2009年6月26日 591日目
古代ローマ帝国の闘技場
世界でも3番目に大きく
そして最も保存状態が良い遺跡
なんか早起きをしてしまった。
そんなに早く起きなくてもいいんだけど。
昨日突然寝てしまって電気つけっぱなしで寝てしまったんだよね。
目覚ましがなる前に起きたのでゆっくりと観光の準備を整えて
時間になったので宿を出発しました。
まあまずは本日一泊延長を告げてお金を払ったのですが。
もともと3泊としか言ってなかったから
スースに来た初日に観光が出来れば、3泊で済むと思ったので。
でも結局4泊になってしまいました。
さて宿の延長ができたのですぐにスースの駅に向かいました。
本日向かうのはエル・ジェムという街でバスと列車のどちらでも移動できるのですが。
列車の方が街の中心部に駅があるためにアクセスが楽なんですよね。
このために列車の時間も調べておいたので。
駅に到着してからすぐにチケットを購入して列車に乗り込みました。
列車はびっくりするほど混んでいて、早く乗ったからいいものを下手したら立ちっぱなしになるところでした。
危ない、危ない。
こうしてスースの街を出発して1時間。
ようやく世界遺産「エル・ジェムの円形闘技場」のある場所へ辿りつきました。
ローマ帝国
それは地中海沿岸すべてを支配した国家。
歴史の中でも最も重要な国のひとつなのです。
そんなローマ帝国は国を滅亡させないように市民の娯楽を提供しました。
それこそ闘技場です。
市民はこの闘技場で戦士と猛獣、もしくは奴隷同士の殺し合いをみてその欲求不満を解消させたのでした。
こうしてかつてのローマ帝国には様々な闘技場が残されることになりました。
それは小さな町であっても建設されたのです。
このためチュニジアの中でも25個もの闘技場が作られました。
そんな中このエル・ジェムに残る円形の闘技場はローマ帝国においても3番目に巨大な闘技場が建設されたのです。
もともとエル・ジェムの街はオリーブオイルで繁栄した街でした。
1世紀には人口は4万人を超え、この地方では大きな街へとなったのです。
これらの人口を収めるべく闘技場の建設は開始されました。
こうして完成したのは収容人数35000人を誇る巨大な建物だったのです。
しかしこのエル・ジェムの闘技場が有名になるのはその後の保管状況にありました。
一時期この闘技場は城の役割をしベルベル人が立てこもったといわれています。
しかしそんな中でも、この闘技場は壊されることなく現在ローマのコロッセオとともに現存する三層の闘技場となっているのです。
また保存状況だけでいえばローマのコロッセオよりきれいに残されており現在でも観客席の一部が残されています。
こうしてローマ帝国の闘技場建設の重要な一つとしてまたそれを鮮明に伝える場所として世界遺産に登録されました。
エル・ジェムの駅を降りてみると街の先に巨大な壁があるように見えます。
まるでそれは天高くそびえる壁のように
というか、エル・ジェムの街自体がそんなに大きいものではないので、明らかにこの建造物は異質です。
昔ここが繁栄していたという面影がほとんどないぐらいに。
しかしその繁栄ぶりは目の前にある闘技場が示してくれました。
小さな町に突然現れる巨大な建造物。
遠くからだとそれが円形とは気づきませんでしたが近づいてようやく円形闘技場だと気が付きますよ。
それにしても近づけば近づくほどその巨大さに驚かされます。
イタリアで見たコロッセオはもっと巨大でしたがそれは大都市で見た時にも確かに大きかったのですが。
こちらは小さな町に存在し、似ても似つかぬような風景の場所にあるためにその大きさが余計巨大に感じるのです。
アーチの重なる三層の壁。
さっそくその中に入ってみることにしました。
いくつもあるアーチの中をくぐり、さらに先に進むとそこには巨大な空間が。
楕円形の舞台に、その周りを観客席で囲まれている闘技場が姿を現すのです。
最初見て驚くのは舞台がそのまま残されている点にあります。
コロッセオの舞台は地下部分が崩落しておりほとんど原形をとどめてなかったのに対して。
こちらは闘技場としての機能がいまだに失われていないのです。
何よりまだ片側だけですが観客席が残されているのも驚きですよ。
だってこの観客席、アーチを積み重ねた上に作られているのですから。
ローマのコロッセオですらもう一つも観客席が残されていないというのに。
その自重で長年の月日に耐えられない観客席がいまだに残されているのです。
観客席は大理石でつくられており、入口によってどの区画に分けられるか大理石の小さな壁まで作られています。
きっと前に行けばいくほど貴族が座ったのでしょうか。
現在残るのはバックスタンドのいちばん手前部分だけなのですが。
それでも闘技場において観客席を見ることができるなんてびっくりしました。
もちろんそれ以外の観客席は全くと言っていいほど残されておらず。
観客席を支えたアーチだけが残されているだけなのです。
