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 【中国の世界遺産

世界遺産「万里の長城」(5)
2008.05.23
 
2008年5月23日    293日目


万里の長城最西端

そこは崖によって遮られた

最果ての地



手に違和感が。

と思ったら車掌に起こされてた。

中国の列車は一車両に一人の車掌がいて、寝台だと降りる1時間前ぐらいに起こしてくれるのです。

ということで4時起床。

まだ暗いですよね。

しかしその中到着。

着いた場所は嘉峪関。

万里の長城の最西端がある場所です。

さて到着した時には朝の5時でまだまだ日は出ておらず、あいている宿もないので。

暗い街並みの中、町の中心地に向かって歩きだしました。

地図は持っていたので、その通りにバスターミナルの方へ。

これがまた意外に遠かった。

かれこれ重いバックパックをしょったまま5kmも歩く羽目に。

でもそのおかげで時間がつぶれ、宿が開きはじめたんだよね

このためすぐにチェックイン。

宿で少しの時間をすごしてからすぐさまに世界遺産に向かいました。

世界遺産までは街の中心から約5kmということで歩くことに。

何しろ地●の歩き方にはタクシーで行けなんてことが書かれていたので。

本当はレンタルサイクルがあるとのことで。

いろんな場所を廻ったのですが、どうやら宿泊客でないと自転車借りられないみたいで。

頑張ったのですが断念です。

あと5kmだったら一時間かからずに到着するよという概念があったので。

目的地の嘉峪関方面へ向けて歩きだしました。

案の定40分ぐらいで到着。

が、ここで困った事態に遭遇。

確かに嘉峪関までは5kmだったのですが、私が今回見たかったのは嘉峪関ともう一つ。

そのもう一つとは万里の長城最西端「万里の長城第一墩」なのです。

地図で見ている限りではそんなに遠くないと思ったのですが。

なんと標識を見ると嘉峪関から9km。

、、、、、往復18km歩けってこと?

タクシーを使う方がいいのかな。。

でもこのときまだ体力が有り余っていたので。

18kmぐらい余裕だろうと甘い考えをしていて。

体力があるうちに歩こうと思ったので、嘉峪関を後回しにして万里の長城第一墩の方向へ。

歩いて行くと途中に万里の長城が見えてきました。

といってもほとんど崩れています。

皆さんは万里の長城は石組で堅固な城壁を想像するでしょうが。

この嘉峪関周辺の万里の長城は土を原料として作られています。

これにより風化が著しくほとんどが残っていないのです。

現に今残っているのは明の時代の万里の長城で、ほかの時代に建てられたのはすべて崩れており細長い土を盛った跡が残っているぐらい。

ここも例外ではなく、多少城壁のような後はありますが砂漠に埋まっている場所もあり、すべてが崩れている場所もあり。

ほとんど原形をとどめていないのです。

もちろん現在では城壁の上に簡単に登れるぐらい崩れていて。 

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写真で見ると、この細長い筋はなんだろうという印象しか受けないですね。

今まで見てきた万里の長城はほとんどが完全な姿で残っていたのに対し、ここは全く別の趣で。

同じ万里の長城を見ているという印象が持てないのがびっくりです。

さて、万里の長城第一墩に向かっていると、、、あれ万里の長城を過ぎ去って道が進んでいるんだけど。

向かっている道の方向おかしくないかな。

と思ったので万里の長城沿いに歩いて行くことにしました。

もちろん舗装などは一切されてなく、砂漠の中を歩いているような感じで。

昔からこのような場所に建てられたんだというのを体験できました。

見渡す限りの何もない大地。

そこにあるのは一本の城壁。 

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当時のシルクロードはこんな姿だったのだと実感できる光景。

