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 【[雑学]アフリカ・中近東

世界遺産雑学22--狩猟可能な世界遺産--
2000.12.29
 
世界遺産雑学22

--狩猟可能な世界遺産--

現在の世の中でも動物をハンティングできる場所がある。
しかもその場所が世界遺産。
動物を殺して世界遺産を守る。
この謎解きのような場所とは。。

セルー・ゲーム・リザーブ  タンザニア

東アフリカの大河ルフィジ川を中心に存在するこのセルー・ゲーム・リザーブ。
絶滅の危機にあるクロサイやアフリカゾウなどが生息するアフリカ最大級の保護区。
大部分が人が入った事のない場所であり、人跡未踏の動物の聖域だ。
しかしこのセルー・ゲーム・リザーブには他の保護区と違う大きな特徴がある。
それは動物をハンティングできる事。

世界遺産を守るために一番必要なものはなにか?

それはお金。主に人件費だ。
セルー・ゲーム・リザーブでは自然と動物を守るため、密猟の監視、レンジャーの育成を行わなければならない。
しかしタンザニアと言う国家はあまりお金が無かった。
このため、動物を殺してお金を得ると言う方法をとったのである。
もちろん園内にいるすべての動物を殺せる事ができる。
しかし、その種類によりお金の額が違い、すぐ個体数の増やせるものは小額で、個体数がなかなか増えないものは高額。
また、銃弾は一発しか許されない。狙いが外れたらそれまで。
殺さずにお金が入る可能性がある。
ちなみに一番の高額はアフリカゾウ。一発狙える権利を8千ドルで買うのである。

もちろん、個体数を減らさないように殺せる数は限られている。ちゃんとした管理のなかで行われているのだ。
こうしてセルー・ゲーム・リザーブは守られているのである。



なんとも変な世界遺産です。
殺して守る。。。。????
守るために殺さなければならない。
なんとも葛藤した場所です。