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 【[雑学]アメリカ・カナダ

世界遺産雑学134--世界初の国立公園--
2000.12.30
 
世界遺産雑学134

--世界初の国立公園--

巨大な水蒸気が舞い上がる
そこは昔より霊気が満ちている場所
誰も近づかない場所はそのままの自然が保管されている
地球の息吹が作り出した奇跡


イエローストーン国立公園  アメリカ

アメリカ合衆国、西中部。
ワイオミング州、モンタナ州、アイダホ州に囲まれた場所にイエローストーン国立公園は存在する。
その広さ8983km2。
それは四国の半分の広さに匹敵する、広大な国立公園。
この国立公園には地球のさまざまな自然現象が見ることができる。
特にひときわ際立っているのが間欠泉。
世界の1/4にわたる間欠泉がすべてこの場所に存在する。
また、ここは世界で初めての国立公園となった場所。
それはこの場所が誰も踏み入れることのなかった未開の場所だったため。
あらゆる自然が残された場所に誰も手を加えるようなことができない処置。
すべては原住民の言葉によって守られたのである。


イエローストーン。
この場所が世界で有名になったのが実は150年前というつい最近のこと。
それまではこの地に赴くものはほとんどいなかった。
というのもそれには理由があった。
原住民の忠告である。
「あの地には霊気が満ちており、近づくことはできない。避けて通った方が良い」
現に、19世紀初頭アメリカでは自国の土地を探検するものが増えた。
そして、アメリカのさまざまな地へ赴いたのである。
しかし、この場所だけは原住民の言葉があり近づこうとはしなかったのである。
ただ、この原住民の忠告を無視してイエローストーンに探検に行った一つの探検家がいた。
ジョン・コルスターである。
彼はそこで、高温の水蒸気が舞い上がる間欠群を発見する。
このため霊気が間欠泉の水蒸気という事実まで突き止め意気揚揚と戻ってきた。
しかし、誰ひとり彼の言葉を信じなかったのである。
探検家たちはロッキー山脈の中で誰ひとりそんな風景を見たことがなかったためであった。
山脈の中にそんな風景があるわけがないと、コルスターをうそつき扱いにしたのである。

そんな中、ロッキー山脈では一つの出来事があった。
ゴールドラッシュの到来である。
民衆が金を求めてロッキー山脈へと向かったのであった。
こうして、ロッキー山脈に人があふれるようになると再びコルスターのほら話と全く同じ話が聞かれるようになるのであった。
このため、アメリカは大規模な調査隊をイエローストーンへ派遣する。
合計4回もの調査によってコルスターのほら話が本当であることが判明。
そこには手つかずの自然・間欠泉・動植物などが存在した。
あまりにもきれいな自然であったため世界へ瞬く間にその存在が知られるようになる。
このため、自然を保護しようとする考えがまとまる。
それこそ国立公園案。
今までのアメリカはただ開拓するという概念しかなかったためこれは自然保護にとって大きな一歩。
こうして世界初の国立公園がイエローストーンから始まったのである。

現在イエローストーンには大小さまざまな間欠泉が存在し、その数は250ぐらいになる。
ではどうしてこのような現象が起きているのか。
それはこの場所が地球の地中にあるマグマとかなり近い場所に存在しているためである。
イエローストーンからマグマまでは4800mというかなり近いところにあるとされている。
この近さになると、雨水が地下にしみ込んだ際にマグマに近い岩盤に当たると急激に沸騰。
その圧力が一気に地表へと噴き出しているのである。
このため、イエローストーンにある間欠泉はすべて熱湯。
熱湯が噴出され、さらに水蒸気となってあたりを湯気で包むのである。
これが霊気の正体である。
特に間欠泉の中でも一番有名なのがオールド・フェイスフル間欠泉。
名の通り昔から68分間隔で90℃の熱湯を5分間噴出し続けている。
その量は一回に3万2000千リットルに及ぶこともあるのである。
また、間欠泉意外にも熱湯の湖を存在し、その湖ではバクテリアの働きによって湖の色彩が変化するのである。
中でもエメラルド湖では湖の色が七色に変化し幻想的な風景を醸し出している。
熱湯という過酷な条件で存在する奇跡のバクテリアが生み出した景観である。

このように火山活動の現象が大量に起きているイエローストーンはその名の由来も火山活動の現象からとられている。
イエローストーン国立公園の中を横断する川、その名も同じでイエローストーン川と呼ぶが、この川の石がすべて黄色からとられているのである。
火山活動があるということは温泉が湧く。
その中に含まれている硫黄が川に流れ、川の砂利に付着するのである。
このために川の周りはすべて黄色。
ここからイエローストーンと名付けられたのであった。

また、このイエローストーンには様々な動植物が住んでいる。
広大な針葉樹の森林に咲く花は1200種。
絶滅危惧種も最後の楽園としてこの地で生息し、とくにアメリカバイソンやグリズリーなどここで暮している。
しかし、国立公園に指定されてから絶滅した動物もいた。
オオカミである。
オオカミは国立公園に指定されてからも観光客が怖がるからと乱獲。
結果この場所から絶滅してしまったのである。
現在、カナダからオオカミを譲り受け百数十頭が暮らすようになった。
苦い過去があるのである。

今、イエローストーンはどのように動植物を保護するかを問われている。
それはイエローストーン川上流部の開発である。
イエローストーン川にはたくさんの金や石油、天然ガスが眠っているのが発見された。
この富を得ようと、採掘計画が浮上。
これにより園内に有害な物質が流れ動植物に影響があるとし1995年に危機遺産に登録された。
この計画は危機遺産により中止。
2003年には危機遺産リストから除外されたがこの場所には富になるようなさまざまな鉱物が眠っているのである。
また、イエローストーン国立公園は1988年落雷により大規模な山火事が起きた。
このとき、イエローストーンの保護団体は一切の消化をしないことを選択。
すべては自然に任せる方法をとったのである。
このため、火の鎮火には5カ月もの歳月がかかり、東京都の2倍の森林が消失。
現在では焼け野原には新しい植物の息吹が確認できる。
この選択が正しかったかはわからないが、イエローストーンはすべてを自然に任せるという方法をこれからも取り続けるのである。


広大な自然が残るイエローストーン国立公園は地球上の1/4もの間欠泉が存在し、地球の生成過程や火山活動の一端を観察でき、国で自然を守るという概念を初めて示した場所として1978年に最初の世界遺産として登録された。
すべては人の手を一切加えないように生態系を保護しているのである。



すごく行ってみたい場所の一つです。
でも、めっちゃ広いんですよ。。
一つ一つが20km以上離れている。。。
どうやって回るの?
やはりレンタカーか。。