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 【チュニジアの世界遺産

世界遺産「カイルアン」
2009.06.25
 
2009年6月25日    590日目


メッカ、メディナ、エルサレム

それはイスラム教の聖地

そしてここが第四の聖地、カイルアン


本日は目覚ましをかけて。

比較的早めに起床しました。

まあ6時起きなので、日本でもこれほど早く起きることはないのですが。

すぐさま荷物を整理して。

バスターミナルへ向かいました。

実はスースのバスターミナルはかなり遠い場所にあり。

歩いて行くにも20分以上かかるのですよね。

もちろん歩きましたけど。

ただ道は平らではなく、旧市街の一番高いところまで上がってそこから下ってという工程で。

なんかバスターミナルに到着するだけでも疲れましたよ。

でもようやくバスターミナルに到着した時に、目の前には目的地行きのバスが既に来ていて。

乗ってすぐに出発することができました。

こうしてバスに揺られること1時間。

スースの街から南西へ向かい、平原の中を進んでいきました。

すると突如現れる巨大な城壁。

これこそ世界遺産「カイルアン」なのです。

イスラム教の聖地

それはムハンマドの悟りを開いた場所、死んだ場所、魂が旅立った場所がイスラム教の聖地として人々から信仰されています。

それぞれ、メッカ、メディナ、エルサレムというイスラム教でも最も重要な場所とされているのです。

そしてこのカイルアンこそイスラム教にとっての第四の聖地

北アフリカにイスラム教を広めた重要な聖地なのです。

イスラム教が生まれてから、爆発的にその信者を集めてきた宗教。

それはやがてアフリカ大陸まで伸びてきました。

そして、マグレブ地方と呼ばれる、チュニジア、アルジェリア、モロッコまでその信仰心が広まり。

この地に最初のモスクが建設されたのです。

その場所こそカイルアン。

7世紀にはじまったこの町の歴史は、それ以降この地方のイスラム布教において重要な位置を占める場所となったのです。

こうしてその後もイスラム教の支配が続き、この地は北アフリカ最古のモスクを有する聖地へと変貌したのです。

また交易都市としても発展し、ここには様々な権力が集められたのです。

聖地カイルアン

それはイスラム教においてなくてはならない場所として、そして北アフリカにおいて最初のモスクとして世界遺産に登録されました。

城壁が見えたところでバスを降りて。

近くの入口まで歩きました。

でもびっくりするのがその城壁の高さとその堅牢さ。

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えっと、これほど巨大な城壁を見るのもそんなに数多くなく。

スースやチュニスよりも堅牢なのが見て取れます。

それだけここは重要な場所だったということでしょうか。

そして最初に向かったのはカイルアンのグランド・モスクです。

これこそ北アフリカ最古のモスク。

7世紀に当時の王様によって作られたモスクなのです。

その後さまざまな増改築を繰り返し、9世紀に再建されその後あまり変化がないモスク。

当時の姿をこれほど残しているモスクも珍しいのです。

だからこそイスラム教の第四の聖地のモスクになるのですが。

さて外見から見るとまるで要塞です。

土というかレンガというかそんな色がそびえたつ場所。

周りから見ても一切モスクとはわからない原型になっています。

しかし内部に入るとそこにはモスクの特徴である巨大な中庭が存在し。

その周りは柱が乱立する回廊が周りを覆っているのです。

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北側には巨大な塔が存在し。

まるで旧市街に見守っているように鎮座しているのです。

さらにびっくりするのがこの中庭の床が大理石でつくられていること。

一見すると普通のモスクにみえるのですが、外壁はすべて土色をしているのに対し、床と柱だけは大理石でおおわれているのです。

特に柱はびっくりすることにイスラムではなくローマ建築の柱になっています。

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イスラム教では使われない装飾がここにはあり。

建築資材をどこかのローマ遺跡から運んできたのが一目瞭然に分かるのですよ。

やはり北アフリカは古代ローマに支配されていて、その後イスラム教がこの地を征服した歴史が遺跡から感じ取れます。

それにしても何よりすごいのは中庭の床は平らではなく、中央に向かって傾斜があり。

そのど真ん中には穴が存在します。

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これこそ、この地方特有の水の確保のための技術が集約されていて。

穴から地下へと水がたまるようになっていて。

モスクの一部分からそれを取り出せるようになっているのです。

これほどの建築を作ったのが約9世紀というのだからすごい限りです。

もちろんモスクですから、メッカを向く方には人々が拝む場所が存在し。

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そこはイスラム教以外立ち入り禁止になっています。

もちろんメッカの方向を射すミフラーブと呼ばれる場所も存在し。

これに向かい数世紀にもわたって拝んでいたのでしょうね。

もちろん人々が拝む場所にはゴザが引かれており、柱までそのゴザが敷かれていました。

ここで足元がないぐらい人々が集まり拝んでいたのでしょうね。

さてモスクの観光が終了してから、旧市街の中を歩いてみました。

びっくりすることが、なんと城壁の色とはうってかわって、白と青の街並みが続いているのです。

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これはまるでエーゲ海の街を見ているかの様です。

もちろんそれ以外の色も存在するのですが、ほとんどの建物がそれに統一されていて。

ここがアフリカだということを忘れてしまいそうです。

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通りはやはり旧市街というだけあってすごくせまくて。

人とか動物ぐらいしか歩けないようになっています。

しかも道は複雑になっていて、まるで迷子になってくれというばかりに。

旧市街の構造はあまり変わってないですね。

ただカイルアンの旧市街は街は大きいのに商店の数が少ないことにびっくりします。

ほとんどが人が住んでいる家で、メインの通りぐらいしか商店が並んでないんですよね。

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ただカーペットが多く売られており、きっとこの地方の特有なものなのでしょうか。