何より正面部分は三層のアーチがしっかり残されており。
当時の観客席がかなり高い部分まで存在したことを示しています。
一番上から見ると下の人間はほんとに小さく見えてしまうのですが。
それだけすごい高さに作られていたのですね。
さっそく三層一番上まで行くと円形闘技場がどのような構造かがわかるようになっていて。
楕円の闘技場にそれを囲むようにアーチの建造物で斜面を作っています。
もちろんアーチの中にはいくつかの通路が存在していて。
その通路を移動できるようになっているのです。
その通路には幾つもの階段が設置されていて、決められた観客席へ行くための階段だったようです。
アーチもところどころ崩れている部分があったり、しっかり残されている部分などまちまちで。
特に観客席が残されている後ろのアーチはほとんど壊滅的に壊されていて、逆に観客席が残っていない方が外郭部分がしっかり残されているというのも不思議な感じがしますが。
人々はここから闘技場で行われる決闘をかたずをのんで見守っていたのでしょうか。
よくぞまあ千数百年の歳月がたってもこれだけのものが残されていますよ。
さて再び闘技場に戻ってきてみるとなんと地下につながる階段が何箇所かあることに気が付き。
その中に入ってみると闘技場を十字の形に進む地下道が存在しました。
ここにはいくつかの部屋がつくられていて、一部分は上が闘技場とつながっています。
この地下道こそ決闘するものの控え室というか、閉じ込められていた場所なのです。
猛獣とかもここに入れられて、奴隷とかの決闘もここで控えていたのです。
このためこの地下道から突然舞台へ姿を現す仕組みになっていたのでしょう。
今ではその設備は残されていないのですが、当時はその設備も作られていたのでしょうね。
もしできることならば完成当時の闘技場を見てみたいものです。
こうして闘技場の観光が終了して。
続いてはエル・ジェムの博物館へ行ってきました。
ここは昔は巨大なローマ都市だったためにたくさんの家の跡とモザイク画が残されているのです
博物館の中に入るとそれはもうびっくりするほどの巨大なモザイク画が展示されています。
今までこれほど巨大なものは見たことないぐらいに。
というかこのモザイク画を作るのだけでもすごい労力なんですが。
これだけの巨大なモザイクはどこに飾ってあったのでしょうか。
ローマ帝国のモザイクというと基本的には床に使用されていたので。
これは床に作られたモザイクだったのでしょうか。
それにしてもモザイク画がかなり細かく作られていて見ているものの目を惹きつけるかの様です。
まるで絵画のようですね。
この博物館にはローマ時代の家も残されていて。
当時の家の仕組みがすぐにわかるようになっています。
いたるところの床がモザイクですごくびっくりしますよ。
ぜひ一度見てみてはいかがでしょうか。
こうして観光が終了して。
というか列車の時間に合わせて観光を終了させました。
実際にエル・ジェムには円形闘技場しかないから観光もすぐ終わるのですよね。
しかも列車の時間が12時発の次は19時ぐらいなので。
どうしてもお昼発の便に乗らないといけなかったのです。
こうしてエル・ジェムの駅に戻ってきて。
スース行きの列車に乗り込みました。
こちらもすごい人が乗っていて危うく席に座れないところでした。
こうしてスースの街に戻ってきてから、すぐに宿に行くのはまだ早いような気がして。
スースのビーチを見に行くことにしました。
スースの街に滞在しながら海を眺めに行ってなかったので。
そしてスースのビーチを見てみるとそこは白い砂浜に透き通った青い海があるではないですか。
なるほど、ここはビーチで有名になるわけです。
ただ泳ぎませんし、近づきもしなかったですけどね。
遠くから見て終了です。
私の宿には泳いで帰れるという感じの近さのホテルではないし。
何より美しいビーチは何度か見ていて泳いだこともあるので。
目の前の遺跡の方が重要という私ですからね。
こうして宿に戻ってきたあとは写真の整理に没頭していました。
これが予想以上に時間がかかりましたけどね。
その後はいつも通り日記を書いていました。
さて明日はうまくいけばチュニジアを脱出してイタリア行きの船に乗りたいと思います。
何しろチュニジアの世界遺産はすべて見たので。
その後はシチリア島を回りマルタに入ろうと思っています。
何しろ世界遺産見学の予約はとったので。
マルタには予約をしないと見れない世界遺産というものが存在しますから。
さて明日は大変な一日となるでしょう。
エル・ジェムへのアクセス
スースからはバスと列車の便が存在する。
列車は一日に数便しかないが8時発に乗りエルジェム12時発(これを逃すと夜になる)に乗ると都合がよい
バスの場合はスースの南西にあるバスターミナルへ行ってからエムジェム行きに乗る
バスも便が少ないので注意すること。
チュニスからも直通の列車があるが、ほとんどはスースを経由する