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 【インドの世界遺産

世界遺産「マハーバリプラムの建築と彫刻群」
2008.02.28
 
2008年2月28日    208日目


海岸に建てられて寺院。

そして岩山に彫りこまれた彫刻

ここには数々の南インド傑作が残る。


起きられなかった。

どのみち、私には日の出を見ようなど無理な話。

中国では早起きできたのにインドに来てから早起きはさっぱり無理。

まあ東南アジアでも無理だったんだけど。

このため普通に起きました。

でもまだ7時だったよ。

このため朝早くから観光を開始です。

世界遺産「マハーバリプラムの建築と彫刻群」は7世紀にこの地で発展したパッラヴァ朝が建てた寺院群。

ここは港町として発展して、その場所に様々な建築や彫刻が残されました。

海岸の波打ち際には海岸寺院が作られ、内陸の岩山には多種多様な彫刻が彫られました。

彫刻はインドの叙事詩を元に彫られており、ヒンドゥー教の神話を伝えているのです。

また街の外れには5つの建築が異なる石彫寺院がたてられ、それはまさしく南インド建築のプロトタイプでありこの建物を元に各地で建設されたのではないかといわれています。

これらの建物や彫刻は南インドで花開いた芸術の最高傑作としてまたその後の南インドの芸術に影響を与えた場所として世界遺産に登録されました。

最初に向かったのは海岸寺院。

その名の通り、海岸に建てられて寺院です。

さっそくチケットをかって中に入り込み、、、って何この料金設定。

インド人10ルピー、その他250ルピー(約600円)って。

ぼったくりもいいところです。

どうせお金を保護に回すのだからもう少しインド人の料金を上げろよ。

これだから発展途上国って。。

アンコールワットも外国人にはすごく高く、現地人はただですからね。

ひどいものです。

そんなことを思いながら中に入りました。

最初の印象はそんなに大きくはないなという感じで。

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でも近づいてみるとその素晴らしさがわかります。

二つの塔が並んでおり、どちらの建物にもさまざまな彫刻が施されてある。

特に屋根の部分は階段状のような感じでいたるところに人や動物や模様が彫りこまれています。

建物の周りには広場と様々な動物が置かれておりここを厳重に守るかのようでした。

なんといっても朝一番に行ったのでそれらの彫刻が朝日にあたり光輝いているように見えること。

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素晴らしいとしか言いようがない。

ただ、ここで一つ辛い点が。

何とインドの子供たちが大量に観光していて。

たぶん修学旅行かなにかだと思うのですが、寺院を見るよりも外国人を見る方が珍しいのか、何十人の子供に話しかけられた。

しかも話す内容がお金ちょうだいか写真撮ってか。

子供の写真を撮ったところでお金を請求されるのがオチですが。

お前ら俺を見るよりも遺跡を見ろってんだ。

このため私は先生らしき人の所に行って避難。

もし話しかけてきても先生が追い返してくれたので安心でした。

ようやく子供たちが帰ったあとにしっかりと観光です。

それにしてもこの寺院は風化が激しい。

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そりゃそうだ。

海岸にあるんですから。

長年の潮風や波の被害を受けているので。

細かく彫りこまれた彫刻がほとんど原形をとどめていません。

現在ではこれ以上の浸食がなされないように海岸部分に防波堤を立てて、周りのビーチと隔離している状態となっています。

でも、ここで一つ疑問が。

この寺院が海岸部分よりだいぶ高い位置に造られているよ。

でも、周りのビーチとの位置関係を見るともう波打ち際の部分に建てられていて。

当時からここだけ少し高台だったのでしょうか。

まあ、海岸は砂地なのでそこに寺院を建てるのは無理ですからね。

ビーチに突き出した小高い山に造られたのでしょう。

そう考えると当時の建設当初の姿が見えてくるようでした。

さて、海岸寺院を観光した後は一度インターネットをしに。

朝の方がいろいろと接続が早くて便利な点が多いので。

で、その後はマハーバリプラムにある岩山に向かいました。

ここには様々な彫刻が彫られている場所なのです。

まあ、岩山といっても大体20mぐらいの高さしかない広い岩山なのですが。

そこには数多くの建築や彫刻が残されています。

街からその岩山に向かうとすぐに岩山に彫られた寺院が見ることが出来。

この岩山をくりぬいたなんてすごい労力なんですが。

そのくりぬいた寺院の隣には空いたスペースがないぐらいの彫刻の数々が。

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ここはアルジュナの苦行と呼ばれておりこれもヒンドゥー教の神話が描かれているのです。

