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 【[雑学]アジア

世界遺産雑学48--世界の奥地の神秘の場所--
2000.12.30
 
世界遺産雑学48

--世界の奥地の神秘の場所--

地球はどうしてこの奥地にこの湖を生み出したのだろう。
それはエメラルドグリーンやオーシャンブルーなどの色に変化している。
世界で美しい秘境
地球の神秘が輝く場所

黄龍/九寨溝  中国



中国・四川省
岷山山脈の中にこの二つの世界遺産はある。
非常に近い世界遺産。

「童話の世界のよう」
こう呼ばれる九寨溝は3つの渓谷にある100以上の湖や瀑布がある場所。
そこは9つの村がこの渓谷にあることからこの名が作られた。
石灰岩を含んだ湧き水が湖を形成しているため、湖は成分の作用により太陽よりあたる光を
青やオレンジ色などに反射させる。
これにより、エメラルドや深い青などの色が同じ湖内で見られるのである。
さらに石灰には水を浄化する効果をもっている。
この効果により水がガラスのように澄み、湖のそこの倒木などがきれいに透けて見えるので
ある。
それは、精霊が悪霊と戦った時に、落として割れた鏡の破片が湖になったといわれるほど綺
麗で不思議な場所。

「地上の仙境」
こう呼ばれるのは黄龍。
こちらも石灰岩の成分が含まれる水が湧き出す場所。
しかし、この黄龍は傾斜地に水が吹き出たのである。
このため、湖にならずにそのまま川となった。
そして、石灰質の成分が結晶化。
小さい湖が棚田状となって斜面から流れるような景観となったのである。
さらにそれは澄んだ水のため淡い青や黄緑などの複雑な色を見せているのである。
さながら黄色い龍が谷を駆け上るように見えたため黄龍と名づけられた。

実はこの2つの世界遺産は同じ登録基準で登録された。
それは世界でも珍しい登録基準。
「景観の美しさ」
世界自然遺産登録基準3項
ひときわ優れた自然美、および美的要素を持つ自然現象
のみに該当した世界的に貴重な世界遺産である。

また、この2つの世界遺産には地球の壮大さが読み取れる。
それは石灰岩を含んでいる事。
じつは、地球の生成工程で石灰とは生まれないのである。
ではどこからこの石灰が生まれたのか。
その答えは海にある。
海の中に出来た珊瑚。
それこそが長年の歳月をわたり石灰岩を作り上げた。
しかも、3000m以上の山の中。
数十億年の歳月が作り上げた地球の足跡である。

九寨溝・黄龍。この二つの世界遺産は自然の景観美により1992年世界遺産に登録された。




そこは地球の秘境。
数年前から行ってみたいと思っていました。
しかし、今では有名な観光地。
自然破壊が進行している世界遺産になってしまいました。
ぜひとも守らなければいけない地球の記憶です。