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 【[雑学]その他

世界遺産雑学19--世界遺産の価値は?--
2000.06.11
 
世界遺産雑学19

今回も、非常に長いです。世界遺産を学んでいると人としては避けては通れない問題。この世の中は世界遺産の意味を間違えています。

--世界遺産の価値は?--

世界遺産。この言葉を聞いて何を思うか?
この世の中で世界遺産は間違った方向を歩いている。
世界遺産が設立した意味とは違った方向に・・・。

モン・サン・ミシェル  フランス
マチュ・ピチュ   ペルー


訪れてみたい世界遺産は?
感動する世界遺産は?
最近NHKのサイトでも、TBSのサイトでも番組でこのような質問をしている。
そこで必ず、1位2位の二つはモン・サン・ミシェルとマチュ・ピチュがあげられる。
それだけ世界遺産の中でも非現実的で不思議を持った世界遺産だ。

しかし、この2つの世界遺産は世界遺産に登録されてからどんどん価値を失っているのは皆さんはご存知だろうか?

まず、行ってみたい世界遺産1位のマチュ・ピチュ。日本人が行ってみたい世界遺産という肩書きだが、それはもちろん世界の人がいってみたい世界遺産ということにもなる。
もちろんツアーにも組まれて世界中から観光する場所となっている。
このため、現在開場時間から閉館時間まで人がうじゃうじゃいて天空の城と言った面影はまったくない。
天空が人の波だ。。。
もちろんごみを避けるために飲食禁止となっているがこれだけ人がいると平気で食事をしみんなごみを捨てている。
なぜなら、山の上のため食堂が無いからだ。もちろん近くに食事ができるホテルがあるのだが観光客がたくさんいるため高い食事料金となっている。
このため、いまマチュ・ピチュは遺跡を見に行くのではなく人を見に行く場所のようなところになっている。

次に、行ってみたい世界遺産2位のモン・サン・ミシェル。こちらも世界で有名になってから観光客がどんどん増えて言った。現在でも増えている。
これにより失ったものがある。それは遺跡の周りが海で囲まれたこと。。。
十数年前、モン・サン・ミシェルは月に2度、干潮時にしか道がつながらす行けない場所だった。
このため、遺跡までに道路をつなぎ海を分断した。これによりモン・サン・ミシェルに訪れる人が増え、地元の人は喜んだ。
しかし、これにより潮の流れが変わってしまい、遺跡の周りに砂がたまるようになり、現在では年に2回しか海に囲まれない世界遺産となってしまった。
写真で見られる海に囲まれたモン・サン・ミシェル。訪れても見られない。期待していってもがっかりする可能性もある。

それもそのはず。2つの世界遺産に共通するものがある。
マチュ・ピチュはインカ帝国の遺跡がスペインに見つからず破壊されなかった遺跡。スペイン人が見つけられなかったくらい山の中、崖の上に建設されている。
モン・サン・ミシェルはキリスト教が世俗を捨て神に近づくためにほとんど陸とつながらない島に建てた教会。
人との交流ができないように、孤独に祈りをささげる場所。
2つの共通点は人が行けない場所にあること。
それだからこそ人が増え簡単に観光できるようにしたため、いろいろな問題がおきてしまった。
大都市のように人が集まる場所の世界遺産ではこのような問題はあまりない。
もっとも現実離れしている場所だからこそみなが気に入る世界遺産になってしまったことはいなめない・・。

最近では旅行のパンフレットを見ると世界遺産という文字が大きく乗って観光客をあおっている。世界遺産が商売の一つとなっているのだ。
人も世界遺産だから行ってみようという意識を駆り立てられるものである。
いろいろな人の日記を読んでいても
「世界遺産だから感動した」
「世界遺産なのにあまりよくなかった」
などと言う文字が見受けられる。
世界遺産だから感動はしないし、世界遺産に登録されたからと言って美しい風景があるかと言われるとそうでもない。
げんに、訪れた世界遺産の中でもこれが世界遺産?って思えるものもある。
しかし、その遺跡に持った意味をあまり分かっていないためこのような考えを持ってしまう。
ぜひとも世界遺産に登録された意味をしり、その内面を見てほしい。


「世界遺産」
もともと、歴史が作り出したものを後世まで守り残すことが世界遺産という定義ができた理由。
商売の道具や感動する指標でとらえないでほしい・・・。
世界遺産に登録されて入れなくなるという風になってもいいのかも知れない。現にたくさんありますから。




・・・ごめんなさい。自分の考えのすべてを書いてしまいました。
今回世界遺産を学んでいる者として世界遺産を間違った意味でとらえる人が多く悲しい限りです。
少しでもこの文章をよんで考えを変えてほしいものです・・。