--SITE OF SCAFFOLD--
世界一番に繁栄した王国
しかしこの王国には影の部分があった。
権力争いに負けた者たちが運ばれた場所。
二度と出てこれない牢獄が首都に存在した
ロンドン塔 イギリス
イギリス。
正式名称「グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国」
名の通りイギリスとは連合王国。
4つの王国がこのイギリスには存在している。
ロンドンなどの主要都市を抱え込む、イングランド。
イングランドの最大のライバル、スコットランド。
島の西中央部によこたわる、ウェールズ。
3国とは違う島にある、北部アイルランド。
このすべての国が協力し合って併合することによって一つの国家を成り立たせているのである。
このため、イギリスの国旗は各国の旗を組み合わせて作られている。
こんなイギリスにちゃんとした国家が誕生したのは11世紀。
もともとあった王国にノルマン人が侵略してきたことにはじまる。
ノルマンディー公ウィリアム1世がこの地を征服するのが1066年。
そしてウィリアム1世がもともといた市民を威圧するためにひとつの砦を築く。
それは簡素な木造建築であったが、その後再建され立派な石組で作られた塔へと変貌していく。
その場所こそロンドン塔である。
当時は戦争の絶えない時代であった。
このためロンドン塔は城壁を兼ね備えた王宮として造られた。
その後は増改築を繰り返し、現在の姿をとどめている。

しかし、このロンドン塔とは当初の王宮の役割ではなく違う役割として存在することになる。
それこそ、壮大な権力をもった国の裏の出来事を行うための。
15世紀付近からロンドン塔の意味合いが一気に変わっていく。
それまではロンドン塔は王様のための宮殿であった。
しかし当時の国王ヘンリ8世は王宮の機能のすべてをウェストミンスター宮殿へと移動させる。
このため、ロンドン塔には人があまりいない状態となった。
このとき、絶対王政を確立し、イギリスの確固たる繁栄を導き出し始めたヘンリ8世はある悩みを抱えていた。
それは世継が生まれなかったこと。
このため最初の王妃キャサリンと離婚を決意する。
しかし、当時のキリスト教カトリックは離婚を禁止していた。
そこでヘンリ8世はあることを決断する。
カトリックからの脱却である。
ヘンリ8世は自分を神の近い存在である「イギリス国教会」を創立させる。
こうして、彼は正式に離婚をし2番目の王妃アンと結婚するのであった。
しかし、ここから悲劇が始まる。
ヘンリ8世とアンの間には女の子しか生まれなかったのである。
これに怒ったヘンリ8世は彼女を姦通罪と称してロンドン塔に幽閉させるのであった。
そしてアンに下った判決は「死刑」
ロンドン塔の中にある中庭に囚人専用の斬首台が作られ、そこに連行された。
アンの願いにより斧から剣によって首を切られることになる。
彼女は29歳という短い生涯をこのロンドン塔で終えたのであった。
「SITE OF SCAFFOLD」

現在でもロンドン塔の中にはこのようなパネルが設置されている。
この場所こそアンが処刑された場所でもあった。
その後、ここにまた一人女性が運ばれてくる。
アンの子供「エリザベス」
彼女はヘンリ8世亡きあと権力争いに巻き込まれていた。
そして権力を握ったのはメアリ女王。
エリザベスの異母姉に当たるメアリは自分の権力をエリザベスが狙っているとの噂によりエリザベスを母と同じくロンドン塔へ送ったのである。
エリザベスは自分は無実だと訴え続けた。
その後、エリザベスは無実を認められ解放される。
そして突然メアリ国王がなくなりエリザベスが新たな国王として君臨し続けることとなった。
このエリザベスこそイギリスを世界の確固たる地位まで押し上げた「エリザベス1世」
スペインの無敵艦隊を滅ぼし、世界のほとんどを植民地にさせるという偉業を行った女帝。
しかし彼女は最後まで結婚することはなかった。
それは権力争いを極力避けるためであった。
もう、無実の人が死なないようにと。
現在、ロンドン塔はイギリスの光と闇の証がすべて残されている。
世界最大のダイヤモンドを乗せた杖。
豪華絢爛に作られ2800個の宝石をちりばめた王冠。
中世の武力、甲冑や盾などを所蔵する武器庫。
王族の結婚式を行った教会。
反逆者が閉じ込められた牢獄。
その反逆者に口を割らせるための拷問。
そしてアン王妃が処刑された処刑場所。
すべてはイギリスに残る歴史の足跡。
明るい場所には必ず暗い影が残っているのである。
ロンドン塔はイギリス王家の力の象徴として、また11世紀に発達したノルマン様式の見事な例として1988年世界遺産に登録された。
この場所は無実の罪で処刑されたアンの幽霊を見たものが後を絶えない。
はい、イギリスにチャレンジしてみました。
イギリスは歴史が深くて書くのが大変です。
ロンドン塔だけではすべて書ききれません。
ほかの場所とともにもう少し書こうと思ってます。
それにしても、ここにあった王冠すごかった。
あんな大きい宝石ってあるんですね。
530カラットらしい。。。