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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学113--特殊な世界遺産Vol.20--
2000.12.30
 
世界遺産雑学113

特殊な世界遺産Vol.20
「植物学、植物園」

--テムズ河畔に集められた植物--

たくさんの花が咲き誇る
そして南国の植物が植えられている
ここには世界各国の植物が集められた場所
世界最大の植物園


キューの王宮植物園  イギリス

イギリス、ロンドン郊外
地下鉄ディストリクト線の先にあるのがこのキューの王宮植物園。
総面積1.32km2。
この敷地内には様々な建物が存在する。
そしてその建物内には世界各国のありとあらゆる植物が集められている。
その数4万種。
ではなぜ、この場所にこれほどの植物が集められたのか。
その歴史を探ってみよう。

キューガーデンの歴史は17世紀にさかのぼる。
当時の領主ケープル卿が趣味で熱帯植物を庭に飾ったことからキューガーデンが始まった。
その後この場所には王族の目に留まることになった。
1759年には当時の国王ジョージ3世の母プリンセス・オーガスタによって拡張される。
そしてその建設の指揮をとったのがウィリアム・チェンバーズ。
彼はこの庭に宮殿や並木道、人造の池や湖まで建設する。
その中でもひときわ目を引くのがパゴタ。
中国のパゴタを参考として庭園を上から眺めるような建設をしたのであった。
現在でもこのパゴタは園内の中心にそびえている。

そして、その後もこの植物園はさらに拡張される。
現在一番キューガーデンの見どころとなっているのは巨大な温室。
この巨大な温室はヴィクトリア女王時代に建設された。
温室が完成すると南国にある植物をここに植えるようになる。
さまざまな気候を再現できるようになったためだ。

しかし、ここで一つの疑問がわく。
なぜここまで大量の植物を集めることができたのか?
それはやはりイギリスという国家であったがため。
18世紀は大航海のほとんど終わりを迎えた時期。
この時代になると世界のさまざまな場所へ探検をするものが増えてきた。
特にイギリスはスペインの無敵艦隊を破り海の覇権を握っていた。
そんな中イギリスに一人の男が現れる。
「キャプテン・クック」である。
彼は太平洋のさまざまな島をめぐる。
イースター島を世界に広めたのも彼であった。
そんなクックに憧れを抱いてイギリス冒険家が様々な地へと赴くことになる。
そしてコレクションとして様々な植物がイギリスへともたらされた。
ちなみにガラパゴスの種の起源を発表したダーウィンもイギリス人。
世界のすべてをイギリスへと持ち込まれた歴史がここにはある。

現在、キューの王立植物園は植えられている植物の数が4万種。
標本とされている植物は700万点以上。
四季を通じて様々な花が咲き、園内をにぎわせているのである。
そんな植物の中において220年もの前から成長し続け世界最古の植木鉢と呼ばれている植物も存在する。
ここはまさに植物の研究にはうってつけの場所であった。
このためキューガーデンには図書館や研究所、学校など様々な研究機関が存在する。
植物学の殿堂とも呼ばれているのであった。


キューにある王宮植物園は世界最大の植物園として世界の植物園の模範ともなり、植物研究において多大な影響を与えたとして2003年世界遺産に登録された。
植物という観点からも大英帝国の繁栄が見てとれるのである。




どうでしたでしょうか?
植物園の世界遺産!!
こんな世界遺産があることにびっくりしたのではないでしょうか?
僕もびっくりしましたよ。
世界遺産とは守っていかなければならないところ。
植物園も例外ではないんですね!!