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 【[雑学]アフリカ・中近東

世界遺産雑学29--負の遺産 Vol.5 --
2000.12.30
 
世界遺産雑学29

負の遺産 Vol.5

--奴隷貿易の輸送基地--

世界遺産の中で負の遺産として登録された場所は5ヶ所。
その最後の遺跡。
そこはゴレ島と同じく奴隷貿易の記憶。
人が売られた記憶。。

ヴォルタ州、グレーター・アクラ州、セントラル州、ウェスタン州の城塞群  ガーナ

15世紀、まだアメリカ大陸が見つかっていない時代そこは交易地だった。
アフリカでは金、象牙とれたため、ヨーロッパ人はこれらを獲得するために交易所として城を立てたのである。
そして、真鍮や鉄砲と交換されていった。

しかし、この城塞が突然奴隷貿易を始めたのだ。
それは2つの要素が重なったのである。
一つ目はアフリカ大陸で金が枯渇してきた事。
このため、交易物がなくなってしまったのである。
二つ目にアメリカ大陸が発見された事。
植民地で農園経営を行ったヨーロッパ人が労働力を必要としたためである。
このため、ベナン湾にある城壁が奴隷貿易を始めるきっかけとなったのだ。。

ただ、ここで知るべきことはヨーロッパ人だけが奴隷売買を行ったのではない。
なぜならば奴隷売買を行ったのは大元はアフリカ人であった事である。
「アシャンティ王国」
アフリカのガーナにあった王国は自分たちの国の発展のため、鉄砲を必要とした。
それは他国から自国守るために。
しかし鉄砲はヨーロッパ人しか作れないものであった。
このため、王国は労働力を売ったのである。
他国の捕虜を。。

奴隷貿易
ヨーロッパ人だけでなくアフリカ人もこの行為を行った事を忘れてはならない。

こうしてベナン湾にある城壁は奴隷貿易という暗い過去を持つ世界遺産として1979年に登録された。


「負の遺産」
平和や人道主義的見地から人類がおかした過ちを記憶にとどめておく遺産。
世界遺産条約に負の遺産の設定はないが、文化遺産登録基準6項目
普遍的重要性を持つ出来事
に該当するため登録された世界遺産。
人間が二度と起こしてはならない影を持った世界遺産のことである。



はい、とうとう負の遺産全部書き終わりました。
といっても、負の遺産と呼ばれているものはこの5つですがそのほかにも暗い過去がある世界遺産は沢山あります。
中には数年前にニュースにのったものまで。
それらはこれからの世界遺産雑学で書こうと思います。