負の遺産 Vol.1
--ARBEIT MACHT FREI--
人類は忘れてはならないものを作ってしまった。
それは負の遺産。
虐殺の証・・。
アウシュヴィッツ強制収容所 ポーランド
その名前は誰もが知っているだろう。
ナチスドイツのユダヤ人大量虐殺の場所。
ユダヤ人の痕跡が消された場所・・。
じつはアウシュヴィッツとは2つの場所の総称である。
アウシュヴィッツとビルケナウの収容所のこと。
先に建てられたのはアウシュヴィッツの方だ。
レンガ造りでたてられ収容所というにはキレイな建物。
しかし、その建物の周辺には高圧電流が流された鉄線が張り巡らされてある。
「ARBEIT MACHT FREI」
入り口にはこのような文字が掲げられ、ユダヤ人の目にとまるようになっている。
「働けば自由になる」

この言葉を見て、ユダヤ人は強制収容所の中でがんばってきた。
ただ少人数しか出られなかった強制収容所で。。。
アウシュヴィッツにはありとあらゆる殺人の痕がある。
一度に数百人の命を奪ったガス室。いまでも独特なにおいと雰囲気がかもし出されている。

そしてその隣に設置された焼却場。
人の身長以上の鉄棒。縄に吊るされ首をつった場所。
そして中でも残酷な場所が「死の壁」

この死の壁にはぼこぼことした痕がある。
これこそ銃弾の痕。この壁の前に立たされ続々と射殺されたのである。
次に建てられたのがビルケナウ。
アウシュヴィッツでは殺しきれないほどのユダヤ人が運び込まれたため作られた場所だ。
こちらでは衛生環境が犬以下の扱い。
土や藁でできた建物にベットが平然とならび、一つのベットに5~6人寝たのである。
トイレも数十人が壁も無く用を足すところで、においも最悪。
感染症が蔓延した場所。
こちらにも壊れたガス室の痕。
焼却した遺体を捨てた池。
逃げ出す状況も与えられない電車で強制収容所の中に連行された線路の痕。

これらのすべてが人を殺した歴史の痕跡。
ユダヤ人の嘆きの場所。
彼らは生きる事、自分が生きた証も残す事は許されなかった。
1979年、世界遺産委員会は人間の凶器が招いた悲劇を忘れることのないように負の遺産として世界遺産に登録した。
先週のTBSの世界遺産に感化されてしまいました。
一度訪れて、虐殺の傷跡を感じ、人間の愚かさをあらためて知った場所。泣いてしまった場所。
二度とおきてはいけないこと。
現在の世の中でも戦争は起こっています。
この遺跡から何かを学び取ってほしいです。