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 【中国旅行記

中国・成都へ生還
2008.05.13
 
2008年5月13日    283日目


助かった。

成都に帰ってこれた

不安や喜びが一度に来た日




結局雨の音で目覚めた。

やはり少ないマットでたくさんの人たちが寝るので寝返りとかうてなくて。

でもこんな状況下ですから寝れるだけましですよね。

もちろん昨日は日帰りの予定で出発したので。

半そでで来ていたんだよ。

そんな中、山の山中なので寒くてたまらない環境で過ごさなければいけないという事態だったんです。

この状況下で寝れるわけもなかったのですが。

優しい中国人の人たちが私に布団をくれて。

それに包まって寒さをしのいだのです。

今回はほんとに中国人の優しさに助けされています。

感謝してもしきれないぐらいです。

さて、本日は雨が降っているために移動できないでこのままここに居続けるのではと予想していました。

そして8時ぐらいになった時に、何と青城山近くの都江堰に行くという話が上がりました。

あの、、、雨降っているんですが。。

私、新しいカメラ持ってきているんですが。

でも命には代えられませんよね。

かくなる上はカメラだけビニールに入れて都江堰に向かうことにしようかなと。

すると、隣で寝ていた夫婦が私たちのレインコートを使いなさいといってくれるでは。

ありがとうございます。

夫婦はまだここに残る予定らしいので。

必要なら持って行っていいと。

ホントに中国人は優しい人が多いです。

さて、ようやく出発の準備が完了

15人一組の隊列を作って、いざ出発。

最初は舗装された道を歩くのかと思いきや。

なんといきなり山の中へと。

これがまたすごい獣道。

しかも雨が降っており、かなり危険な状態なのです。

足元滑らせたら下の濁流の川へ転落してしまう。

もう一歩一歩が気が抜けない世界。

これも助かるためだと思わなければこんな道歩けないです。

それにしても何でこんな道を歩かなければいけないのかと思っていたのですが。

途中、川の対岸を見た時に判明。

なんと舗装された道の上で土砂崩れが起きており、完全に歩ける状態ではないです。

それが100m以上にもわたっており未だに上から土砂が流れています。

これでは迂回するしかないですよね。

こうして住民しか通らないような山道を進むこと1時間半。

ようやく橋のある場所に到着して川の対岸の舗装されている道へ。

橋はつり橋で、下は雨と地震により濁流の川で。 

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渡るときはほんとに怖かった。

舗装されている道に移動してからはどんどん進むことができて。

でもこの時点でも車が走っている様子がなく。

途中いたるところに山から転がってきた岩が道をふさいでいました。 

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しかも完全に土砂崩れしているところもあり、歩くのも困難な場所が。 

