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 【インドの世界遺産

世界遺産「デリーの最初のモスクとクトゥブ・ミナール」
2008.04.08
 
2008年4月4日    244日目


インドに侵略した王朝

彼らは自らの権力を見せつけるためにデリーに建物を建てた。

誰もが見える巨大な塔を


まだ微妙に体調が悪いが観光ができないぐらいではない。

しかも今日観光しておかないと列車のチケットをキャンセルすることになるので。

朝起きて、まずは食事。

この宿のオクラ丼はほんとに日本の味がしてはまります。

食事が終わり、水を買ってすぐに駅へと歩き始めました。

本日向かう場所は私が泊まっている宿とは駅の反対側のプラットホームからバスが出ているとのことなので。

さっそく目的のバスを探しだし、それに乗り。

ひたすら到着するのを待っていました。

意外に遠くてびっくりでしたが。

そしてようやく車掌にここで降りろと言われて。

目の前に門があり、チケットを買って中に入りました。

この場所こそ世界遺産「デリーの最初のモスクとクトゥブ・ミナール」です。

西暦12世紀末。

インドに一つの王朝が起こりました。

その名は奴隷王朝。

この王朝を築いたものこそイスラム教徒のアイバク

もともとゴール朝だった奴隷の軍人です。

創始者アクバルをはじめ、歴代の王が奴隷出身者に多かったためにこのような名がつけられてのです。

インド初めてのイスラム教徒の王国。

インドはもともとヒンドゥー教の国であったためにアクバルはイスラム教徒がいかに素晴らしいかを誇示しなければならなかったのです。

このため、権力誇示のために建てられたものこそクトゥブ・ミナール。

それとイスラム教徒を増やすためのインドで初めてのモスクです。

特にクトゥブ・ミナールは当時インドでは類をみない高さを誇っており、奴隷王朝のすごさに目を丸くしたのです。

そしてその後奴隷王朝の後継者によって遺跡の周辺に様々な物が作られました。

こうして作られたデリー最初のモスクとクトゥブ・ミナールは奴隷王朝の遺構を残す建物として、またインドにおける最初のモスクとして世界遺産に登録されたのです。

まず中に入って最初に目にするのが高さ72.5mもあるクトゥブ・ミナールです。

見た瞬間その高さに唖然

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何しろ今まで見てきたインドの世界遺産の中で最大の高さを誇ってるのだから。

