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 【チュニジアの世界遺産

世界遺産「ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡」
2009.06.20
 
2009年6月20日    585日目


フェニキア都市

完全に破壊尽くされたフェニキア文化が唯一残る場所

ローマからの破壊をまぬがれた遺跡


本日からはずっと早起きです。

何しろ、チュニジアの世界遺産は北側に点在していますが。

ほとんどがチュニスから日帰りはできるけど距離が遠いので。

まあバスの進み具合も遅いと思うんだけどね。

このため朝一番に起床してバスに乗る必要があるのです。

あと何より、ほとんどが一回の移動でたどり着けなくて。

最寄りに交通機関がなくて、タクシーを使わないといけないようなところにあったりするから。

ほんとに大変なんですよね。

ということで、朝6時に起床しました。

すぐさま朝食を食べて、宿を出発。

一路南バスターミナルへ向かいました。

この南バスターミナルは駅から比較的近くにあるので簡単に歩いて行けるのです。

こうして南バスターミナルに到着して、すぐさまバスの時間を調べると。

なんと、もうバスが来ているから乗れというではないですか。

タイミングバッチリでほんとによかった。

といってもバスに乗り込んでから30分は移動しなかったんだけどね。

こうして一路チュニスの東北東へ向かいました。

そこはチュニジアでも少し突き出している半島です。

バスに乗っているとその心地よさでどうしても寝てしまうのですが。

これはいつものことなので。

こうして2時間半が経過してようやく最初の経由地ケリビアという街に到着しました。

すぐさま遺跡行きのバスを探しましたがいろんなところでタクシーに乗れといわれてしまい。

もう一つの手段としてバスが走っている幹線道路から曲がり道で卸してもらうという手段に切り替えました。

そしてバスターミナルでその時間を聞いてみるとあと45分後に出発するよと言われたので。

バスの中でひたすら待っていました。

本当は食事を買いたかったのですが、結局朝だから見つからず。

断念して、バスを待っていたのですよ。

そして時間になり、ようやく遺跡の近くまでやってまいりました。

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途中の幹線道路で降ろしてもらってから標識に沿ってひたすら歩きました。

途中ほんとに狂犬病にかかってそうな犬が吠えてきてほんとに怖かった。

こうして20分歩いたらようやく海岸線沿いに到着。

そして目の前には遺跡の入口が。

ここにあるのは世界遺産「ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡」です。

フェニキア人

彼らは土地を持たない優秀な人種でした。

シリアで生まれたフェニキア人は海で地中海の覇権を手にいれ、各場所で植民都市を建設したのです。

彼らの功績は現在使われているアルファベットの原型となった文字を使ったことでも有名です。

しかし彼らには滅亡の時期がやってきました。

それは古代ローマ帝国の地中海支配です。

特にチュニジアに住んだフェニキア人はポエニ戦争により遺跡を完全に破壊され。

そこに住めないように塩まで蒔いたといわれています。

その後チュニジアの重要性に気づいた古代ローマ帝国は相次いでチュニジアに街を建設。

しかもすべてはフェニキア人が住んだ場所に新たに街を築きあげたのです。

このためほとんどのフェニキア人の遺跡が残されていないのです。

唯一の例外としてこのケルクアンだけがなぜかローマの街が建設されず当時の街並みをそのまま残す場所となったのです。

こうして古代カルタゴ時代のフェニキア人遺跡を鮮明に残す場所としてケルクアンは世界遺産に登録されたのです。

さっそく内部に入ってみるとそこには小さな町が現れます。

もちろんすべては礎石で小さな家が長屋のように乱立している場所。

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何より驚くのはその立地条件です。

というのも地中海の目の前にその街があること。

海岸から5mも離れていない場所に街が存在する事実。

フェニキア人はほんとに海の民族だけあってこれほど近くに作ったのですね。

さて街を進んで見るとそこには一軒一軒の礎石が見てわかります。

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すべての建物は長方形につくられていて、内部にはたくさんの部屋が存在したことがわかるのです。

玄関にはいて最初の部屋がありその奥には中庭が存在して。

その周りにいくつかの部屋が存在するように。

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何より、一番びっくりするのが浴室だったところが確認できるところです

