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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学34--元通りに復元された町--
2000.12.30
 
世界遺産雑学34

--元通りに復元された町--

戦争が終わった国民はその町を見て愕然とした。
戦争前の活気あった広場が跡形もなく破壊されたのである。
一時は遷都も考えたが人々は立ち上がった。
すべてを復元するために。

ワルシャワ歴史地区  ポーランド

そこには人魚伝説が残る。
ある日、ワルシャワのヴィスワ川に人魚が現れた。
彼女の名前はシャーヴァ。
彼女は弱りきって町の川の岸に倒れていた。
それを見たワールが彼女を助けたのである。
そして二人は愛し合うようになる。
しかし、かたや人魚、かたや人間。
結ばれる事はなかったという。
この伝説からワール、シャーヴァの二人の名前をくっつけて
ワルシャワと名づけられた。

そして時代は変わり第二次世界大戦。
ポーランドという国はナチス・ドイツの侵略を受ける。
1939年にはワルシャワは占領された。
ここで住民は立ち上がった。
わずかな武器とわずかな戦力でナチスに対して蜂起したのである。
しかし、軍事的に優勢なドイツに敗北。
市民18万人と戦士2万人の命が消えたのである。
それは市民の66%に達した。
さらにナチスは町を破壊しつくした。
当時の面影がないほど。
それは、町の85%にも及んだのである。

こうして第二次世界大戦が終わり、ポーランドが開放されたときに
首都ワルシャワは一時遷都がうわさされた。
もう、何も首都には残っていなかったのである。
しかし、住民が立ち上がった。
ポーランドという国は、大国ロシア、ドイツ、オーストリアに囲まれた国。
いままでに何度も侵略され続けてきたのである。
そのたび再建してきた町。
これを捨てる事はポーランドを捨てる事を意味していたのである。

そして、住民は望んだ。
単なる復興ではなく、敷石一枚、屋根の瓦一枚、壁のひび一本まで忠
実に再現する事を。
修復には18世紀にワルシャワの町を描いた画家の絵、20点が参考とさ
れ、昔の姿を今日に現したのである。


中世からの町を復元するポーランドの人々の心は、建築における修復
技術の手本となり1980年世界遺産に登録された。




ほんと、訪れなければならない町です。
住民の熱意がすべてを復元した町。
いまでも心が残っています。