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 【[雑学]ヨーロッパ

世界遺産雑学44--宗教改革の始まり--
2000.12.30
 
世界遺産雑学44

--宗教改革の始まり--

一人の男はカトリックに絶望していた。
そしてカトリックに反旗をひるがえしたのである。
それはプロテスタントが現れた瞬間。
男の名は「マルティン・ルター」

・アスレーベンとヴィッテンベルクのルター記念建造物群  ドイツ
・ヴァルトブルク城  ドイツ



宗教改革者、マルティン・ルター。
彼は学生時代神学を学びはじめ、最終的に神学の大学教授にまでなった。
しかし、聖書を学ぶにつれてカトリックを疑うようになる。
なぜならば当時のカトリックはお金集めのため、免罪符というお金を払えば無罪になるとい
う神にそむいた教えを説いていたためだ。
そこでルターはこのカトリックに抗議した。
それが宗教改革の発端となった事件。
「95ヶ条の提題」
この95ヶ条にもなる議題を教会の扉に貼り付けたのである。
これは市民も読み、世界中で波紋を起こす事となった。
こうして、ローマ教皇から破門されることとなり、命を狙われるようになる。

しかし、この考えに賛同するものも現れた。
それがザクセンの領主。
この領主はルターを自分の城に隠す事によって命を救われたのである。
そしてこの城でルターは新約聖書の翻訳に乗り出した。
当時の新約聖書はラテン語で書かれていた。
もちろん、市民はラテン語など読めない。
そのため教会が聖書の教えを伝えていたのである。
それがいつの間にやら、教会は自分の利益になるような教えを説いていた。
このため、ルターは誰でも読めるように新約聖書をドイツ語に翻訳したのである。
しかも時代は宗教改革を後押しした。
それが活版印刷の発明。
このドイツ語で翻訳された聖書は瞬く間に世界中の市民の手に渡ったのである。
プロテスタントの始まりでもあった。

この宗教改革の出来事で世界遺産になった場所こそ
生まれて亡くなった街、アイスレーベン
95ヶ条の提題を張り出した教会のある街、ヴィテンベルク
ルターをかくまった城、ヴァルトブルク城
である。
現在、ヴィッテンベルクにある95ヶ条の提題を貼り出された教会の門はもう残っていない。
しかし、ここが宗教改革の始まりであったため、95ヶ条の提題が刻み込まれた門が新たに建
設されたのである。


「宗教改革」
それは16世紀のヨーロッパ社会を大きく変えた事件。
キリスト教を根底から覆した出来事。
そして、宗教改革は各地に広がっていたのである。
この歴史的大事件を記念するアイスレーベン・ヴィッテンベルクの6つの建物は1996年に、ヴ
ァルトブルク城は1999年に世界遺産に登録された。




中学、高校でもみんな習ったこの事件。
この事件の始まりの場所。
この宗教改革の声を訪れて聞いてみたいです。