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 【中国の世界遺産

世界遺産「青城山と都江堰の水利灌漑施設」(1)
2007.11.01
 
2007年11月1日    89日目


雄大に流れる川

時にその川は人に脅威を与えた。

しかしその時ある人が立ち上がったのである。



えっと起きたのは6時。

昨日は起きるのが遅かったために本日はすごく眠い。

それでも本日は移動したかったので眠い目をこすりながら出発いたしました。

同じ部屋だった日本人と一緒にバスターミナルへ。

今回はタクシーを使用しました。

なんせバスがまだ走っていなかったから。

で、何とタクシー代おごっていただきました。

ありがとうございます。

そしてさっそく切符を買いに。。。

が、何と1時間半待ち。

えっと、たかが40km移動なのにそれはやめていただきたい。

どちらにしてもしょうがないので一緒に来た日本人を見送りながらじっと待っていました。

やっとのことでバスに乗り込み一路都江堰へ。

2時間後に到着しましたよ。

と思ったらついた場所が全然バスターミナルではない。。

こうなったらいつも通り近くのバス停へ。

よくよく見たらバスターミナルの隣のバス停だった。

このためバスでバスターミナルへ移動し宿を探しに。

最初に見つかった招待所に泊まれることになりました。

この国はほんとに宿には困らない。

住宿か招待所と書いてあれば安く泊まれるので。

これが違う国になると苦労するんだろうな。。

さてさてまだ時間も早かったので宿でまったりとしていました。

お昼近くになってようやく観光をしに。

向かった先は世界遺産「青城山と都江堰の水利灌漑施設」の都江堰の水利灌漑施設に。

この世界遺産はその名の通り水の灌漑施設の世界遺産です。

というのもこの中国四川では昔大きな問題が潜んでいました。

それは四川に流れる岷江という川の氾濫です。

岷江はしばしば氾濫を起こし人々や作物に多大な影響を与えていたのです。

このため紀元前300年ごろの春秋戦国時代にこの地を治めていた太守が立ち上がったのです。

太守はまず岷江の川の横に二つの水路を建設。

岷江の流れを3つに分かれさせるという大工事を行ったのです。

二つの水路は一つは下流にて岷江に戻るという水路で、もう一つは四川省の各地へ水を供給する水路として作られました。

特に四川省の各地へ流れる川には更なる大工事が施されています。

それは川の氾濫が起こった場合四川省に大量の水が流れないように水量が多くなったときだけ本流の岷江に水が戻るという仕組みを作り出したのです。

これは当時としては画期的な方法であり、現在の世の中でも採用されているほどの素晴らしいシステムなのです。

これができたことにより岷江に洪水が起こっても、大地には氾濫は起きず、人々は安心した生活を手にいれ、また四川省に安定的な作物をもたらしたのです。

しかもそれは紀元前の出来事。

この都江堰が歴史においても多大な影響を与えたのです。

身近な例でいうと三国時代の蜀が四川にあった理由。

この都江堰がなければ四川は肥沃な土地でなかったために蜀は四川に来ても満足な作物を手にすることができずに簡単に滅んでいたことでしょう。

青城山は道教の聖地。

三国時代にこの地を治めていた張陵が道教の前身「五斗米道」を創始した場所でもあります。

その後道教が確立し、この地は聖なる山として崇められてきました。

このため山には数々の道教のお寺が存在し、今日まで祈りの絶えない山となったのです。

都江堰と青城山の2つは同じ街にありそれぞれ歴史においても現代においても多大な影響を与えた場所として2つ合わせて一つの世界遺産に登録されました。

本日は都江堰の方へ。

さっそく中に入ってみると数々の建物が。

この都江堰周辺は公園として整備されており昔から風光明媚な場所であったためそれを眺める様々な建物が建てられたのです。

それらを眺めて後に向かったのはもちろん川を3つに分けた場所へ。

つり橋を渡り人工的に作られた中洲へ行きました。

中洲の先端から川の流れを変えておりそれからは3ほんの川へと水が流れています。 

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ただ、現在岷江の本流がせき止められていて四川に流れる川と支流となって岷江に戻る川しか流れていません。

しかし見ていてすごいのはこの四川に流れる川。

四川に流れる川は中州から向かって左へ流れており、そのままもっとも左の川へ流れ込むのですが、途中2つの水の流れない水路が造られています。 

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川よりちょっとだけ高く作っているために水が流れることがないのですが、氾濫が起きるとそちらの水路に流れこむように作られており、四川へ氾濫の水が流れないようにしてあるのです。

ちょっと写真ではわかりにくいかもしれませんがね。

よくこれを紀元前に造ったものだと感動しました。

山を切り崩すほどの大工事だったのですよ。 

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ただ、この水の流れの仕組みをわからないとここの見どころが全くわからないかも。

なんせただ流れている川の中州に行って流れのない川と流れのある川を眺めているだけですからね。

こここそ世界遺産の価値を知らないと何ここって思ってしまうかもです。

ぜひここは歴史というかシステムを知ってから訪れてくださいね。

さてさて中州からは再びつり橋を渡って目の前の高台へ。

それにしてもつり橋の揺れること。

おかげでみんな進むのが遅いし。

私は揺れとかは怖くないのでさっさと進みましたが。

さて近くの高台には何層も重なっている建物が建っておりそこから眺める景色が絶景。

特に都江堰の中州の先端から水の流れがわかるようになっており、その水利灌漑システムの仕組みが見やすいです。 

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四川に向かう川には流れない川が2つ作れている様子が一目瞭然。 

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眺めも相当よく、この都江堰がいかに自然にありふれた場所というのがわかります。

ぜひ都江堰に来たらここから眺めてくださいね。

ここは歴史とか自然の世界遺産ではなく灌漑システムの世界遺産ですのでとても新鮮な感じがします。

中国の文明がいかに深くいかに能力があったかというのがわかる世界遺産でもあるかもしれませんね。

じっくりと見ることができてとてもよかったです。

ということで本日の観光は終了。

さっそく宿に戻って明日の山登りのための準備を。

それにしてもここは寒い。

蒲団も薄いのでさっそく寝袋出してしまいましたよ。

寝袋と蒲団があるとちょうどあったかく寝れました。

寝袋買っといてよかった。

さてさて明日は都江堰と対となって世界遺産になった場所へ観光しに行ってきます。





都江堰アクセス
成都から都江堰行きのバスに乗り終点下車
都江堰バスターミナルから北側に向かう4番のバスに乗り終点下車





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