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 【中国の世界遺産

世界遺産「黄龍」
2007.10.29
 
2007年10月29日    86日目


白と水色が織りなす景観

石灰岩の作用により特質した大地へと変形

それはまさしく地球の神秘


えっとですね。

結果的には黄龍に行けたのですが。

ほんとは行けないみたいだったらしいです。

というのも朝食が終ってバスに乗り込む際に黄龍に行くか聞いたら。

なんと行けないって。

すごい雪が降って警察が危ないって言っていると。

この時点ですごくショック。

やはり昨日の九寨溝の雪の時点で覚悟をしていたのですが。

こうなったら途中でツアーからはぐれて一人で黄龍に向かうしかないのかも。

というわけですごくローテンションで移動していました。

しかも出発が異様に遅い。

9時半出発ってどんな遅さだよ。

しかも結局しっかり出発したのは10時半だし。

ここから移動して観光するのかと思うとすごい憂鬱。

特に行きたい場所と違う場所だからね。

そんなこんなでバスは進み、ふと気がついたことが。

黄龍の方面に向かっているってことに。

黄龍が入れない場合の観光の場所は九寨溝から南下した後に西に向かうはずなのに、南下した後に東に向かっているよ。

まさしく黄龍の方角なんですが。

が、ここからの道がありえないほどの山道でその疑問を吹き飛ばすぐらい。

というのも高度計を見ると何と標高4000m超えているんですが。

富士山よりも高いのですか。

道もかなりの急カーブと急上昇の連続で車に酔ってしまうのではと思わせるぐらい。

ただここはダイナミックな山々を拝むことができます。

標高は推定でも5000mを超えており、頂が雄大にそびえています。

いやはや怖いのなんのって。

雪が降ったら峠閉鎖の理由がわかったよ。

ここで落ちたら死ぬの確定ですからね。

そんな感じで進むこと2時間。

到着した場所こそ世界遺産「黄龍」でした。

もうテンションが上がりまくり。

朝のあのテンションはどこ行ったのってぐらい喜びましたよ。

ただし雪のためにバスがおくれて見学時間が3時間しかありませんがまあよしとします。

世界遺産「黄龍」は標高5500m雪宝山のふもとにあり、黄龍自体でも標高3000m以上の所にあります。

雪宝山に降り注いだ雪や雨が流れやがて山の石灰成分を含み黄龍へ流れます。

石灰成分を含んだ水はやがて石灰がある場所で固まり地面へと付着していくのです。

それはやがて棚田状の形となり大小さまざまな湖を作り出しました。

石灰は固まると白い大地となり、そして石灰を含んだ水は青い光だけを反射するため透き通った水色へと変化するのです。

白い棚田と水色のコントラストはすべて石灰によるもの。

この棚田の姿と太陽の光で黄色い龍のうろこのように見えたことからここを黄龍と呼ぶようになりました。

また、あまりにも人が立ち入れない場所であったためにその自然は破壊されずに希少な動物がここに住み着いているのです。

石灰による特殊な景観と希少動物の保護のために黄龍は世界遺産に登録されました。

本当でしたら下から歩いて行こうとしたのですが、時間もないですしツアーの料金に含まれていることもあってロープウェーを使用しました。

ロープウェーにて山の中腹まで行ったところで黄龍の全体が見える場所が。

数々の山々に囲まれ誰もが立ち入らない渓谷。 

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周りはすでに雪に覆い尽くされています。

その中にひときわ異彩を放つ色が。

周囲の山の紅葉や雪の色とは違う。

それこそ透き通った水色。 

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すべては石灰という成分の作用によって作られたもの。

しかも石灰ってどうやって作りだされてるか知っていますか?

実はサンゴなんです。

サンゴは自分がなくなると体を硬化させ白く石灰へと変化させるのです。

それは長い間積み重なり石灰岩は作られるのです。

でもここは3000mも高地。

ということはここは昔海だったのです。

それが数十億年という地殻変動により、海が山となりやがてこの風景を作り出したのです。

ここはまさしく地球の記憶を人の目に見せている場所なのです。

それにしてもここから見る黄龍は絶景。

特に雪が降るぐらい寒いので空気が澄んでいるからではないのかな。

ほんとにこれてよかったと実感いたしました。

さてさてここからがちょっとした雪山トレッキング。

ロープウェーの降場から黄龍の一番上までは所要3kmの道のり。

しかも雪の森の中を。

雪をあまり見たことない私としてはとても新鮮です。

静岡県では10年に一度ぐらいしか雪積もらないからね。

スキーにもいかないしさ。

黄龍の一番上に着いた時にはその目を疑うような風景が待っていました。 

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周りの雑音は消え去りその色から目が離せられない。

澄んだ水色とたとえればいいのでしょうか。 

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それが棚田の白さに溶け込んで光を増幅しています。

ああ、本当にこんな場所があるんだと感じました。

地球の足跡を実際に見ることができたのですね。

常に水の流れる音が聞こえ、棚田から水が滴り落ちています。

その先には再び白い棚田へと。

この場所の規模はそんなに大きくはないですが、白と水色のグラデーションにより誰もがその素晴らしさに感動しています。

この場所を見ることができてほんとによかった。

本当だったらもう少し長く見ていたかったのですが、何せ時間がなかったのでさっそく黄龍を下ることにしました。

黄龍は全長でも4~5kmほどしかないので少しの時間で観光ができてしまうのですが、その間には様々な棚田が存在するために見ていて楽しいです。 

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おもには棚田と透き通った水色の場所がほとんどですが、中には棚田にならずに斜面にそのまま付着した石灰の場所もあり、少しずつ水が流れていく様子もわかります。 

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石灰が付着している場所には木々は生育せず先の方まで石灰が付着している場所がわかるのです。

水の流れは流動的なので様々な石灰の形が楽しめて。

中にはもう二度と水が流れないようになってしまった棚田まで。

自然の摂理なのでしょうがないですが、何となくさみしい感じに。

彼らは斜面に硬い壁を作っているようなものなので壁が巨大化してしまえばいつかは壁から水が流れなくなって違う場所へと流れが変わってしまうもの。

特にその下にある棚田は上の棚田の成長により水が流れなくなってしまうのです。

何となく悲しい感じもしますよね。

それにしてもここはすごく棚田が多い。

歩いても歩いても棚田が存在し、そのたびに水の色が浮かびあがっています。

ひとつだけびっくりだった場所があって、すでに水の表面が凍っている場所がありました。

澄んだ水色が濁った水色に見えて少しの違いなのにここまで見え方が変化するんだと思わされるときでした。

そんなこんなで一番下まで降りてきましたよ。

本日は時間厳守できましたよ。

でさっそくバスは出発して峠越え。

写真では撮ることができませんでしたが雄大な山々に落ちる夕焼けを目の当たりにしました。

やはり地球の風景って素晴らしい。

そして宿へ。

ここまで来ているので当然空気は澄んでいるために星がすごくきれいに見える。

満天の星っていうのを見られました。

さてさてあしたは帰る移動のみです。


黄龍アクセス
成都から松潘へ。
そこからは武平行きにのり黄龍に途中下車。
なお雪が降ったら近くの峠を越えることができずに閉山。
ここもツアーで行くことをお勧めします。





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