渡り鳥の天国
それは厳しいアフリカ大陸に残る湿原
越冬のために訪れる鳥たちが集まる場所
はいはい、3日連続で早起きですよ。
何しろ、すべてチュニスから遠い場所にあるし。
交通機関が微妙に少ないというのも難点で。
あとは行き方が直通便がなく経由しないといけないという難点があるので。
行くのが大変なのですよ。
というわけで本日も6時起床の6時半出発です。
朝食はそんな時間に食事どころが開いているわけもなく、いつもと同じでヨーグルトと小さなパンだけです。
そしてメトロに乗って、北バスターミナルに向かいました。
本日行く場所は確実に直行便がなく、しかも曖昧な行き方しかわからなかったので。
最初は目的地から一番近い街へ向かうルアージュというバンのバスを探していたのですが。
ルアージュは人数が集まらないと出発しないので、いつ出発するかわからないのよりも確実に出発するバスで行くことにしました。
こちらは少し離れた街から乗り換えをしないといけないのですが、目的地の近くまで行ってくれるとのことなので。
まずはチュニジアのいちばん北の街ビゼルトへ向かいました。
このルートはチュニジアでも高速道路を走る道で、遠いわりには比較的早く到着しました。
そしてさっそく、次のバスを探すと。
とりあえずまだ到着してないから、ここに止まるバスを待てといわれて。
その辺をぶらついているとバスが到着しているではないですか。
ただまだ出発する様子はなく、バスの中で待っていました。
30分たってようやく、バスは出発して。
あらかじめ車掌に行って目的地で降ろしてもらうことに。
何しろ道の途中のわかれ道で降りないといけないから。
こうして周りは牧草地の中を進み、ようやく目的地に到着しました。
世界遺産「イシュケル国立公園」です。
鳥の楽園
そう呼ばれたイシュケウル。
それは北アフリカにおいて、鳥の生息に良い湿地帯という条件を残し渡り鳥にとって越冬するための重要な場所となったのです。
しかも乱開発が起こる北アフリカにおいてその自然が守られた場所でもありました。
それは王の狩猟地にイシュケウルが選ばれ、18世紀から250年もの間、チュニジアのフサイン王朝の領地になったのです。
王が狩猟する場所が結果的にその自然を残すということになりました。
鳥を殺して楽しむ場所が、その自然を残したという不思議な場所でもあります。
こうして近代においてチュニジアの開発を逃れたイシュケウルは冬には25万羽も訪れる鳥の楽園となったのです。
このためこの自然を後世に残し、渡り鳥の楽園を守るためにイシュケウルは世界遺産に登録されました。
しかし、その後のチュニジアの開発においてこのイシュケウルは大きな変化をしてしまいました。
ダムの建設などにより水量の変化、それに伴う越冬の鳥の減少
特に湖を覆うとされたフラミンゴですらあまりみられなくなってしまったのである。
そして危機にさらされた世界遺産へと登録されてしまったのです。
このイシュケウルはこの危機を乗り越えられるのか、まだまだ予断が許されない世界遺産となっています。
さて門をくぐったらそこは草原というか牧草地が広がる一本の道となっています。
あれ、いったいどこに博物館とかあるんだろうか。
とりあえずひたすら歩き始めました。
すると道の途中でここからイシュケウルの保護区という看板があるではないですか。
それに鉄柵まで。
確かにここからは牧草地という感じではなくて、少し緑が入った自然という感じがあり。
その先には山や湖までが存在するのです。
でも湿地という風景はなくて、またさらに進みました。
すると水路のような場所があり、その周りには湿原が広がっていて。
鳥たちがたくさんいるではないですか。
ただ越冬のオフシーズンに入っているためか、鳥の数は少なく、見える鳥も少ないといった印象です。
しかし大型の鳥や小型の鳥など様々な種類が確認でき。
周りは鳥のさえずりしか聞こえないという状態になるのです。
なんかインドの鳥類保護区と同じような風景ですよね。
あそこも周りには乾燥した台地が広がり、その場所だけ湿原がある状態でしたから。
このイシュケウルはイシュケウル湖の存在により周りが湿原になっているみたいで。
現在では夏だからなのか、湿原が少ない印象があります。
冬になったらもっと増水するのかも知れません。
こうしてさらにひたすら歩きつづけ。
というかどこまで歩いても博物館が見つからない。
結局、かなり遠くにあった山のふもとまで歩いてしまいました。
これで1時間以上歩いているのですが。
するとようやく公園の入口のゲートがあり、中に入ることができました。
でもここからもただひたすら歩きなんですけどね。
このイシュケウル国立公園はイシュケウル湖の中に小さな半島があり。
観光はその小さな半島からがメインになるみたいです。
特に半島は山になっていて、頂上から眺められるようになっているみたい。
とりあえず半島の付け根あたりが入口となっていて、そこから半島の先までひたすら歩けるようになっています。
すると先ほどの景色とはうってかわって、今度はイシュケウル湖に近づくにつれ、湿原が増えていくではないですか。
やがてあたりは一面湿原へ。
現在鳥がいないのはやはりオフシーズンだからでしょうかね。
