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 【中国の世界遺産

世界遺産「開平の望楼と集落」
2007.12.04
 
 2007年12月4日    122日目


なんだこの異質な空間は。

広い平原の中に堅固な要塞。

中国とは思えない要塞化された家がそこにある。


おはようございます。

昨日の段階で今日行く場所は調べておいたのでたぶん入場できる8時半ぐらいに目的地に到着してればいいかと思い7時ぐらいに起きました。

そして朝食。

中国では朝早くではあまりお店が見つからないのでパンとソーセージを昨日のうちに買っておいて。

まあ、朝食はいつも通り限られますね。

さてさてたぶん目的地までは10kmぐらいしか離れていないと思っていたので1時間ぐらいの予想でした。

ので7時半には出発。

開平のバスターミナルへ向かって沙湖行きのバスに乗り込みましたよ。

運転手に目的地を告げていざ出発。

最初に向かったのは自力村という集落でした。

こここそ数か月前に世界遺産に登録された「開平の望楼と集落」の一つなのです。

数か月前に登録されたためにあまり情報がないのですが、ここは華僑にとっての心のよりどころ。

まだ中国が貧しかった清の時代、この開平に住む中国人は幸せを求めて新天地の外国へと移民していきました。

それは現在の開平に住む人口より開平出身の華僑の方が多いほどたくさんの人が海外へと夢を求めに行ったのです。

そして彼らは夢を実現させ幸せな暮らしを営むことに成功しました。

財を築いた彼らは再び故郷に戻ることを決意。

広東省の開平へと戻ったのです。

彼らは昔の故郷に様々な建物を建てました。

それは数階にわたる高層建築で、中国とヨーロッパの建築が入り乱れたつくりとなったのです。

ただ、当時はまだこの周辺に山賊がおり財をなした彼らをたびたび襲ってきました。

このため自らの家を厚いコンクリート製へと作りなおし堅固な要塞化としていったのです。

しかし中国に革命という動乱が起き社会主義が定着すると彼らはその文化から逃げ、再び海外へと戻ったのでした。

これにより家は廃墟となりましたが、廃墟になったために当時の生活の家具からすべて残されることになったのです。

開平が中国華僑の心のよりどころであり、彼らが残した独特な建築様式が現在も残っているとして世界遺産に登録されました。

さてさて、自力村に到着してしょっぱなからびっくり。

なんだ、この異様な感じの雰囲気は。

見渡す限りの畑の中に、いろんな塔がそびえている。 

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しかもここが中国と忘れさせるかのような雰囲気。

どの塔も6階建て以上はあり、周りの家々から頭一つ抜けています。 

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塔は堅固なコンクリートで固められており、窓もすべて鉄で覆われている。

