世界遺産雑学4
--未完成の世界遺産--
基本的に世界遺産とは建設中のものには未完成として登録基準からはずされます。
しかし、すべてが未完成でもこのたび一部分が完成したとして2005年に拡大登録で世界遺産に登録されたものがあります。
スペイン アントニオ・ガウディの作品群
1984年、まだ世界遺産として知名度がそんなないころ登録されたのがアントニオ・ガウディ作品のカサミラ・グエル公園です。
これはアントニオ・ガウディが世界的に影響力を持った建築家でさらに類を見ない創作・傑作を持った独創的な建築家であったため世界遺産に登録されました。
しかし、ガウディの有名な設計のサクラダ・ファミリアについてはアントニオ・ガウディが設計した段階で亡くなり、さらにスペイン内戦で設計図が失われたため建設がストップしてしまいました。
内戦後、地中からサクラダ・ファミリアの模型が見つかったため建設が再開され、現在でも建設中の教会としてあと1000年以上完成までかかるとして有名です。
このためいままで影響力のある建築でしたが、完成していないために世界遺産に登録されませんでした。
けれど、今回2005年の世界遺産委員会で3つのファサード(正面入り口)のうち、一つが完成したとしてサクラダ・ファミリアの誕生のファサードと地下聖堂が改めて登録拡大されました。
まだ、2つのファサードが完成していないのに世界遺産に登録されたサクラダ・ファミリア。
これからもそして未来でも作られたものが世界遺産に拡大登録される唯一のものかも知れません。