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ここで余震が起きたら確実に死ぬなと思える場所。

しかし慌てたいが慌てると足を滑らせて川に転落するのではないかと思えるような場所。 

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何度も足がすくんでしまいました。 

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するとようやく車が走っている場所に到着。

この時点で出発から3時間は歩いたでしょうか。

しかし、みんなここに集中しているために車に乗れそうもない。

特に私たちは中国語が話せませんしね。

ということで少しでも街に近づくために徒歩で都江堰まで向かうことにしました。

すでに車が通っているだけに道は比較的良好で。

一部土砂崩れしている場所もありましたが、それでも先ほどよりは崩れていないので。

もう、安心な場所に来たんだと実感。

安ど感から足取りも気持ち早くなりました。

けれどもまだここは山の中。

歩けど歩けど、街並みが見えてこない。

出発してからすでに4時間ぐらい経過しようとしたところでしょうか。

突然一台のバイクが止まり、50元(750円)で都江堰まで連れてってくれるというではないですか。

もちろん乗りましたよ。

普段では法外な値段ですが、こんな非常時にそんなことも言ってられない。

すぐに乗り込み都江堰まで連れてってもらいました。

でも状況が悲惨だった。

青城山は建物の崩れとか半壊はしていましたが、全壊というものはなく。

しかし都江堰周辺の街はすべての家が全壊しております。

道路には家をなくした人々が。

もう見ていて泣いてしまいそうでした。

この中にまだ人が残っているんではないかと思わずにはいられない。

災害とは人々の築きあげたものをいとも簡単に壊してしまうのだと。

人々はそれをただ受け入れるしかないのだと。

心は曇り空です。

ようやく都江堰に到着してからは歩いてバスターミナルへ。

皆バスターミナルへ向かっているのか歩いて行くたびに周りの人が増えて行く。

中心地に入るとその光景にもびっくり。

5階建てのアパートが2割ぐらい完全崩壊している。

崩壊していないのも、壁は落ち、ひびが入り。

もう立て直すしか人が住めない状況へ。

これほど強い地震だったのかと改めて認識させられました。

もうこの周辺の街はすべての建物がだめなのかもしれません。

そもそも中国の建築物は地震なんて想定してないもので。

高層ビルでも壁にレンガを使うという状況。

しかもコンクリートの部分も中に鉄が少ししか通ってないという明らかに手抜きではないかと思われる建築。

もちろん一般市民の家は完全にレンガ造り。

そりゃ崩れてしまいますよね。

今まで中国の建築を見てきて、地震がないからこんな建築で建てられるんだよなと思ったことも何回も。

やはりいざ地震が来てみると崩れてしまったのは当たり前のことかもしれません。

そしてようやくバスターミナルへ到着。

、、、、、、、、、、。

どうしよう。

バスターミナルも崩壊しており、バスがどこから出発しているかさっぱりわからない。

バスターミナルを見た瞬間2人で立ち尽くしてしまいました。

どうやったら成都に帰れるんだろうか。。

1、2分何も考えられない状態が続き。

周りの人に聞いてもわからないという状態。

そこで2人が出した結論。

残り40kmを歩くこと。

うまくいけば明日の朝には成都についているだろうと。

ここでただ立ち尽くしてどうしようかと悩むよりは。

そちらの方が断然確実なので。

覚悟を決めて成都の方へ歩き出しました。

いつ助かるのか。

それだけが不安でしょうがなかったです。

しかし、20分ぐらい歩いたところに何とバスが並んでいるところが。

しかも成都行きと書いてあるではないですか。

でもこの人々の量ですでにバスの定員がいっぱいだろうと思いましたが。

なんとしても乗れるチャンスがあるならと。

すぐに向かっていきました。

するとよゆうで席が空いているではないですか。

ただし、料金が普段の2倍。

こんな状況下だから気にしません。

ただし、中国人にとってはつらいかも。

何せ17元で行けるところを50元とられるのですから。

月収1000元満たない人たちも多いのでつらいかもしれないです。

ともかく助かった。

車に乗って出発した瞬間、一緒に来ていた人と握手を。

これでようやく助かりました。

ホントによかった。。

こうして1時間後には成都へ到着。

バスを乗り継いで宿へと戻ってきました。

ホントにホントに、、、つかれたよ、たすかったよ。

宿にいた日本人たちも心配していたみたいで。

ホントにご迷惑をおかけしてすいません。

が、ここからがある意味大変だった。

なんと日本で行方不明として報道されていたようで。

???!!!

日本中に迷惑かけているのですか?

しかもいきなり○○テレビさんから取材が。

が、まだ親に連絡していないのでと断りました。

ともかく親へ連絡です。

というか、親も行方不明者が私って知っていたみたいで。

報道でも名前出ていなかったのにどこで知ったんですか?という状態でした。

ホントにご迷惑をおかけしてすいません。

ただし本日はすごく疲れてしまい。

被災しただけでなく、これだけ報道人から連絡が来ることに戸惑いがあり。

取材は本日お断りという形をとらせてもらいました。

というか逃げていましたが。

ただ、本日中にやらなければいけないこともあり。

列車のチケットをキャンセルしたかったのです。

もちろん、列車はすべて運休しているのですが、明日になったらキャンセルできるかわからないと言われて。

早めにキャンセルしに行きました。

もうほんとに疲れたよ。。

宿に戻ったら、みなさんが生還祝いということで食事に連れて行ってもらいました。

ただし、ほんとに疲れていて。

おいしかったと思うのですが、味覚えてない。。

それだけ大変な日だったのです。

が、その後がびっくり。

宿に帰ったら何とテレビの人がここで取材のために待っていたらしく。

帰ったのが遅めだったということもあって帰ってしまったようです。

本日はほんとに勘弁してもらいたかったのでちょっとほっとした次第です。

精神的にも体力的にも参っていたので。

さて本日はぐっすり寝させていただきます。

ホントお疲れ様でした。

そしてホント迷惑をおかけしてすいませんでした。