もしオンシーズンになるとここにはフラミンゴで埋めつくされる風景を想像するとなんか驚きますよ。
あまり実感がないですが、アフリカ大陸にいるんだなって感じです。
日本とかアジアでフラミンゴなんて見たことないですからね。
そしてさらに半島を進むと、今度は完全に湖になり。
湖は透き通ったものではなく、淀んでいるという感じですが。
この方が栄養分が多くてプランクトンとか虫もたくさん来るのでしょうか。
だからこそここは鳥の楽園になったのかもしれないです。
こうしてある程度まで進むと、階段で山の上に登れるようになっていて。
そこから見る湖の姿は絶景です。
というか湖ってこんなに巨大だったんだと思い知らされますよ。
雨が降らないこの時期でさえ、これほどの水量があるイシュケウル湖。
特に驚くのは周りには水の水源がほとんどなく、ただ牧草地が広がる台地が続くってことです。
北アフリカはこのような風景が続いているのかもしれません。
だからこそ水のある場所は鳥にとって重要な場所になるのですね。
そして山の上に登ってみると、その反対側にもさらに大きな湖がみえて。
湖の中の半島ですから、反対側にも湖があるのが当たり前ですが。
あまりにも巨大な湖だったのでさらにびっくりしました。
これだけの巨大な湖が北アフリカに存在していて、今でも渡り鳥の住処となっているのはやはり素晴らしいというしかないです。
ちなみに、この山のところに博物館が存在していて。
そこに生息する鳥や渡ってくる鳥などの剥製が置かれています。
中はすごくせまいですが、どのような鳥が飛来するのかの模型は見ていてかなり楽しいものです。
というかなぜこんな所に博物館があるのかさっぱりわかりませんが。
ともかく、イシュケル国立公園はチュニジアの風景とは全く別の緑が多い場所なんだと実感できました。
もし観光する場合は車を使用した方がいいかもしれませんね。
こうして観光が終了して。
というか歩く時間も考えて、これ以上は回れないと判断。
2時間かけて歩いた道をひたすら戻りました。
すると途中でイシュケウルを観光していた人たちが車で通り。
なんと止まってくれて私を乗せてくれるというではないですか。
しかも公園入り口ではなくビゼルトの街まで。
もうこれはお言葉に甘えて乗せていただきましたよ。
2時間かけてあるいた道は10分もしないうちに過ぎ去り。
しかもその後ビゼルトまでの20分車に揺られながら進み続けました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
これで体力が少しでも温存できました。
3日連続で観光の帰りはほかの観光客にお世話になっています。
本当にありがとうございました。
こうしてビゼルトの街まで到着しましたが、中心地で降ろされたためにバスターミナルまでは歩いて。
地図がなかったので、どこにおろされたかわかりませんでしたが。
なんとか人に聞いて、辿り着きました。
バスターミナルですぐさまチュニス行きのバスに乗り。
あとは到着するまで景色を眺めていました。
が、が、なんと到着したのがチュニスのエアポート。
、、、、なぜ?
北バスターミナルではなくエアポートに到着してしまって、どうやって元の場所まで帰ればいいの?
とりあえずガイドブックに載っている方法で行こうかと思いましたが。
バス停がどこにあるかさっぱりわからず。
四苦八苦してしまいました。
挙句の果てにはタクシーを使おうかと悩むぐらい。
が、とりあえず空港の前でひたすらバスが到着するのを待って、ようやくバスが姿を現したら、だいぶ手前で止まってびっくり。
なるほどそちらにバス停があるのかとあわてて走ってバスに乗り込みました。
こうしてようやくチュニスの街に戻ってきましたよ。
すぐさまスーパーに行き、買い出しをして。
その後駅に向かい明日の移動の時間を調べました。
あとは宿に戻って疲れた体を休めましたよ。
3日連続で早起きをしていたのでほんとに疲れました。
先進国ではなくて発展途上国で毎日観光するってホントに大変なんですよ。
移動も結構困難で、すべてに気力を使うからです。
まあ明日は移動だけで明後日から再び3日連続で観光する予定ですけどね。
チュニジアは疲れる場所となりそうです。
さて夜はずっと日記を書いていました。
それ以外は何もせず。
疲れたので結局早めに寝ましたよ。
さて明日は、チュニジア中部に向かいます。
イシュケル(イシュケウル)へのアクセス
チュニス・北バスターミナルからビゼルトbizerteかマーテルmateurに向かう
ビゼルト行きだと30分に一便が存在する
どちらかのバスターミナルからそれぞれに向かうバスに乗ること。
ビゼルトからだったらマーテル行きのバスに乗る。(9時発がある)
すると途中の道にイシュケウルに向かう分かれ道があるのでそこで降ろしてもらう。
巨大な門があるので、簡単にわかるが車掌に言っておろしてもらうこと
ただその門からイシュケウルの入口までは6km以上あり、さらにそこから博物館までは3kmほどあるので注意すること。
もし歩けないという場合、イシュケウルの最寄りの街メンゼル・ブルギバmenzel bourghibaという場所で下車し、そこでタクシーをチャーターするのがお勧め。