浴室は朱色の色で染められていたことがわかり。

何より椅子のような小さな風呂といった感じです。

これが一軒一軒に確認できるのだからすごいですよ。

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そして町を歩いてみるとこの町の全容が見えてきて。

海岸を背に二重の城壁に囲まれていて。

城壁の間にも何軒か家があるように見えます。

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城壁の内部には小さな通りや大きな通りが存在していて。

特に海側に残っている家がしっかりと残されているのです。

それにしても街の規模はそんなに大きくないですが、住宅の他にもいろんな工場があったみたいで。

陶芸工房やガラス工房、浴場など都市として必要な物がすべてそろっていたみたいです。

ただ現在では礎石しか残されていないので元が何だったのか見当がつかないのですが。

それにしても遺跡を見ていると一つの疑問が。

何でこんなに海と街が近いのか。

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私は日本で海沿いに住んでいたからわかるのですが、嵐になったらこれほど近いと波をかぶって大変なことになりそうなんですが。

巨大な波がきますし、それが満潮時にかぶったら大変なことになりそうですよ。

ただこれ今まで地中海沿いを旅していて思うのですが、地中海ってそんな嵐がないのかと思えるのです。

どこの都市も海からすごく近くて、道路も海の近くにあるので。

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嵐がなくて、穏やかな海なのかもしれないですね。

波もほとんどないような気がしますし。

太平洋側では考えられない感じです。

このケルクアンの街の住宅の中でも柱があったりする住宅もあり。

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これから二階建だったことが予想できますよね。

ここにはチュニスの旧市街と変わらない風景が残されていたのかもしれないです。

そして回っていると面白い床の装飾がある家がありました。

これはタニトの家と呼ばれる場所。

実はこの床に残るマークこそタニトと呼ばれており、フェニキア人が信仰していた神の名前なのです。

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タニト神とは母神でありながら滅亡と再生をつかさどる神

この神のマークがこの丸と三角と直線で組み合わされたマークなのです。

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もちろんこのケルクアンの街の信仰も例外ではなく、タニト神へ捧げられたものだったのです。

フェニキアではタニト神が重要なキーになるのですね。

さてこうして観光は終了です。

というか遺跡見るだけだったら30分ぐらいもかからない小さな町ですからね。

私は2時間ぐらいいましたけど。

こうして再びバスで降りた場所まで歩いて戻ってきたのですが。

ここからが問題。

バスは2時間に一本あるかないかなので、バスに乗れるかわからないし、タクシーもあるかどうかわからない。

こうなったらヒッチハイクするしかないと覚悟していました。

すると、、、なんと一台目で車が止まってくれて。

最寄りのケリビアの街まで行ってくれるというではないですか。

止まってくれたのはチュニジア在住のフランス人。

というかチュニジアってフランス語が通じるからフランス人が多いみたいで。

私は毎日バカンスのように過ごせてハッピーだと言っていました。

すごいうらやましいですよね。

こうしてケリビアの街に到着してから、すぐさまチュニス行きのバスを探すと。

なんと1時間待ちで。

しょうがないので近くの食事どころでサンドイッチを買って過ごしていました。

ここはサンドイッチがどこにでもあってほんと便利です。

まるでベトナムと同じ文化です。

というかどちらも元フランス領ですから当たり前なのかも知れませんが。

それと魚介系がたくさん食べれるのでほんとにうれしい限りです。

栄養のバランスもしっかりしていますし。

チュニジアに来てから肉を食べる機会が少ない気がしますが。

それだけ魚介類が豊富で、いろんなものが食べられるのです。

こうしてサンドイッチを食べて腹を満たした後に、ようやくバスが到着して。

そのままチュニスに向かいました。

途中は寝ていたのですが、小雨が降り始めてしまって、窓を開けていたのでびっくりして起きてしまいましたが。

それ以外は特に順調でしたね。

こうしてチュニスに戻ってきてからは宿に戻ってクーラーをつけて。

その後、夕食の買い出しと明日の買い出しをしてました。

本日の夕食はビザにしたのですが、なんとイタリアの30%の値段で買えてしまうので。

調子に乗って一番いいやつを頼んでしまいました。

出来立てを食べましたがほんとにおいしくて感動です。

夜は夜で洗濯を始めて。

その後はずっと日記を書いていました。

これほどの文書を書くのですから毎日の日課になっています。

まだかなりたまっているけどね。

さて明日も早起きなのでこれぐらいにしておきます。



ケルクアンへのアクセス
チュニスの南バスターミナルから遺跡の最寄りの街ケリビアに向かう
一時間に一本あり。所要2時間半
ただしお昼は便が減るので注意
ケリビアの街から遺跡までの直通の交通機関はなく、ケリビアからエル・ハウリア行きのバスに乗り途中の幹線道路から遺跡に曲がる道で降ろしてもらう
そこから歩いて2kmぐらい。標識があるのでその看板通りにまっすぐ行く
なおエル・ハウリア行きのバスは少ないので注意すること(9:45,11:00発)
ケリビアからタクシーを使うのも一つの手