TOP > ひさほゆうのリアルタイム世界遺産旅行ブログ

カテゴリー
ひさほゆうが独自の視点で世界遺産を解説!
最新コメント

 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学115--巨石群に秘められた誰も解けない謎--
2000.12.30
 
世界遺産雑学115

--巨石群に秘められた誰も解けない謎--

見渡す限り草原地帯
地平線から風が吹き流れる
そんな場所にひとつだけ風の流れを遮るものがあった。
円形に囲まれた巨石群


ストーンヘンジ、エーヴベリーの巨石遺跡  イギリス

イギリス南部、ソールズベリー近郊。
ここは360度地平線が見える草原。
見渡す限り視界を遮るものがない。
しかし、この場所には謎の巨石が存在した。
円形の中に馬蹄型に組まれた巨石
重さ25tにもなる巨石がたくさん配置されている。
すべてが謎の巨石群。


ストーンヘンジは今まで謎の建物とされていた。
8世紀には「魔法でアイルランドから石を持ち込み運ばれた」
17世紀には「古代ローマ人の神殿」
18世紀には「ケルト民族の神殿」
などなど、さまざまな憶測が伝えられている。
すべては空想の中での予想であった。
こんなストーンヘンジの概要が見えてきたのはつい最近のこと。
科学という分野が進歩し、作られた年代が測定されたことに始まる。

こうして調べられた結果、ストーンヘンジが建てられたのは紀元前2400年~紀元前1600年頃。
それはちょうどエジプトのピラミッド建設の時期と重なる。
しかし、エジプトでは文明が発達しており巨大な権力も存在しているのに対してイギリスでは大きな文明はなかったとされる時代。
権力を持った人でも限界があった。

さらに科学の発展によりわかったこと。
ストーンヘンジの石が38km離れたマールボローの岩から切り出されたこと。
一つ25tもの重さを誇る石が38kmも運ばれたという事実。
これは600人の労働力があってやっと1年かけて運ぶことを意味していた。
しかもそれが30個以上。
相当な労働力を必要としたのであった。

また、ストーンヘンジの地に石を運んだ後にも待ち構えていた難関。
組み立てである。
まず、25tもある石を建てるという作業が待っていた。
立てる場所に溝を掘り、溝に石の先端を入れながら立てるという手法。
それでも、テコの原理を使ってわずか数十センチ持ち上げるということを繰り返したのである。
そして一番の謎としてあげられるのが、その建てた石の上に屋根のようにまた石が置いてあること。
建てた石は6mにも達し、そこに7tもある巨石を積み上げる。
クレーンもなかった時代に、どのように行ったか。
現在でも推定でしかないが石の下にテコの原理を使って持ち上げ、棒を差し込みそれを繰り返すことにより石の下にやぐらを作っていくというもの。
気の遠くなるような作業である。

では、なぜこのような巨石が並べられたのか?
実はこれもいまだに謎のまま。
南東にある立石の間から夏至の日の出が昇るということから天体観測をしていたという説。
先史時代の祭祀を行うため作られたという説。
そして最近出てきた説が宗教の劇場ではないかという説。
というのも、実は作られた当時のストーンヘンジを復元してみると驚くべきことに中央から音楽を流すと外周の巨石によって音が漏れださないのである。
さらに、中には音が反射して一段と大音量に聞こえる仕組み。
このことから、宗教の儀式を音楽とともに行い、それを信仰するものは外からはほとんどわからないが、中に入った瞬間に突然の音楽が流れる。
そこに神秘性を持たせて当時の宗教を信じさせたのではないかという説である。

しかし、どの説もいまだに推定のまま。
また、建設方法、建設者、労働力などすべてが謎のまま。
はたしてそれだけの文明があったのかも分かっていないのが現状である。
文字が残っていない巨石だけにすべては謎のまま終わってしまう。
すべてがわかることは永遠にないのである。


ストーンヘンジに残る巨石群はヨーロッパにおける巨石の中でも最高傑作であり、エーヴベリーに残る巨石群はヨーロッパ最大規模であることから1986年世界遺産に登録された。
何も語らない石が示すものとはなんだったのだろうか。




ほんと、ここはすべてが謎。
だからこそみんな行ってみたいのかもしれませんね。
イギリスにはいったけど、ここには行けなかった。。
今度は絶対いきますね!!
平原の中にぽつんと立った巨石。
たのしみです!!