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 【[雑学]その他

世界遺産雑学50--形の無い世界遺産--
2000.12.30
 
世界遺産雑学50

祝シリーズ50回記念!!
という事でもう一つの世界遺産を紹介します。

--形の無い世界遺産--

世界には守らなければならないものがある。
それは何も形あるものに限らない。
このためユネスコは世界遺産とは別の保護条約をまとめる。
無形遺産の保護を。

人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言

1998年ユネスコで宣言されたこの条約。
口承による伝統、芸能、社会的習慣、儀式、伝統工芸技術などの無形の文化を有形文化財で

ある世界文化遺産同様、人類共通の宝物として保護する事を目的としている。
この宣言を2003年ユネスコ総会は採択した。
「無形文化遺産保護条約」
今後30カ国の批准を得た後、正式に発行されるのである。

そして、2001年に最初の無形遺産が登録された。
隔年でこの無形遺産を登録しているのである。

日本からは3つの無形遺産が登録されている。
能楽
人形浄瑠璃文楽
歌舞伎
それは日本古来からある伝統的芸能。

能楽とは「狂言」と「能」の2つがある。
中国の散楽が8世紀に伝わり、14世紀に発展したもの。
役者と奏者で構成されており、客席の方にも舞台がせり出しているのが特徴。
話し言葉で構成されて12~16世紀の大衆文化をそのまま伝えているのである。

人形浄瑠璃文楽とは語りと音楽そして人形によって構成されている。
江戸時代に操り人形と語り形式の浄瑠璃が合体して作られた。
操り人形は複雑に作られており、表情まで作れるようになっている。
そして、後ろ黒子が3人がかりで操るのである。

歌舞伎は男性しか演じることの出来ない伝統的舞台。
17世紀江戸時代に始まり庶民の間に広まった。
男性しか演じることが出来ないため男形、女形が存在する。
とくに舞台装置が発展。
独特な化粧で特殊な雰囲気をかもし出しているのである。

じつは、この3つの無形遺産は大きな危機を迎えている。
それは若者が興味を示さないこと。
いかに次の世代へ伝えていくかそれが問題となっているのである。

現在、世界には多種多様な無形遺産が登録されている
影絵
お祭り
音楽
織物技術
占い
演劇
彫刻
砂絵
などなど。

中には世界遺産と深いつながりがあるものがある。
モロッコの世界遺産マラケシュ
そのなかに大きな広場がある。
じつはこの広場が無形遺産に登録されている。
広場が無形遺産とは不思議な感じがある。
登録名は「ジャマーア・エル・フナ広場の文化空間」
ここでは、午前中露天が並び、午後になると大道芸人がさまざまな芸を見せる。
そして夜になると屋台が並び始める異質な空間。
人々の熱気が満ち溢れているのである。

また、なかなか見ることが出来ないものもある。
それはスペインの「エルチェの神秘劇」
聖母マリアの死や戴冠を描いた劇
それは15世紀から今日まで絶えず続けられているのである。
しかし、1年に1度の劇。
さらにエルチェの小さな教会で行われる。
見る人は毎年限られてしまう。
貴重な神聖劇。


現在2006年の4月に30カ国の批准を得た。
こうして、無形文化遺産委員会の設立が決定。
今後、世界遺産と同じく無形遺産のリストと危機リストが作られる。



無形世界遺産
ある意味見るのが難しいです。
なぜならば形の無いものだから。
形のある世界遺産なら行けば見れますが、文化を見るのは大変。
日本の3つもどこで見れるか知りません。