歩いて行くだけの価値はありました。

嘉峪関から1時間半もあるいてようやく万里の長城第一墩に到着。

入場料を支払、万里の長城最西端へ。 

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なに、この場所。

崖がそびえており、そこでピタッと万里の長城が無くなっている。 

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崖の下には小さな川が流れているだけ。

ちょっと信じられない光景です。

この小さな川が長年かけて彫りこんだ崖

そこから城壁がぎりぎりまで組まれている姿が。

最東端は海に突き出していましたが、最西端は崖にぴったりと沿って切れている。

文字では説明しにくいですね。

皆さんも写真でその情景を感じていだたけると嬉しいです。

それにしてもびっくりしたのがアミューズメントパークのような感じになっており、周辺には当時住んでいたような家が作られていたり、対岸に渡れるようになっていたり。

ちょっと景観が、、、と思ってしまったのは否めません。

お願いだから景観込みでしっかり保護していただきたいものです。

ただ、対岸に渡れたのはすごく良かった。

ありえない高さのつり橋を渡り、対岸から万里の長城が無くなる部分を見れるのはいい経験でしたね。 

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さて一通りの観光が終わったので、再び歩いて嘉峪関に戻ることにしました。

この時点で本日20kmぐらい歩いているんだよね。

もう足が痛いっていうの。

でも我慢我慢。

今度はしっかりした道を歩き、1時間半後に嘉峪関に戻ってきました。

これで歩いた距離は30kmになります。

すでにマメとかできていますが、気にしない。

到着してからはすぐに嘉峪関に入っていきました。

嘉峪関とは万里の長城最西端の関。

シルクロードの交易物がここを経由して旅立っていったのです。 

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このために関もかなり大きい。

しかもすべてはレンガと土で作られているために今までとは違った関に見えます。

なんだか周辺の砂漠と同化しているみたいです。

もちろん土で作られている部分は風化しており、少し崩れた感があるところで。

それが周辺に伸びている長城と合わさってかなり壮大な遺跡。

すべては土色。 

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今まで見た万里の長城とはどことなく違いますね。

また関もみた中では2番目ぐらいに大きい。

一番大きかったのは最東端にある天下第一関で関の中に街が存在するような大きさ。

こちらは街はありませんが役所らしきものがあり、城壁は2重で相当な大きさがあります。 

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その割にはその席から伸びている長城が小さいので多少面白い感じです。

関には3つの塔が建っており、攻めてきた敵を遠くから眺められるようになっています。

塔の上には登れませんでしたが関の上からでも万里の長城最西端と反対側の山に続いている長城まで見渡すことができます 

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何か緊急のことが起こっても対応できるようにこのような大きい関を作ったのかもしれませんね。

それにしても関の中は役所の建物だけでほとんどが残っていない。

現在では大きい広場のような感じになっているだけです。

城壁もよくよく見ると土で作られている部分は崩れており。

長い年月ここにそびえているというのを感じさせます。

ここでは石というたぐいの材料がそろわないためにレンガと土で作るシンプルな長城となったのですね。

シルクロードにたたずむ万里の長城。

今回この姿が見れただけで来てよかったという気分にさせてくれました。

それにしてもひとつだけ不満。

やっぱり修復方法。

この嘉峪間では現在地面に敷かれている石を修復していたのですが。

並べられていたのは全部新品の石。

長年かけて石に刻まれた轍の跡が無くなってしまっている。

この轍は馬車が通るたびに少しずつ刻まれ、それが長年の歳月にわたり溝のようなものになったもの。

これこそ歴史の証であるのに。

もう少し何とかならないものでしょうか。

さて嘉峪関の観光が終ってからは近くにあった万里の長城博物館へ。

この嘉峪関では万里の長城唯一の博物館があり。

万里の長城がどのように作られ、どのようなルートを通り、どのような関が存在するかを展示してあります。

それは中国語が読めなくても、模型や写真で展示してあるために見ていて楽しい。

特に私は5ヶ所の万里の長城を見たために結構行った場所があったのですごくうれしくなりました。

さてその後は、、、、再び街まで歩いて帰り。

5kmの道のりをね。

これで本日35km以上歩いていることになり。

足には巨大なマメができており。

歩くたびに痛い。。

もう宿に着くまで必至でした。

宿についてからはすぐにシャワーを浴び。

筋肉痛の薬を塗り、マメをつぶし。

早めに就寝です。

ホント疲れたよ。。

明日は敦煌に向かいます。


嘉峪関アクセス
西安-ウルムチ間の列車で嘉峪関駅下車
嘉峪関駅からは街の中心地までは5km離れている。
嘉峪関は4路のバスの終点下車
バスターミナルからは北西に向かう道を歩き5km
万里の長城第一墩へは嘉峪関から9km。
タクシーかレンタル自転車を使うとよい。





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