち人が登れるのは約70mの位置。

赤いレンガで造られていて、広場というかヴェネチアにこのような塔がそびえるのが異質な感じがしますが。

とりあえず頂上の眺めは最高の景色で。

サンマルコ広場はもう見下げるといった感じで、サンマルコ寺院もそのドームの形が完全に見てわかるのです。

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合計5つのドームが十字型に並んでいるのは上からみないとわかりませんでしたよ。

この鐘楼に上ると、ヴェネチアがどのような島だったのか、周りにはどのくらいの島が存在するのかなど一目瞭然で。

とくにヴェネチアもフィレンツェと同じように瓦色の街並みだったということがわかるのです。

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まあフィレンツェと違ってほとんどが運河に囲まれているので全く違った趣があるのですが。

島の中にはさまざまな教会の塔が乱立していて。

運河は確認できないぐらい狭いらしく、まるで巨大な島という感じです。

下を歩くとあれだけ運河だらけだったのに、上から見ると全く分からないというのも驚きですよ。

それにしてもヴェネチアにはたくさんの島が存在するのですね。

大きい島から小さい島まで、そして何かしらの建造物が建っているのですから。

あの小さな島が大学だって言うのも信じられないですけど。

昨日留学生に出会わなければきっと知ることはなかったでしょうね。

こうして一通りの観光が終了して宿に戻ってまいりましたよ。

宿では夜遅くなるのを待って、というかこれがほんとに夜が暗くなるのが遅くて。

その後夜景を見に行こうとしたのですが。

21時ぐらいにならないと薄暗くならないんですよね。

ですから夜景の様子をサンマルコ広場に行ってあっさり見て帰ってくる予定でした。

少し暗くなってから夕食を買いに行き、そのままサンマルコ広場へ。

そしてまだ暗くはなっていませんが、ライトに照らされたサンマルコ広場を見ることができました。

そこは幻想的な雰囲気。

昼間と違った風景がそこには現れるのです。

そびえる鐘楼とサンマルコ寺院はライトに浮かび上がるとまるでこの世界に生きていることを忘れさせてくれるような雰囲気で。

まるで中世の世界へとタイムスリップしたかの様です。

周りの建物もライトアップされていて、ほんとにおとぎの世界に生きてるかと思わせます。

夜のサンマルコ広場も最高です。

と思っていました。

というか昼間とは違った現象が起きていてすごくびっくりしたのですが。

最初はよくわからなかったのですが広場に小さな水たまりが点在していました。

それをよく見ると排水溝から水が吹きあがっているかの様で。

しかも水たまりが徐々に広がっていくではないですか。

あわてて海を見に行くと原因がわかりました。

なんと高潮です。

ヴェネツィアを今まで見たことのないぐらい潮が上がっていて。

もう海の近くは波で地面が濡れていて。

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そこより低いサンマルコ広場は排水溝から水が吹きあがって水たまりを作っているのです。

ヴェネツィアが地球温暖化のせいで沈むという話を確かに聞いていましたが。

それをいざ目の当たりにすると正直驚きを隠せません。

そしてどんどんその水たまりは巨大になり、とうとう水たまり同士がくっつくぐらいに。

そのころサンマルコ寺院の目の前は完全に沈んでいるといった状態になっていて。

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足のくるぶしまで完全に沈むぐらい深くなっていました。

またサンマルコ広場から海に向かう道はもうかなりの道幅になっていて。

すれ違うのが限界ぐらい沈んでいるのです。

確か年に2回ぐらい完全に沈むと聞いていたのですが、それ以外にもこれほど沈んでいる状況は知りませんでした。

本日いったい何の日かと思い、空を見上げるとそこには月が一切ありません。

そっか本日は新月なので満潮と新月が重なり潮がこれほど高くなったのでしょうか。

なんかこの沈みゆく水の都を見ているとなんか悲しい気持ちになってきます。

本日夜景を見に行かなければこの体験ができませんでした。

ほんとにこの風景はいろんな意味で見れてよかったと思います。

こうして夜11時ぐらいに宿に戻り。

それから写真の整理などをして就寝です。

明日はある街を観光した後にローマにもどります。