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 【[雑学]その他

世界遺産雑学11--世界遺産になれない世界的遺産--
2000.12.29
 


世界遺産雑学11

--世界遺産になれない世界的遺産--

世界には世界遺産の登録基準を満たしている遺跡があるにもかかわらず、世界遺産に登録されない場所がある。
それは政治的理由、国際的理由などが複雑に絡んでいるため。

その中でも今回世界遺産にならない宗教の聖地を紹介します。

メッカ サウジアラビア
メディナ サウジアラビア
パガン ミャンマー


宗教には聖地と言うものが存在します。キリスト教の場合、エルサレム、ヴァチカン、サンティアゴデコンポステーラ。仏教の場合、ルンビニ、ブッタガヤなどすべて世界遺産に登録されています。
これは世界遺産文化登録基準の6項の思想・伝統・信仰に関係するものに聖地はすべて該当するからです。
わかりやすく言うと信仰の対象地はすべて世界遺産になるという理由からです。

しかし、このイスラム教の聖地メッカ・メディナ、仏教の信仰地パガンの3つについては世界遺産に登録されていません。
その理由として2つの現象がおきているからです。

まず、世界遺産に登録されるためには世界遺産条約を国が批准し、そして自国の暫定リストに登録し世界遺産委員会からの承認を得ることが条件と成っています。

しかし、ミャンマーの場合、国が世界遺産条約を批准していないのです。ご存知のとおりミャンマーは軍事国家。入国することもままならないため、世界的に国として認められていないのです。これによりミャンマーにある遺跡すべて世界遺産に推薦できないという理由からパガンは登録されていないのです。

これに対しサウジアラビアの場合は国はちゃんとした国家であるため世界遺産条約を批准しています。しかし、サウジアラビアはイスラム教最大の聖地メッカ・メディナを守ると言う理由で観光地化されないように世界遺産に登録することを拒んでいます。
また、イスラム教以外の人がサウジアラビアに入れないようにもして観光地化をふせいでいます。このため、日本人は国すら入れない状態です。

このように世界遺産になれるのに世界遺産ではない遺跡が存在することになっています。
世界遺産の観光地化。いかに防ぐかも問題ではないでしょうか?