他にはほとんど、チュニジアのバザールで見れるものでした。

さてメディナの中を回って、向かったのはガリアーニ廟です。

ここでは昔の家の中を見ることができて。

外見は特に何もない普通の家なのですが、内部に入ってびっくりするタイルの装飾の豪華さ。

壁一面、タイルの鮮やかさと漆喰の文様の彫刻の素晴らしさが目に入るのです。

しかも柱を支えている上の部分の装飾が、白と黒のコントラストが目に入り。

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これはアンダルシア地方の特有の装飾で。

スペインからここまで文化の交流があったということですよね。

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これと同じものをブルガリアでも見ましたよ。

さてその後は旧市街を後にして、その周辺にある遺跡を見に行きました。

向かったのはシヒ・サハブ霊廟です。

イスラム教の聖人、アブ・ザマ・エル・ベラヴィが眠る霊廟でありマグレブでもっとも美しい霊廟と呼ばれる場所です。

さっそく向かってみると、外見は普通の建物のようになっています。

なぜこれが美しいと呼ばれているかさっぱりわからないぐらい。

しかし、中に入ってしまうとそのすごさに驚かされます。

最初は中庭に出て、目の前には小さな塔とその中に入る入口が見えてきて。

そこを進むと、まるで別世界につながっているような場所に出ます。

周りはすべてタイルに囲まれていて。

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タイルの上部には漆喰の複雑な文様が描かれている場所へとつながっているのです。

その先も室内でシャンゼリゼがぶら下がっている、タイルの鮮やかさに目が魅かれる場所に出るのです。

もちろん上部は漆喰の文様が描かれていて。

外見からは想像ができない部屋が存在するのです。

その先も小さな中庭が広がっていて、その周りもタイルと文様に囲まれているのですよ。

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ほんとに別世界に迷い込んだかの様です。

さらに先には聖人のお墓があるのですが、ここから先はイスラム教しか入ることができないので。

ほんとにシディ・サハブ霊廟は一度は見る価値のある場所でした。

さてこうしてさらに進みアグラブ朝の貯水池に向かいました。

この地方は慢性的な水不足に悩まされていて、それを解決するために遠くの水源から水を引きこの貯水池にためるという巨大な貯水槽が存在するのです。

しかも建てられたのは9世紀。

それ以来ここには巨大な貯水池がここを支えていたのです。

そこに向かってみると驚くのは巨大な円形の水槽が2つあること。

しかも雪だるまみたいになっていて計4つの貯水池が並んでいるのです。

小さいほうはろ過装置に使われたようで、メインはこの巨大な方なのですが。

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あまりにも巨大すぎて写真が撮れないぐらいなのです。

しかももともとはこれがもっとあったというのですから。

今では使われてないようですが、これだけの規模があれば当時の人たちには十分すぎるほどの水があったのでしょうね。

これほどの技術があったなんて脱帽です。

さてこうして街を回っていましたが、暑い。

今日は異様に暑い気がするんですが。

もう灼熱の地獄にいる感じで。

このため本日の観光も限界ですよ。

とりあえず、みるべきところはすべて回ったので。

すぐさま、バスターミナルへ向かいました。

ほんとに暑くて日射病になるかもと思ってしまったぐらいです。

こうしてようやくバスターミナルへ到着して。

さっそくスース行きのバスに乗ったのですが。

出発まで30分間以上バスに乗っていて、しかもクーラーなんかはなく。

汗が滴り落ちるぐらいの暑さでしたよ。

何でこんなに急に暑くなったのか不思議なぐらい。

暑さに弱い私としてはほんとに大変です。

こうしてようやくバスが出発してから。

あとはスースにつくまでゆったりと音楽を聞いていました。

移動の際は基本的に音楽を聞いていますからね。

昔はCDプレイヤーを持ってきて、大量のCDを持ってくるのが旅のスタイルでしたが。

今ではそんな重いの持ってくることもなく、パソコンとMP3プレイヤーさえあればいくらでも音楽が聴くことができるので。

しかも最近聞いているのはラジオですけどね。

ダウンロードして最新のものまで聴けるようになっています。

ほんとに時代は変わるものですね。

なんら日本にいるときと変わらないような感じになってきます。

ネットがあれば簡単に日本の状況を知ることができますから。

こうしてスースに到着してからはすぐに宿に戻り。

写真の整理をしていました。

そして再び外にでて夕食と明日の買い出し分の買って。

何しろ、明日は金曜日なのでスーパーが休みになる可能性がありましたから。

とりあえず明日分までしっかり買い込みました。

そして夜はいつもながら日記です。

しかも明日は比較的遅く起床してもいいのでのんびり書いていましたがね。

さて明日も世界遺産の観光です。




カイルアン(ケルアン)へのアクセス
スースの旧市街から南西2kmにあるバスターミナルからカイルアン行きのバスに乗る。
1時間に1~2便ほどある。
バスターミナルへはタクシーで行くのが便利だが、もし歩く場合は旧市街のカスパから分かれている道の南西に向かう道をまっすぐ行き10分歩いたところの左手にバスターミナルがある。
カイルアンに到着した場合、旧市街を経由していくがバスターミナルはカイルアンの街から離れた場所にあり、カイルアンの旧市街の北西のシディ・サハブ廟の西に向かう通りに到着する。