それにしてもこの岩壁彫刻はレリーフとしては世界最大ではないかと噂されるぐらい巨大な物。

全体像の写真を撮るだけでも難しい。

それだけここには細かい彫刻がたくさん並べられているのです。

特に印象的なのは象の彫刻。

まるでいかにも動きそうなんですが。

すべての彫刻は緻密に彫られているためにすぐに岩から出てきそうな雰囲気。

それほどの技術が南インドにあったのですね。

しかも1000年以上前から。

南インド侮っていました。

素晴らしい文明がここに発達した証拠です。

そして岩山に登ろうと、、、って。

あれはなんだ。

岩山の斜面の所に丸い巨大な石が転がらずにとどまっているよ。

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どうやらあれはバターボールと呼ばれるもので数千年にもわたり斜面を転がらずにあの場所にずっとあるみたいです。

見た目ホントに転がりそうなんですが。

現に私この斜面で足滑りましたから。

丸い球体なのにどうしてこんな場所に落ちずにあるのでしょうか。

というか、ここにどうやって乗ったのか。

しかも昔の王様はこれを転がそうと象を使って引っ張ったことがあるそうですが、それでも転がらなかったという話もあるぐらいで。

謎が深まる岩を初めて見ました。

世界にはこんな不思議な場所もあるのですね。

こんな岩が残る岩山には様々な石窟や彫刻、建物などが混在しております。

一番下には小さな石窟寺院が点在しており、一番上にも石造寺院があります。

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当時ここは様々な人が建設にあたり、そして様々な人たちが祈りをささげていたのでしょう。

それにしてもこんな変な岩などがあるから聖なる場所となったのかな。

あと、ここには岩山があったから建築資材に困らなかったのかもしれません。

だからこのマハーバリプラムが選ばれたのかもしれませんね。

さて、岩山の観光を終了してからは本日の観光最後となるファイブ・ラタと呼ばれる場所に行ってきました。

ファイブ・ラタとは5つの石彫寺院。

5つすべてが異なった様式をしており、すべては南インドで発展した建築。

7世紀に建てられたこれらの寺院はその後南インドのすべての建築に影響を与えた場所となっており、まさしくプロトタイプとなった場所。

しかもすごいことはこれは全部彫刻でできていること。

一つの巨大な岩をくりぬいて作っていることにあるのです。

ファイブ・ラタを見た瞬間はただ唖然。

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一つ一つは小さい建物ですが、すべては全く異なっており、それらが一つの岩からできているなんて到底信じられない話だったからです。

いったいどれだけの労働力と技術が必要なのよ。

ただよく見ると一部未完の部分があります。

特に奥の二つの建築の内部は全く彫られておらず、途中で突然掘るのをやめてしまったかの様です。

ただ外見はすべて完成されており、南インドの建築が全てこの一ヶ所で見られるというすごい場所。

普通の民家のような建物もあれば、後ろだけ円形だったり、集会所のように巨大な建物もあります。

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屋根もそれぞれが異なっており、石の建築のためや木の建築のためなど様々な様式が混在しているのです。

長細い建物の屋根は木造で建てるのを前提にしたような建築ですね。

日本でも同じような構造をもった屋根がありますから。

なんだか建物の博覧会を見ている感じです。

見ていて楽しくてしょうがない。

このファイブ・ラタはお勧めです。

ぜひ南インドに来た際は寄ってみてくださいね。

こうして本日の観光は終了。

このため次の次の移動のための列車のチケットを取りに行ってきました。

やっぱり何となくインドは早く抜けたい感じがあるので駆け足で回ろうと思っています。

まあ、インドは私と肌が合わないというのもありますし、何よりこの先に回る国のシーズンが過ぎることが怖いのもあり。

がんばって駆け足気味でね。

もちろんチケットは取れました。

夕飯は観光の途中で知り合った日本人と。

まだ学生でした。

そういえば今は学生の観光シーズンでしたね。

6年前ぐらいに学生で旅をしていた時を思い出します。

それにしてもよく旅行先をインドにしたよ。

せめて東南アジアぐらいではないか。。

夕食後はすぐに宿に戻りました。

明日朝すごく早いので。

まあ、明日は頑張って移動しますよ。


マハーバリプラムアクセス
インド・チェンナイのセントラルもしくはエグモア駅から15BのバスでCMBT(セントラルバスターミナル)へ
そこでマハーバリプラム行きのバスに乗ること
南部のポンディシェリーからもバスあり。
マハーバリプラムのバススタンドから東に向かうと海岸寺院、西に向かうと岩山、南に向かうとファイブラタがある。





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