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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学112--特殊な世界遺産Vol.19--
2000.12.30
 
世界遺産雑学112

特殊な世界遺産Vol.19
「港」

--大英帝国繁栄を支えた海の街--

大航海時代
大英帝国は植民地として世界の半分を征服した
そんな帝国の繁栄に一役かった場所
海に抱かれた海運都市


リヴァプール海商都市  イギリス

イギリス中央部。
アイリッシュ海に面した、イギリスの有名な都市リヴァプール。
この場所にはサッカープレミアリーグの強豪がいることでも有名。
さらにこの地は世界で一番感動を与えたアーティストが生まれた場所。
20世紀の音楽を席巻したと言っていいほどの。
そのアーティストこそ
「ビートルズ」
彼らはこの港町で育ったのであった。
こんなリヴァプールは大航海時代大きな繁栄をもたらした。
それこそ「海の商売」である。

時は15世紀。
世界の目は海に向かっていた時代。
その大きな原動力になったのは、スペイン・エンリケ航海王子。
彼は様々な学者、天文学者を集め航海を推奨。
この出来事により航海する人々が増えたのであった。
そしてその後、バスコ・ダ・ガマの喜望峰発見。
コロンブスの新大陸到着。
マゼランとその部下による世界一周など。
世界の出来事が大きく変わったのであった。

そうして時代が過ぎ18~19世紀になると一つの国が世界を支配するようになる。
この国こそ「イギリス」である。
もともと、大航海時代を牽引してきたのはスペインであった。
このため世界を支配したのはスペインと思われた。
しかし、エリザベス1世時代にイギリスはスペインの無敵艦隊を撃破。
一躍、世界の海の覇者へと躍り出たのであった。
こうしてイギリスは世界の半分の土地を植民地にする。

こんな植民地化が進んだ時代に栄えたのがリヴァプールである。
自国に植民地ができると民衆はどうするか?
それは植民地への移民をしようとする。
植民地で産業を起こせば一躍お金持ちになれるからであった。
しかも迫害されることはなく、植民地の人間を簡単に操れるためでもある。
こうして移民を求めた人たちがリヴァプールへ押し寄せた。
彼らはこの場所から新天地へと旅立ったのである。
また、植民地の労働力が足りなくなった場合他国から労働力を集めるためにも使われた。
奴隷もこの場所から地獄へ旅立ったのである。

現在、リヴァプールでは6つの地区が世界遺産に登録されている。
移民や奴隷を輸送するための船を作った造船所と事務所がある、ヘッド桟橋地域。
輸送するためのものを保管する倉庫や港湾施設がある、アルバート造船管理区とスタンレー造船管理区。
商業の中心であった、デューク通りの商業地区。
昔からの街並みを補完し、新古典様式の建物が立ち並ぶ、旧市街とウィリアム・ブラン通りの文化地区。
これらはすべて新大陸にかかわった場所。
イギリスの繁栄をこの場所から支えていたのである。


海商都市リヴァプールは港湾システムや造船技術において世界で大きな影響を与えた場所として2004年世界遺産に登録された。
1807年に奴隷禁止令が出るその日まで、この街は期待と絶望感に満ちた場所であった。




珍しい世界遺産ですね。
倉庫が世界遺産なんですよ!!
さらに造船事務所とかも世界遺産。
港湾システムが素晴らしいってどうやってそれを見ればいいんだろう。
見たらわかるのかな??