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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学30--長針と短針が住民の願い--
2000.12.30
 
世界遺産雑学30

--長針と短針が住民の願い--

町の丘にある時計塔。
時を刻み住民に時間を伝える時計。
短針が長針の動き、長針が短針の動きをした不思議な時計。
そこには住民の願いがこめられた。

グラーツ歴史地区  オーストリア


オーストリア第二の都市、グラーツ。
そこは中世の時代、神聖ローマ帝国の皇帝フリードリヒ3世が自分の居城を立てたことに始まる。

当時のオーストリアを支配していた家系がある。
「ハプスブルグ家」
世界の歴史を左右し、オーストリア帝国の皇帝になり続けた家系である。
このハプスブルグ家から神聖ローマ帝国の皇帝が生まれたため、この地は庇護されるようになった。
そして、そこにはハプスブルグ家の粋を集めた建物が建てられるようになる。
大聖堂、神学校、大霊廟、城塞など。。
その町は栄華を極めたのである。

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しかし1800年この地にナポレオンが侵攻した。
そして町の丘に立っていた城を戦後の契約で取り壊す事になった。
このとき、住民が立ち上がった
「時計塔だけは残してほしいと」
こうして時計塔は町のシンボルとなったのである。

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現在、グラーツの時計塔は短針と長針の動きが反対となっている。
これは町からよく見える長針が早く流れるよりも、遅く流れたほうが住民が時間を気にすることなくのんびりとすごす事が出来るとの願いからそうなったのである。

グラーツ、住民の願いから時を気にしない町へと変化していった。
のどかな町へと。



ほんとのどかな場所でした。
オーストリア第二の都市とはぜんぜん思えません。
これからも、住民たちの願いが伝わってきました。