何となく中国の雰囲気があるのですが建築自体はヨーロッパの感じが強く、塔の上は下の階よりも広くとられているのです。

これはドイツの建築と同じ感じが見受けられる。

ただ塔に登った時にこういう構造になった理由がわかりました。

ドイツの場合は1階の面積によって税金が決まっていたので1階を小さくして上を広くして行ったのですが、ここの場合は防犯のため。

要塞化しているということは山賊が多くあらわれたということ。

このため塔にはいたるところに銃を撃つ場所が見受けられ、下にいる敵に向かって銃弾を撃つために1階よりも上層部の方が広い。

下に向かって鉄砲を撃つことができますからね。

それにしても塔の上に登ってみた感想が何もない。

周りには少しの塔しかなくて他には一面の平原が続いています。

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このためすごく異質な感じが。

想像してみてくださいよ。

見渡す限り地平線に空高くそびえたつヨーロッパ風の建築。 

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誰も中国とは信じませんよね。

それに中国回っていて、城とかは見ましたが家が要塞化している場所なんて初めてです。

あまりにも今まで見続けてきた中国の風景とは違うことに少々戸惑いました。

それにしても望楼群というからにはたくさん望楼があるのかと思いきやそんなに多くもない。

大体10塔あるかないかぐらい。

周り一面畑なので遠くからでも望楼の存在が確認できます。

昔は屋上から山賊の動向をうかがっていたのでしょうね。

さて自力村の観光も終わって、一度開平に戻りました。

食事所が全くなかったので。

昼食を済ませてから、今度は昨日インターネットで世界遺産の場所を調べてわかった錦江里望楼群に行ってみることに。

ここはネットで調べるからには市が管理しておらず、入場料が無料の代わりに望楼に上れないと書いてありました。

ともかく、向ってみることに。

また運転手に行き先を告げおろしてもらいました。

バスを降りてからは標識通りにってえっと、道が途中で消えてますが。。

道をよく観察してみるとある場所にバイクが通っている後があり。

そこを進んでみるとあったよ。

こんな紛らわしい道の先にあるのね。

で、錦江里を見た瞬間にびっくりした。

それは9階建てにもなる望楼です。 

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もうほとんど高層建築の粋なんですが。

上階のほうはまるでヨーロッパを思わせるようなたたずまい。

ここの望楼もやはり要塞化されており、窓もすべて鉄板で覆われている。

周りはたくさんの小さな家に囲まれており、ひときわ異彩を放っているのです。

ただ、このため全体像の写真を撮るのが難しいのですが。。

この錦江里にはおもに3つの望楼があり、その中の一つが開平最大に高い望楼だそうです。

確かに今まで8階建ては見ましたが9階建ては初めてですよ。

でも中に入れないので観光はあっさりと終了。

と思ったら何やら近づいてくる人がいる。

話を聞いているとあの望楼に入れてくれるって。

ま、中国なので無料ではないと分かっていたのですがどうしても入ってみたかったので。

おちゃんについて行ってみると何と30元を請求された。

もちろん個人でやっているみたいなので値切りました。

意外に値切れるもんですよ。

そして望楼の中に入ることに成功。

って、屋上につくだけでもかなりの階段を上るですが。

しかもこの望楼はちゃんと9階のところまで行くことができる。

おかげで街の様子をかなりの上から拝むことができた。

隣に立つ望楼も8階建てでかなりの存在感。 

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ここはほんとに巨大な望楼をいっぺんに見るには都合のいい場所かもしれません。

さてさて、錦江里村を後にしてから次に向かったのは鳥降龍望楼群です。

開平の観光局が進めているのが自力村と鳥降龍ですので、ここには自力村と同じぐらいの望楼があることが予想されました。

そして街に足を踏み入れてみると、行った2つの街とはまた雰囲気が違う。

前の場所は周りには平原しかなかったのですが、ここは川と山に挟まれた場所であり、望楼の周りには竹林で覆われている。

まるで自らの存在を隠しているかの様に。

山賊から自分たちを守るためにこの場所は隠れるという意味ではうってつけの場所だったようです。

ホントに竹林の中を進まないと望楼が見えない。

しかも10mぐらい近づかないとそこに建物があるとわかりにくい。

なるほど、守ることも重要なのですが隠すことを目的とした場所なのですね。

が、隠されているので写真が全く取れない。

唯一、望楼の上からとった写真がこの街の風景を写すことができる。

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この写真を見るといかに隠してあるかがわかりますよね。

で、意外に鳥降龍 望楼群も見どころが少なかったのですぐに終了しました。

本当はここで観光を終了して開平に戻ろうと思ったのですが、世界遺産を回っているうちに登録された4ヶ所のうちの最後の一つを見つけてしまいました。

しかも開平へ戻る最中にあるとのこと。

このため鳥降龍からその街へ移動しました。

場所は三面里村にあり、その中の望楼1つが登録されているようです。

再びバスに乗り込み運転手に行き先を伝え。

10km先の三面里に降りることができました。

村の中に入ってみるとのどかな光景が。

いったいどこに塔があるんだと思いながら中に進んでみるとあったよ。

しかも意外に低い。

今度は3階建てだし。 

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中に入ることができないので外から見ているだけなのですが。

ここが一番建てられたのが古いようでレンガ造りで作られていました。

街の中に溶け込みながらもその存在感は失っていない。

何とも素朴な望楼でした。

が、ここにはこの1つの望楼しかないためにすぐに開平に戻りました。

開平に戻ってからはインターネットをし夕食をとり。

おもには明日の準備ですね。

明日は一気に上海方面まで移動しなければならないので。

ではではまた明日。





開平の望楼と集落のアクセス
(望という字は中国では石へんに周)
・自力村望楼群
開平バスターミナルから沙湖行きに乗り唐口(唐には土へんがつく)の次の自力村下車。
バスの運転手に言っておろしてもらった方が良い。
バスを降りてから看板を頼りに徒歩10分
・錦江里望楼群
開平バスターミナルから金鶏(鶏は左側が又になっている)行きに乗り蜆岡(字が微妙に違うので注意)の次の場所で下車。
バス停というものがないので、運転手に錦江里で下してもらうようにする。
・鳥降龍望楼群(鳥と龍は中国の略字使用)
開平バスターミナルから金鶏行きに乗り百合の次の鳥降龍で下車。
同様にバス停がないので運転手に言っておくこと。
・三門里の迎龍楼
開平バスターミナルから金鶏行きにのって三門里下車。
降り場所がわかりにくいので運転手に言っておろしてもらうこと。
錦江里・鳥降龍・三門里はすべて同じバスで行ける。「開平―三門里―百合―鳥降龍―蜆岡―錦江里―金鶏」というルートで進んでいる。





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