実際には100m近くあったのですが、過去に航空機事故を起こしてからこの高さへ変えられたとのこと。

それだけ高い建築だったということを証明しています。

これは確かに奴隷王朝がいかに素晴らしい国だったかという証明になっている。

インドには当時南部にあった約60mぐらいのヒンドゥー教の寺院が最も高い建築でしたし。

特に北インドには主だった高い建築など存在しませんでした。

まだ、このころにはタージ・マハルやアーグラ城などは存在していませんでしたし。

12世紀に建てられたというのがうそのような高層建築です。

当時のインド人はこの塔の高さに王朝の力を見せつけられひれ伏したのでしょう。

それにしてもやはりというか彫刻が細かい。

インドに残る寺院はすべてにおいて彫刻が細かい。

もしかしたらペルシャも彫刻が細かく、そちらからも影響を受けてるのかもしれませんね。 

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塔は下3層が赤の砂岩で、上は大理石で作られています。

もちろん上部に行けばいくほど細くなっています。

現在では中に入ることはできませんが、当時は中に入れて頂上部まで行けるようになっていたみたいです。

王はこの頂上から支配した土地を眺めていたのでしょうか。

モスクの隣に建てられているということでイーワーンかもしれませんが。

イーワーンとはイスラム教のモスク特有の塔でここから礼拝の時間を知らせるために鐘の音を鳴らしたところ。

昔は100mという高さから巨大な音を鳴らしていたのかもしれません。

クトゥブ・ミナールの隣には先ほど説明したモスクがあります。

が、ほとんど崩れていてこれがモスクだったのかさっぱりわからない。

かろうじて外壁部分が残っていて、その建築様式を見ると正面奥は確実にメッカの方向を向いており。

門もイスラム独自の形でした。

私は何かしらドームのような部分があるのではと思っていましたが。

そんな場所もなくて正直モスクかと首を傾げてしまったほどです。

800年前に建てられた建造物ですからしょうがないのかもしれません。

さてこの中心に一つの小さな柱が建っております。

これこそ、この遺跡最大の謎。

いや世界でも有数の謎

4世紀に造られたとされる鉄柱です。 

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高さは7m。

なんの変哲もない鉄柱のように感じますが実は作られてから1700年以上も過ぎているのに全く錆びない鉄柱なのです。

これは鉄の純度が恐ろしいほど100%に近く、酸素が入る余地がないとされているためです。


現在でもこの純度に達するには相当な技術が必要で、ましてやそれを1700年前に造りだしたという事実

当時の文明ではそれは不可能とされます。

いったいどのようにして作られたのか。

いまだ持って全く謎なのです。

確かにほとんど錆びていないよ。

普通鉄ってほっといても空気中の酸素に触れると錆びてしまうものですが。

錆びない鉄ってちょっと信じられませんよね。

特に私は大学時代化学を学んでいましたから余計に見ていて歴史の素晴らしさを実感できたのかもしれないです。

まあ、ひび割れが入っていた部分は錆びていましたが。。

世界の不思議を体感する。 

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それも旅をする楽しみですよ。

さてモスクの周辺には様々な遺跡が残っており。

奴隷王朝のイレトゥミシュを埋葬した廟。 

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クトゥブ・ミナール以上の高い塔を建てようとして途中で挫折した塔の基壇など。 

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すべては奴隷王朝の素晴らしさを伝えています。

特にアラーイ門というのがあって、クトゥブ・ミナールの南側にあるのですが。

その門の建築が素晴らしい。 

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当時インドの建築資材といえば赤砂岩と白大理石のみ。

この2つを使い、さまざまな彫刻を掘り、門に飾って行く。

そのコントラスト、彫刻の奇麗さ。

すべてを合わせた感じのある門でした。

まるで見る者を魅了していくようで。

見ていてとても飽きない門でしたね。

やはりインドの歴史はもう一度勉強した方がいいかも。

世界史の知識だけで、後は世界遺産を学んだときに少し勉強したぐらい。

ほとんどといっていいほど知らないので。

でもこれだけの遺跡を目の当たりにするとインドってホントにすばらしい場所だったんだってことがわかります。

今回ホントにインドに来てよかった。

インド最後の世界遺産を見ているからそういうことを思ってしまうのですね。 

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まあ、遺跡は素晴らしかったのですが、、残りがやはり私には合わなかった。

結局インドが嫌いになりましたがね。

早くネパールに行きたいよ。

さてそろそろ帰ろうと思い。

空を見てみると何と雨が降りそうな雲行き。

あわててバス停まで行き、バスを待っているとすぐに雨が。

大雨ですよ。

ここで思い出した。

2日前の夜に私の部屋に雨が吹き込んだことを

あわてて帰りたいところですが。

バスが一向に来ないし、私自身傘を持っていなかったのでやむまでどこかで雨宿りをしないといけない。

もうじたばたしてもしょうがないので気持ちを落ち着けてバスを待っていました。

やっとバスが到着したと思ったら、バスの中も完全なる雨漏り状態で。

濡れない席を確保するのに必死になっていました。

しかもインドのバスにはワイパーというものが存在せず、正面があまりよくわからない。

正直怖い。

まあ、徐々に雨が止んでいったので不安は消えたのですが。

ようやく駅に到着した時には完全に雨は止んでいました。

しかし大量の水たまりによって私の靴はびしょぬれ。

まあ、かれこれこの旅に出てから8か月間も同じ靴を履いていたので底が抜けているので少しの雨でもすぐに濡れてしまうのですが。

いい加減に買いなおさなければと思いながら、インドではいい靴がないと思いあきらめ。

カトマンズでトレッキングシューズでも買おうかと思います。

さてまっさきに宿に戻り、自分の部屋が濡れていないことを確認。

ホッとしました。

そしてお腹もすいていたのですぐに夕食。

いやね、実は体調がまた悪くなってきているのですよ。

何が原因だかさっぱりわからないんですが。

体調も悪いので本日はお酒をやめて、ほかの日本人の人と話していました。

薬をもらった日本人と昆明であった人とね。

皆それぞれ旅も長いので楽しい話ができることができました。

明日は夕方から移動。

とうとうインド最後の列車の旅になりそうです。



クトゥブ・ミナールアクセス
ニューデリー駅の東側のホームを降り、目の前の道をまっすぐ歩きつきあたりを左へ。
少し進んだところにたくさんバスが止まっている場所がある。
その中で東方向に向かうバスが止まっている場所から505番のバスに乗り込む。
車掌にクトゥブ・ミナール下車と伝えておくこと。





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