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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学38--不思議な城--
2000.12.30
 
世界遺産雑学38

--不思議な城--

王は何を思いここに城を建てたのだろうか。
その城は不思議な形をしている。
さらに城としての機能がまったくない城。
それは時代の最先端のデザインをした城だった。

カステル・デル・モンテ  イタリア

「両シチリア王国」
1816年にフランスのブルボン家により統一した、南イタリア、シチリ
ア島の王国。
この王国の王にして神聖ローマ帝国皇帝フェデリーコ1世がこの城の建
設を命じた。
それはイスラム教の攻撃に備えての事だった。

カステル・デル・モンテ
この城はサンタ・マリア・デル・モンテの近くに建てられた。
カステルは城、モンテが山という意味であることから、この城は山の
城と言う意味を持つ。

しかし、この山の城は変な形をしているのである。
それは、すべてが八角形で出来た城。
まず、城の本体が八角形。
中庭も八角形。
さらに八角形の周壁の角には八角形の小さな塔が八つ建てられている
のである。
当時の城としては画期的なデザインであった。

ここで、疑問に残る事がある。
それはイスラム教の攻撃の備えで作った城であるのに、防衛施設が何
もないこと。
この時代の城には必ずといっていいほど建設されたものがある。
それは外壁、堀、軍隊用の馬小屋。
それが何一つこの城にはないのである。
しかし、この城には文字が残っていないため、この理由が誰も分から
ない。
現在では、別荘または客をもてなすために使用されたという事が有力
である。

王は何を考え、この独創的な城を建てたのかいまだに謎のままである。
山の城は人類の創造的天才の傑作を表現するもの、景観デザインに大

きく影響を与えたとして1996年世界遺産に登録された。
そして、現在イタリア1ユーロセントの裏側のデザインとなっているの
である。

ほんとに、何の目的で立てたのか理解に苦しむ城です。
その分、景観的にすばらしい城。
山の頂上にぽつんと八角形の城が建っている。
そんな姿を想像してみてください。。