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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学43--ドイツ天才建築家--
2000.12.30
 
世界遺産雑学43

--ドイツ天才建築家--

世界一キレイな階段がここにはある。
そして、世界最大のフレスコ画が描かれている。
それは巨大な空間に柱一本使わなかったため。
この階段は建築家として努力の結晶であった。

ヴュルツブルグのレジデンツ  ドイツ

司教都市ヴュルツブルグ。
カトリック司教に統治された都市。
この都市に18世紀神聖ローマ帝国ヴュルツブルグの司教となったヨハン・フィリップス・フ
ランツが司教が住む家の建築に乗り出した。
そして、建築のために各国の有名な芸術家たちに依頼した。
それは芸術庇護者であった司教が選んだ選りすぐりの芸術家たちであった。
この中に異才を放った者がいた。

天才建築家「バルタザール・ノイマン」

宮殿の建設はあまりにも巨大であったため、沢山の建築家が招集された。
その中の責任者として司教から抜擢されたのがノイマン。
じつはこのときまだ無名。
当初は鋳造職人から軍事技術家を経験し、建築にとっては、まったくの素人であった。
しかし、司教はその才能を見抜いたのである。

このヴュルツブルグの宮殿には最大の難関であった階段室の建設があった。
それは、宮殿としては最大の空間。
33m×18m、高さが4階~5階建てぐらいの空間。
その空間を柱を一本も使わずに建設する事だった。
しかし、ノイマンはこの問題をあっさりとクリアしてしまう。
これをみた他の建築家は。無名のノイマンのこの構造ではすぐに崩れるだろうと反対の意見
がたくさんでたのであった。

じつは、後世になって、この構造にしたことがノイマンがいかに天才かを証明する出来事が
あった。
それは、第二次世界大戦。
敗戦国ドイツでは、各地で爆撃があった。
このヴュルツブルグも爆撃されたのである。
そのとき、宮殿は跡形もなく爆破された。
しかし、終戦後この階段室の天井だけは爆風にも耐え崩れずに残っていたのである。

こうしてノイマンはヴュルツブルグのレジデンスを完成させた。
そして階段室には世界最大一枚絵のフレスコ画が描かれたのである。

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それは、巨大な空間で、巨大な天井絵があり、豪華な装飾と大きな階段が建設された、世界
最高峰の技術が結集された階段室であった。

バルタザール・ノイマン
無名だった彼はいつしか天才と呼ばれるようになり、ドイツの宮殿建築に多大な影響を与え
たのである。
このため、1981年ヴュルツブルグのレジデンスは世界遺産に登録された。


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この階段室にはびっくりしました。
ほんと柱が何もないのです。
しかも巨大。さらに巨大な絵。。
天才建築家の名前の由来が分かった瞬間でした。